捕手・中村奨成が夏の甲子園記録更新の「大会6本目」の本塁打を放って、広島・広陵高が2007年以来の決勝進出を果たした。 決勝に勝ち進んだのは広陵高であって、中村奨成が勝ち進んだわけではないのに、大きな話題になっているのは、中村奨成個人ばかりなのが面白い。 彼が入学してからの3年間、たまたまチームが全国の舞台に出場していなかったから話題になるのが遅すぎただけで、もともとずば抜けた能力を持った選手だった。 この夏の甲子園が始まる前、NHKラジオの番組で大会のお話をさせていただいた時、「注目の選手は?」という問いに、即答で「広陵高・中村奨成捕手!」と答えたが、居合わせた人たちで、彼の名を知っている人はいなかった。 それでも、内心、「今に見ていてごらんなさい……」と自信満々だったものだ。 昨年の秋、ある雑誌の取材で、広陵高のグラウンドに中村奨成捕手を訪ねたことがある。 来年(2017年)のドラフト