映画 というわけで、ラストシーンの夜明けの光線の変化の細かい描写等々、ところどころに原作の気配が鮮烈に感じられる瞬間はあるものの、結局、「誰がアリエッティを養うか」、というかもっと即物的に、「『誰がアリエッティにエサをやってよいか』をめぐる男たちのゲーム」みたいなことになっていて、あら不思議。アルドリッチ師匠の『傷だらけの挽歌』と、漫画版の『南くんの恋人』を掛けあわせながら、進行中の事態の「業深さ」に対する自覚や内省の機会を一切抜きにした映画に仕上がっているように見受けられ、こりゃ、『傷だらけの挽歌』よりよほど不気味でタチが悪くてホラーだよな、などとも思ったり。 映画が始まった時点では、人間の居住空間からの食糧と生活必需品の調達―「借り」―は、ポッド氏ひとりが成しうる業であり、妻ホミリーと娘アリエッティは生存のすべてを家父長の働きに依存していることが明示されます。冒頭、アリエッティが庭での
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