哲学者・作家の肩書を持つ東浩紀がこの夏、憲法改正試案を発表するという。公表を前にきょうの朝日新聞(5月1日付朝刊)でインタビューに答えている。それを読むと、「日本を尊重しろ」だの「天皇は元首」だの、奇妙なことをうたった改正試案であることがわかる。 東はなぜいま憲法改正なのかを問われ、3.11後の政府の失政を目の当たりにして「もやは政権を代えている場合ではない。もっと基層の部分を変えなければならないことが明らかになった」と語る。2年半前の政権交代ではほとんど何も変わらなかったから、というのがその理由だ。だが、基層を変えるにせよ、表層を変えるにせよ、まず政権を代えることからしか始まらない。震災が起ころうが、民主党が腰砕けになろうが、それは変わらない。東の言葉を借りれば、いまこそ「政権を代えている場合」なのだ。それが民主党の原点回帰という形を取るのか、政界再編という経路をたどるかはわからないにし