新型コロナウイルス感染症の影響で、雇用情勢は厳しさを増している。労働市場の需給関係を反映する有効求人倍率は、2019年4月の1.63倍から2020年9月には1.03倍まで低下し、失業率は2019年12月の2.2%から2020年10月には3.1%まで上昇した。ただ、経済活動の急激な落ち込みの割に失業率の上昇が限定的にとどまっているとの見方も可能だ。 雇用調整助成金で失業の増加に歯止め 1980年以降のデータを用いて実質GDP(国内総生産)と失業率の関係(オークンの法則)を計測すると、GDPギャップが1%悪化すると失業率ギャップが0.26%上昇する傾向がある。実質GDPは2019年10~12月期から2020年4~6月期までの3四半期で10.5%減少し、GDPギャップも10%以上悪化した。