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HistoryとBooksに関するscrewboundのブックマーク (27)

  • 竹中亨『ヴィルヘルム2世』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    6月30 竹中亨『ヴィルヘルム2世』(中公新書) 8点 カテゴリ:歴史・宗教8点 最後のドイツ皇帝にして第一次世界大戦を引き起こした指導者の1人とも考えられているヴィルヘルム2世の評伝。 近年、今まで評価の低かった人物を再評価するような評伝がよく見られます。ヴィルヘルム2世も決して評価の高い人物ではないので、このもそういった再評価をするかとも思いましたが、そうではありません。ヴィルヘルム2世のだめな部分を容赦なく書いています。 ただ、同時にドイツの複雑な国制や急速に変化する時代状況を描くことで、ヴィルヘルムの立たされた難しい立場と、その難しい立場をよくわかっていなかったヴィルヘルムの姿が浮かび上がるようにもなっています。 とり上げられている人物に特に共感できないのに面白いという、なかなか珍しい評伝と言えるでしょう。 目次は以下の通り。 第1章 二人のヴィルヘルム 第2章 「個人統治」へ

  • L'eclat des jours(2016-05-19)

    _ 成功した失敗プロジェクトと失敗した失敗プロジェクト 高橋さんが『渕一博―その人とコンピュータサイエンス』というを陰影ある書き方でAIに興味ある人は必読と紹介されていたので、読んでみた。(都立図書館で借りたのだった)とは言っても全部は読んでない。後半、渕の論文集になるのだがたとえば『逆対称声道形の推定と多帯域沪波特性近似』(軽く眺めるとおもしろそうなことが書いてあるけど)とか読む気にはならない。 というわけで興味津々でまともに読んだのは林晋の『情報技術の思想家』という中途半端(とならざるを得ないということが書かれていて、それは生きていて利害関係のある人間のバイアスのかかった証言や反証が出てくることが可能な程度の期間しか過ぎていないものは、歴史として文献ベースで客観的に評価することが難しい壁があるという理由で、なるほどWikipedia人による編集を拒むのと同じ理屈であろうし、真実で

  • 戦争の功罪について、米国で大論争:日経ビジネスオンライン

    戦争は人間にとって利益になるのか? あまりにも大上段に振りかぶった質問である。今回、なぜ、この疑問を投げたのかというところから話を始めたいと思う。 米国で4月、『War! What Is It Good For?(仮訳:戦争! 恩恵はいったい何なのか)』というタイトルのが出版された。この直後から米国のさまざまな場で、識者たちが戦争の功罪について議論を始めている。 著者はスタンフォード大学歴史学部のイアン・モリス教授。2011年に『人類5万年 文明の興亡(上・下):なぜ西洋が世界を支配しているのか』という、こちらもまた大胆なテーマの書籍を世に出している。日では今年3月に同書の訳書が出版されたばかりだ。 そして今回のテーマが戦争である。最初に述べておくと、モリス教授が説くのは「戦争の肯定」である。戦争という行為は、多くの場合、人間を殺傷することだ。それをなぜ肯定できるのかという疑問がすぐに

    戦争の功罪について、米国で大論争:日経ビジネスオンライン
  • 消えたイングランド王国

    消えたイングランド王国 第一章 襲い来るデーン 第二章 勇者たち 第三章 終焉への足音 第四章 最後のアングロサクソン戦士 ノルマンディ公ウィリアムによるノルマン征服以前に存在したイングランド王国142年の歴史を追った書です。即ち,デーンと呼ばれるヴァイキングに翻弄される時代の中で雄々しく戦った戦士王たちの姿が印象的。そして,彼ら戦士王たちの中で唯一修道士的清廉さを保ち続けたエドワード聖証王が現在において最も名高いというのは皮肉でありましょう。また,デーンに統治された時代のイングランドの姿が面白いです。侵略者でありながらデーンの首領であるクヌートが一定以上の評価をされているというのが素敵。このあたりは幸村誠の『ヴィンランド・サガ』の時代と完全に被る部分もあり楽しませて貰いました。クヌートとソーケル長身者の名前が登場する度に頬が綻ぶのを自覚します。また,エゼルレッド無策王の時代のモルドンの戦

    消えたイングランド王国
  • 『ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた』 ヒトは史上最強のインベーダー - HONZ

    書は「なぜネアンデルタール人が絶滅し、初期現世人類は絶滅しなかったのかという人類学の大問題」に、最新の研究結果と巧みな想像力で迫っていく、知的興奮に満ちた一冊である。原書である『The Invaders』は2015年3月に出版されたばかりで、著者が引用している論文はここ数年で発表されたものも多く、古人類学の知識を大幅にアップデートできる。書で描かれるネアンデルタール人の真の姿、絶滅への過程、侵入者としてのヒトとイヌの姿はこれまでの常識とは大きく異なり、驚かずにはいられない。 ネアンデルタール人絶滅という大問題には、これまでも様々な角度から解答が提出されてきた。有力だと考えられてきたものの1つは、気候変動説。ネアンデルタール人が地球上から姿を消した頃の気候は非常に不安定で、数百年という短い周期で温暖期と寒冷期をいったりきたりしていた。しかし、気候変動だけでは、説得力ある説明にはならない。

    『ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた』 ヒトは史上最強のインベーダー - HONZ
  • 「砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)」川北 稔 著

    1996年の発売以来売れ続けている世界史入門定番の一冊。砂糖の広がりを通じて様々な地域がつながりあい、ダイナミックに変化していくさまが平易なことばとわかりやすい解説で描かれており、世界史の面白さがこれ以上ないほどに詰まっているので、まぁ、読んでいる人の方が圧倒的に多いでしょうが、あらためて紹介しておこうという記事。 書とあわせて記事下に列挙した書籍を参考にしつつ、大まかな砂糖を巡る歴史を概観しておこう。 歴史上、砂糖は西漸しつつ世界に広がった。砂糖の原料であるサトウキビはムスリム商人によってイスラーム世界の拡大とともに西へ西へと伝播し、十字軍によって地中海世界へ、スペイン・ポルトガルによって大西洋諸島さらに新大陸南米へ、イギリスによってカリブ海諸島へと広がりを見せる。この拡大の過程で砂糖は「世界商品」として人びとの生活に欠かせないものとなっていく。 サトウキビ栽培と製糖の特徴として、第一

    「砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)」川北 稔 著
  • 「アジアのなかの琉球王国」高良 倉吉 著

    琉球史の第一人者高良倉吉氏が、東シナ海の中継貿易で栄えた琉球王国の姿を、琉球王国誕生前の三国鼎立時代から十六世紀末にかけての時期を中心に描いた一冊。 この時代の琉球史・琉球外交史については大まかなところを以前「琉球王国の興隆と衰退を中心に十六世紀東アジア貿易と島津-琉球外交略史」で書いたので、そのあたりの歴史については割愛して、特に当時の東シナ海沿岸諸国と琉球の密接な関係を表すエピソードを少し紹介してみる。 十五世紀の琉球が馬の産地で、明国の対モンゴル遠征で大量に馬が輸出され、その協力への報酬として、海禁政策によって海外に出られない明人に代わり、琉球が独占的に中継貿易を行うことが出来たことは書を参考として別記事でも紹介したが、そのような冊封体制下で、琉球は明国と非常に密接な交流があった。 その代表的な例が「唐営」という華人の共同体の存在である。当時、琉球に限らず、海禁政策によって故国に帰

    「アジアのなかの琉球王国」高良 倉吉 著
  • 日本人はどのように「作られた」のか?

    2011年に出版された『中国化する日』(文藝春秋)が一躍話題となった愛知県立大学日文化学部歴史文化学科の與那覇潤氏。日史上の「西洋化」を「中国化」という言葉で捉え直し、新たな視点を与えてくれた。その與那覇氏が歴史学をはじめ、哲学や心理学、社会学などを一覧する「文系学問オードブル」のスタイルで日文化を考える講義をまとめたのが『日人はなぜ存在するか』(集英社インターナショナル)だ。今回、與那覇氏に「教養」「歴史を学ぶ面白さ」、そして書のメインモチーフである「再帰性」について話を聞いた。 ――書のもとになったのは、2009年から大学で担当されている「日歴史文化」という講義だそうですが、なぜこのような授業を行っているのでしょうか? 與那覇潤氏(以下與那覇氏):勤務先である愛知県立大学には、いわゆる人文系の学部だけでなく、看護学部や理系の情報科学部もあります。そのすべての学部生が

    日本人はどのように「作られた」のか?
  • インターネット・サイエンスの歴史人物館 情報通信技術の礎を築いた科学者たち

    インターネット・サイエンスの歴史人物館 情報通信技術の礎を築いた科学者たち 岩山 知三郎 インプレス NextPublishing 1,980円 (1,800円+税) 関連サイト書の詳細ページが用意されています。 『インターネット・サイエンスの歴史人物館 | NextPublishing』内容紹介コンピュータ・情報通信技術は今日、社会生活においてなくてはならないものになっています。書では、20世紀初頭に萌芽を見せ、インターネットの誕生など大きな発展を遂げたコンピュータ・情報通信技術歴史において、多大な貢献を果たした科学技術計算の父 バネバー・ブッシュをはじめ、15名の科学者たちの伝記を掲載。やがて「標準技術」へと結実することになる、彼らの手探りの努力に触れることで、現代社会が広く享受している恩恵の源流を探ります。 書誌情報 著者: 岩山 知三郎 発行日: 2012-10-26 最終更

    インターネット・サイエンスの歴史人物館 情報通信技術の礎を築いた科学者たち
  • 朝日新聞デジタル:(書評)『海を渡った人類の遥かな歴史』 ブライアン・フェイガン〈著〉 - ニュース

  • 明治天皇、カフェオレ、麩饅頭 - 虚無回転レシーブ

    『明治天皇の一日 皇室システムの伝統と現在 』(新潮新書)を読んだ。 明治天皇の一日 皇室システムの伝統と現在 (新潮新書)posted with AZlink at 2013.3.19米窪 明美 新潮社 売り上げランキング: 301616 Amazon.co.jp で詳細を見る まえがきで、次のように書の概要が説明されている。 書では、明治宮廷での、天皇、女官、侍従たちの何気ない一日の生活ぶりをじっくりと見てゆくことにします。(中略)戦争など非常時ではなく、むしろ、平凡な普段の生活の中にこそ、変えがたい宮廷のシステムの謎が潜んでいるはずです。特に「奥」と呼ばれる、女官たちが仕えるプライベートスペースでの過ごし方は、いろいろな面で重要です。日常の些細な物事の中に、皮膚感覚のそれゆえに変えがたい、宮廷問題の核心があるはずだと思うのです。 こうして、明治宮廷の一日が再現されていく。基的に

    明治天皇、カフェオレ、麩饅頭 - 虚無回転レシーブ
  • ニューアトランティスなど消滅・崩壊した183カ国を網羅した「消滅した国々」

    いま、地球上には日アメリカのように国連に加盟している国が193カ国あり、国連オブザーバーのバチカン市国を含めると194カ国あります。一方で、第二次世界大戦後、この地球上から消滅した国々の数も183カ国と、それとほぼ同数に上ります。 近年だと、東西合併によりドイツ連邦共和国(旧西ドイツ)に吸収する形で消滅したドイツ民主共和国(東ドイツ)や、解体消滅したソビエト連邦などが有名ですが、中にはたとえば「オバンボ」「ガガウズ」「キレナイカ」「クワクワ」といった国名とは思えないような変わった名前のものも。それらの情報をまとめた書籍が、社会評論社から刊行されている「消滅した国々」です。 消滅した国々 | 総合書籍出版 社会評論社 http://www.shahyo.com/mokuroku/foreign/geography/ISBN978-4-7845-0970-6.php このはウェブサイト「

    ニューアトランティスなど消滅・崩壊した183カ国を網羅した「消滅した国々」
  • 江戸の読書会 前田勉著 - 日本経済新聞

    「自由の気風は唯(ただ)多事争論の間に在りて存す」という福澤諭吉の言葉は、よく知られている。「多事争論」は、亡くなった筑紫哲也氏の報道番組のコーナー名にも使われた。異論や反論、少数意見を排除せず、徹底的に討論すること、言論・思想の「自由」の精神はそこに宿る……。われわれは、こうした「自由」の精神や討論の理念を、「鎖国」から「開国」へ、徳川封建体制が葬られた変革によって、西欧からもたらされた輸入

    江戸の読書会 前田勉著 - 日本経済新聞
  • [書評]知ろう食べよう世界の米(佐藤洋一郎): 極東ブログ

    昨日ナショナルジオグラフィックのサイトに「イネの起源は中国・珠江の中流域と判明」(参照)という記事があった。話はタイトル通りでもあるが、発表媒体はNature誌で、原文も公開されていた(参照)。内容の評価についてだが、研究チームが「長い論争に終止符を打つことができた」と自負するほどの価値があるかは私にはわからないが、ナショナルジオグラフィックの記事、および該当論文の概要を読む限り、妥当な見解であり、さほど驚きもなかった。 というのは、最近、といっても7月だが、子ども向けの科学入門書である岩波ジュニア新書で「知ろうべよう世界の米」(参照)を読んで、話の概要は知っていた。論文概要は次の通り(参照)。 作物の栽培化は長期にわたる選択の実験であり、これがヒトの文明を大きく進歩させてきた。栽培イネ( Oryza sativa L.)の栽培化は、歴史上最も重要な進歩の1つに位置付けられるが、その起源

  • トロツキー『スターリン』:恨み節といやみばかりだし、未完でまとまりがない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    スターリン〈第1〉 (1967年) 作者: トロッキー,武藤一羊,佐野健治出版社/メーカー: 合同出版発売日: 1967メディア: ?購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログを見る トロツキーが書いていたスターリンの伝記。彼がメキシコで、ピッケルで頭を貫かれるまで書いていたもの。もちろん、公式に調べ物ができる状況ではなかったので、当時出ていたスターリン伝をもとに、ここはオレの記憶と違う、あんなことはなかった、あの無教養なスターリンにそんなことができたわけはない、これはねつ造だ、ついでにオレはえらかった、レーニンといちばんなかがよくて忠実だったのはこのオレだったのに、それをスターリンのやつが、と並べているもの。トロツキーの自伝の後半と同じく「最近ではこんなことを言ってるやつがいるがあきれ果てたものだ」みたいな文が並ぶんだが、「こんなことを言ってるやつ」というのがだれなのか半世紀以

  • kousyoublog.jp – このドメインはお名前.comで取得されています。

    このドメインは お名前.com から取得されました。 お名前.com は GMOインターネットグループ(株) が運営する国内シェアNo.1のドメイン登録サービスです。 ※表示価格は、全て税込です。 ※サービス品質維持のため、一時的に対象となる料金へ一定割合の「サービス維持調整費」を加算させていただきます。 ※1 「国内シェア」は、ICANN(インターネットのドメイン名などの資源を管理する非営利団体)の公表数値をもとに集計。gTLDが集計の対象。 日のドメイン登録業者(レジストラ)(「ICANNがレジストラとして認定した企業」一覧(InterNIC提供)内に「Japan」の記載があるもの)を対象。 レジストラ「GMO Internet Group, Inc. d/b/a Onamae.com」のシェア値を集計。 2023年5月時点の調査。

  • Sightsong: 貝塚爽平『東京の自然史』

    G.F.フィッツ-ジェラルド+ロル・コクスヒル『The Poppy-Seed Affair』 (2) 11/12/06 by Sightsong 11/12/06 by FN 赤間硯 (2) 11/11/20 by Sightsong 11/11/20 by 永田浩三 『BRUTUS』の映画特集 (4) 11/11/19 by Sightsong 11/11/19 by Sightsong 11/11/18 by ひまわり博士 11/11/18 by 永田浩三 『チビ丸の北支従軍 支那事変』 プロパガンダ戦争アニメ (2) 11/11/18 by Sightsong 11/11/17 by 永田浩三 赤坂の兄夫堂再訪、新大久保のモイセ (2) 11/11/16 by Sightsong 11/11/15 by tamara ウシがゆく Excerpt: ウシがゆく―植民地主義を探検し、

  • プログラマになるための勉強をしている人の前で話をしてきた - きしだのHatena

    イデアルITスクールというところで、1時間ほど話をしてきました。 プログラマとしてやっていくために大事なことというテーマ。 資料を作らずに、というか構想すら練らずにやってしまったので、ここで整理とまとめと補足を。実際にこれをしゃべったというのではなくて、だいたいこんなことをしゃべろうとしてたという内容をかなり盛って書いてます。 当然ですが、プログラマの仕事はプログラムを書くことです*1。 プログラマとしてやっていくためには、どこで動くプログラムを書くか、なにをするプログラムを書くかということを意識することが大事です。 ということで、まずはプログラムが動くところがどう変わったかという話。 1970年代ころは、デバイスを動かすためのプログラムが多かったのではないかと。 あと、ここには書いてないけど、業務アプリはほぼメインフレームで動いてたと思います。 それが、1980年代くらいからパソコンが出

    プログラマになるための勉強をしている人の前で話をしてきた - きしだのHatena
  • 中世の覚醒/リチャード・E・ルーベンスタイン: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 長い間、西ヨーロッパから失われていたアリストテレスの著作は、レコンキスタでムスリムの支配から脱した12世紀のスペインで再発見されます。実に1000年近く、西欧の人々に忘れられていたギリシアの哲学者の思想は、当時のキリスト教者にとっては異教の敵であったはずのムスリムの人々の手で守られてきたおかげで、西欧の人々の視線のうちに復活したのです。 それが中世スコラ学を生む原動力ともなり、さらには近代の科学革命にもつながる西欧思想の源流ともなった「アリストテレス革命」のはじまりでした。同時に、それは古代と近代のはざまで実現した「信仰と理性が手を結んだ希少な時代」でもあったのです。 ヨーロッパ中世の歴史に疎い僕らはつい、ヨーロッパの中世というと「暗黒の時代」だと思い込みがちです。 しかし

  • 『沖縄苗字のヒミツ』 独特な名前の歴史に迫る - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

    芸能・文化 『沖縄苗字のヒミツ』 独特な名前の歴史に迫る2011年5月8日  Tweet 『沖縄苗字のヒミツ』武智方寛著 ボーダーインク・1050円 沖縄の苗字(みょうじ)(姓)は土とは異なる独特の漢字と読み方を使う。仲村渠、目取真、我如古、大工廻…近代以降「ヤマト世」になり、沖縄の苗字は難読・珍奇なものとして、「改姓改名運動」によって変更が試みられた事実はよく知られている。書はこれまでありそうでなかった、沖縄苗字の歴史に迫ったものである。  まず著者は苗字そのものの歴史を解説し、沖縄の苗字がたどった歴史を当時の多様な資料をもとにたどる。土との交流が密になるにしたがい、独特の苗字を持つ沖縄の人々は偏見と差別、生活上での不便を強いられ、土風の「読み替え」が提起されていく。やがてこの運動は教育界や知識人、県外の沖縄出身者に広がっていき、読み替えだけでなく苗字そのものの改姓まで提起される