山本貴光+吉川浩満「貧困と哲学者」 2010年12月22日19:00 担当者より:『問題がモンダイなのだ』(ちくまプリマー新書)などの著書がある山本貴光さんと吉川浩満さんが、哲学者と貧困の関係について考察した一文です。また、『コンピュータのひみつ』(朝日出版社)を上梓された山本貴光さんのインタビューをアップいたしました。そちらもぜひご覧ください。 配信日:2008/10/15 人はパンのみにて生くるものにあらず、されどまたパンなくして人は生くものにあらず――河上肇『貧乏物語』 貧困と哲学者たちといえばまっさきに思い浮かぶのは、紀元前4世紀ごろの古代ギリシアで活動したとされるディオゲネスという哲学者。物質的生活はおろか文化的生活をも無用とするキュニコス派(犬儒派)の哲学者らしく、樽のなかに住んで犬のような暮らしをしていたこという。そこから、「樽のディオゲネス」とか「犬のディオゲネス」な