スリランカではインフレ高進と長期停電に対する抗議行動が内閣改造という事態につながり、債券価格が下落した。深刻化する経済危機に政局混乱が加わり、政府の債務返済能力が損なわれるとの懸念が強まった。 5日には前日就任したばかりのサブリ財務相が辞任した。その前任はラジャパクサ大統領の弟のバシル氏だった。辞任理由についてはまだ明らかにされていない。大統領に対する議員からの辞任圧力は一段と強まっている。 スリランカはアジアで最高水準のインフレ率に見舞われている。増大する市民の怒りに直面し、権力を握るラジャパクサ一族と距離を置く政府高官や政治家が相次いでいる。 7月に償還日を迎える10億ドル(約1226億円)のドル建てスリランカ国債の価格は約2%安の額面1ドル当たり59セントと、7セント値下がりして2020年5月以来の安値。今後4カ月弱で迎える償還日に債務履行は難しくなるとの投資家の見方がますます強まっ