20世紀フォックス映画「はやぶさ/HAYABUSA」から。左端が竹内結子、右から2人目が佐野史郎東映作品主演の渡辺謙。手に持つのは模型の「はやぶさ」松竹作品主演の藤原竜也 昨年6月に地球に戻り、日本中を沸かせた小惑星探査機「はやぶさ」の偉業が、今秋から来年にかけて3本の映画になる。製作するのは、20世紀フォックス映画、東映、松竹の大手3社。同じ題材の3作が相次いで公開されるのは極めて異例のことだ。映画人はなぜ、競合覚悟で「はやぶさ」を撮るのか。 ◇ 「実話なので、話を変えるわけにはいかない。3社も残ると思わなかった」。宇宙航空研究開発機構(JAXA)で映画受け入れの窓口となった阪本成一教授は話す。JAXAには大手の映画・製作会社から八つの提案があったという。 東映作品の坂上順プロデューサーは「競争に生き残ろうと、ダメもとで渡辺謙さんに主演を頼んだ。企画を持ってJAXAに行ったら『