■進行する少子高齢化、限界を迎えた一人っ子政策がそれでも改革できない理由■ ■一人っ子政策の限界 中国の計画生育政策、いわゆる一人っ子政策だが、改革の機運が高まっている。というのも1979年の導入から30年あまり、その影響は凄まじく、中国は世界最速ペースの少子高齢化が進行しているからだ。 津上俊哉『中国台頭の終焉』は2010年実施の国勢調査をもとに中国の合計特殊出生率がわずか1.18にまで落ち込んでいることを明らかにした。北京市、上海市ではわずかに0.7強。日本を下回る水準であり、人口ボーナス(労働人口と家計貯蓄の増加)の時代から、真反対の人口オーナスの時代に突入し、日本と同じ責め苦にあうと警鐘を鳴らしている(関連記事:「中国の成長率は5%代に」「リーマンショックが中国を傲慢にした」ブックレビュー「中国台頭の終焉」)。 津上の試算は管見の限り最も悲観的なものだが、中国が人口ボーナスの時代を