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デニソワ人の検索結果1 - 40 件 / 84件

  • 名大など、数学と考古学を融合させた新分野で人類進化史の説明に成功

    名古屋大学(名大)は1月12日、旧人と新人というふたつの人類集団の空間分布動態を表現すると同時に、集団間の資源競争による人口密度の変化を示す数理モデル「生態文化分布拡大モデル」を用いた人類進化史の説明に成功したと発表した。 同成果は、名大博物館・大学院環境学研究科の門脇誠二講師、明治大学 総合数理学部の若野友一郞教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、科学誌「Quaternary International」にオンライン掲載された。 ここ最近10年間の人類進化史の研究における進展はめざましく、現在の中学校や高校の歴史や生物の教科書が追いつかない状況となっている。それら教科書では、我々ホモ・サピエンスこと新人は、ネアンデルタール人などのさまざまな旧人よりもあとに登場し、より発展した文化を最初から持っていたと説明されている。しかし、もはや大きな更新が必要だという。 まず新人の登場時期が、約3

      名大など、数学と考古学を融合させた新分野で人類進化史の説明に成功
    • 約100万年前、人類は1300人まで減り「絶滅寸前」だった - ナゾロジー

      2023年現在、世界の人口は80億人を上回り、地球の環境や社会に対するプレッシャーが日増しに高まっています。 しかし、今でこそ増え続ける人類ですが、ニューヨーク市マウントサイナイ医科大学(Icahn School of Medicine at Mount Sinai:ISMMS)のワンジー・フー氏らの国際研究チームは、「約100万年前、人類は絶滅の危機に瀕し、10万年以上もの間、世界の人口はわずか約1300人程度で推移していた可能性がある」と指摘しています。 また、この絶滅危機は、私たち現生人類だけでなく、絶滅したネアンデルタール人やデニソワ人の進化にも影響を与えた可能性があるようです。 一体当時の人類に何があったのでしょうか。 今回の研究の詳細は、2023年8月31日付で科学誌『Science』に公開されています。

        約100万年前、人類は1300人まで減り「絶滅寸前」だった - ナゾロジー
      • 全ゲノム解析で明らかになる日本人の遺伝的起源と特徴

        理化学研究所(理研)生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チームの寺尾 知可史 チームリーダー(静岡県立総合病院 臨床研究部 免疫研究部長、静岡県立大学 薬学部ゲノム病態解析講座 特任教授)、劉 暁渓 上級研究員(研究当時:ゲノム解析応用研究チーム 研究員; 静岡県立総合病院 臨床研究部 研究員)、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター シークエンス技術開発分野の松田 浩一 特任教授らの共同研究グループは、大規模な日本人の全ゲノムシークエンス(WGS)[1]情報を分析し、日本人集団の遺伝的構造、ネアンデルタール人[2]およびデニソワ人[3]由来のDNAと病気の関連性、そしてゲノムの自然選択が影響を及ぼしている領域を複数発見しました。 本研究成果は、日本人集団の遺伝的特徴や起源の理解、さらには個別化医療[4]や創薬研究への貢献が期待されます。 今回、共同研究グループは、バイオバン

          全ゲノム解析で明らかになる日本人の遺伝的起源と特徴
        • 全ゲノム解析で日本人の遺伝的起源と特徴を解読

          理化学研究所、静岡県立大学、東京大学の研究で、大規模な日本人の全ゲノムシーケンスから日本人集団の遺伝的構造などが明らかとなった。 これらの結果は、日本人の祖先に関わる縄文系、関西系、東北系の三つの源流の起源を示唆し、「縄文人の祖先集団、北東アジアの祖先集団、東アジアの祖先集団の三集団の混血により日本人が形成された」という三重構造モデルを支持するものである。 次に、現生人類(ホモ・サピエンス)の最も近縁とされる古代型人類ネアンデルタール人やデニソワ人から受け継がれた遺伝子領域を調べた。ネアンデルタール人由来の領域が日本人集団における2型糖尿病、冠状動脈疾患、安定狭心症、アトピー性皮膚炎、グレーブス病、前立腺がん、関節リウマチなどの病気と関連すること、デニソワ人由来の領域も2型糖尿病と関連することを見出した。 最後に、日本人の遺伝子において進化的選択を受けた可能性のあるゲノム領域を特定したとこ

            全ゲノム解析で日本人の遺伝的起源と特徴を解読
          • 論文、どうやって読んでますか?|umbell

            論文の読み方。 若手研究者、特に修士課程や博士課程の学生にとっては結構深刻な問題だと思います。あと研究を始めたばかりの学生さんにも。 私自身も ・まず何を読んだらいいのかわからない... ・読むべきものがわかってきたけど、1本読むのにかなり時間がかかる... ・読んだはいいものの膨大な数の論文の内容を覚えてられへん... ・紙で読んでたけどかさばって仕方がない...と論文の読み方にはかなり悩んだ一人です。今でも絶賛試行錯誤中。 と言うことで、現状の論文の読み方をご紹介したいと思います。 みなさんがどうやって論文読んでるのか気になりますので、ゆるっと募集してみます。もしよければ #論文どう読んでますか とでもして投稿していただけたら幸いです。 1. デジタル派か紙派かかなり大きな論争が巻き起こるこの問題。 本音を言うと私は紙媒体で読むのが好きです。読書好きなのもあって、紙の上の文字を読みたい

              論文、どうやって読んでますか?|umbell
            • アフリカ人にもネアンデルタール人DNA、定説覆す

              幅広いアフリカ人集団にネアンデルタール人由来のDNAがあることが明らかになり、これまでに調べられたすべての現代人集団で、過去にネアンデルタール人との交雑が起きていた痕跡が見つかった。今回の研究は、人類の歴史の複雑さとともに、共通の歴史の存在を強調する。(PHOTOGRAPH BY JOE MCNALLY, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 約6万年前、現生人類(ホモ・サピエンス)がアフリカからの大移動を始め、世界のすみずみに散らばっていった。彼らは行く先々で、自分たちと異なる人類と出会った。 たとえば、ネアンデルタール人はヨーロッパと中東に広がっていた。ネアンデルタール人と近縁のデニソワ人はアジアに広がっていた。現生人類は、これらのグループと出会うたびに交雑したようだ。(参考記事:「人類3種が数万年も共存、デニソワ人研究で判明」) この交雑を示す証拠は、多くの現代人の遺伝

                アフリカ人にもネアンデルタール人DNA、定説覆す
              • 書評 「人間の本質にせまる科学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                人間の本質にせまる科学: 自然人類学の挑戦 東京大学出版会Amazon 本書は若手研究者たちにより執筆された自然人類学の総説・入門書になる.内容的には東京大学の駒場の1,2年生向けのオムニバス講義がもとになっているようだ.自然人類学は「人間とは何か」という問いを自然科学的に探究する営みであり,時系列的にはチンパンジーとの分岐から未来まで,対象のスケールとしてはゲノムレベルから地球生態系までを視野に入れた広大な学問領域になる.本書ではそれぞれの専門家から人類進化の軌跡,ゲノム科学,ヒトの生物としての特徴,文化とのかかわりが解説されている. 第1部 人類進化の歩み 第1部は,霊長類の行動と社会,チンパンジーとの分岐から猿人*1まで,ホモ属,ネアンデルタールという4章構成になっていて,人類進化の最新の知見が要領良くまとめられている.各部において内容的に興味深かったところを紹介しておこう. 霊長類

                  書評 「人間の本質にせまる科学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                • ネアンデルタール人の遺伝子、コロナ重症化に関与か 研究

                  ネアンデルタール人がテーマの企画展で展示された頭蓋骨(2018年3月26日撮影、資料写真)。(c)STEPHANE DE SAKUTIN / AFP 【10月1日 AFP】約6万年前にヒトゲノムに挿入されたネアンデルタール人(Neanderthal)の遺伝子の断片が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスクを高めることが分かったとする研究報告が9月30日、英科学誌ネイチャー(Nature)電子版に発表された。ネアンデルタール人から受け継いだ遺伝子コードを保有する人が新型コロナに感染すると、人工呼吸器が必要となる可能性が3倍高くなるという。 【図解】現生人類とネアンデルタール人の分岐 新型コロナ患者は、集中治療室での治療が必要な人もいれば、軽症や無症状で済む人もいる。高齢者や男性、持病のある人が重症化しやすいことは分かっているが、今回新たに遺伝的要因も影響し得ることが明らか

                    ネアンデルタール人の遺伝子、コロナ重症化に関与か 研究
                  • 生物の寿命はDNAに書き込まれている。それによると人間の寿命は38年

                    Lifespan of Animals Is Written in Their DNA: For Humans It's Just 38 Years 自然のままなら、人間の寿命は約38年──DNAの解析でさまざまな種の寿命を推測する新手法で導き出された数字だ。 すでにだいたいの寿命がわかっている種の遺伝子研究から推定したところ、絶滅したケナガマンモスの寿命はおそらく60年ほど、シロナガスクジラに次いで大きいホッキョククジラは2世紀半以上長生きできることが判明した。 12月12日付の科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表された論文で、研究者たちは動物が年を取るにつれてDNAがどのように変化するかを調べた。そして、このDNAの変化は寿命と関連していることを突き止めた。 老化の謎 老化のプロセスは、生物医学や生態学の分野で非常に重要なテーマだ。動物は年と取るにつれ、生体機能が衰えていき、やが

                      生物の寿命はDNAに書き込まれている。それによると人間の寿命は38年
                    • 人類の祖先は約90万年前に約98.7%減少し絶滅しかけていたことが明らかに

                      現在地球上で暮らす我々人間は「ホモ・サピエンス」と呼ばれる、約20万年~10万年前に誕生したヒト属の一種です。しかし現代から約90万年前に、人類の祖先となる種がわずか1280頭にまで激減し、絶滅の危機にひんしていた可能性があることが報告されています。 Genomic inference of a severe human bottleneck during the Early to Middle Pleistocene transition | Science https://www.science.org/doi/10.1126/science.abq7487 Human ancestors nearly went extinct 900,000 years ago https://www.nature.com/articles/d41586-023-02712-4 これまでの研究では、

                        人類の祖先は約90万年前に約98.7%減少し絶滅しかけていたことが明らかに
                      • 超古代文明が実在した可能性はあるのか?

                        「未知の文明」と言われると広大な宇宙空間に思いをはせたくなりますが、非常に高度な科学技術を有する文明が有史以前の地球にに存在していたかもしれないという「超古代文明」説も魅力にあふれたアイデアです。超古代文明が実際に存在した可能性はあるのかという点について、サイエンス系YouTubeチャンネルのKurzgesagtが色彩豊かなアニメーションムービーで解説しています。 Are There Lost Alien Civilizations in Our Past? - YouTube 地球に生命が誕生したのはおよそ40億年前とされていますが、この40億年で生命は一様なスピードで進化を遂げたわけではありません。今日見られる動物の「門」が突如として出そろったとされるカンブリア爆発が5億4000万年前に生じるまでの約35億年間は、単細胞生物しか存在しなかった時代が続いたと考えられています。 解剖学的な

                          超古代文明が実在した可能性はあるのか?
                        • 2022年ノーベル生理学医学賞解説『絶滅した人類のゲノムと人類の進化に関する発見に対して』 - Lab BRAINS

                          みなさんこんにちは!サイエンス妖精の彩恵りりだよ! 今回は、みんな大注目!2022年ノーベル生理学医学賞解説だよ! まず、今回の受賞者と授賞理由は以下の通りだよ! 2022年10月3日、カロリンスカ研究所ノーベル賞会議は、本日、2022年のノーベル医学生理学賞を以下の者に授与する事を決定しました。 スヴァンテ・ペーボ (Svante Pääbo) 「絶滅した人類のゲノムと人類の進化に関する発見に対して」 Svante Pääbo (スヴァンテ・ペーボ) スウェーデン王国、ストックホルム出身。1955年4月20日生まれの67歳。ドイツ連邦共和国、マックス・プランク進化人類学研究所、および日本国、沖縄科学技術大学院大学所属。 選考委員: Gunilla Karlsson Hedestam & Anna Wedell 人類史をざっくり振り返り! 人類の起源と広がりという疑問は多くの人々の興味を引

                            2022年ノーベル生理学医学賞解説『絶滅した人類のゲノムと人類の進化に関する発見に対して』 - Lab BRAINS
                          • 「石器時代の人はどうやって話をしていたの?」に専門家が本気で答えたら… | こどもの疑問に“マジ回答” ツバメイ8歳の疑問

                            石器時代は、遠い昔に存在したある時期のことです。だいたい300万年前から始まって、4万年ほど前まで続きました。 「石器時代」と名づけられたのは、私たちの遠いご先祖さまが石で道具を作っていたからです。私たちと同じような人間、つまりホモ・サピエンスが出現したのはほんの20万年くらい前。石器時代が始まってかなり長い時間が経ったころでした。 サルから進化した「原人」と呼ばれる原始的なヒト科のご先祖さまの一部が、大きめの石を砕いたかけらを尖らせて、簡単な石器を作るようになりました。これが石器時代のはじまりです。彼らは後ろ足でなかば立つようにして歩いていたので、前足はそのまま手となって自由に使えました。直立歩行をはじめたばかりの彼らの脳は小さく、チンパンジーの脳とさほど変わりありません。彼らには、言葉を使った会話はなかったと考えられます。 石器時代後期になると、これとは別のタイプのご先祖さまが現れまし

                              「石器時代の人はどうやって話をしていたの?」に専門家が本気で答えたら… | こどもの疑問に“マジ回答” ツバメイ8歳の疑問
                            • 古代の人類がどのような交配を行っていたかがシミュレーションから明らかになる

                              古代に存在したネアンデルタール人やデニソワ人などが、過去にどのような交配を行い、遺伝子が変異してきたかのシミュレーションが、ユタ大学の集団遺伝学研究者であるアラン・ロジャース氏の研究チームによって発表されています。また、シミュレーションの結果から過去に未知の人類が存在していたことも示唆されました。 Neanderthal-Denisovan ancestors interbred with a distantly related hominin | Science Advances https://advances.sciencemag.org/content/6/8/eaay5483 もともと、研究者たちは古代人の化石からDNAの塩基配列を抽出し、現代人のゲノムから同等の配列を探すことで、古代人の交配について分析していました。この手法で、20万年前までのネアンデルタール人とデニソワ人の交

                                古代の人類がどのような交配を行っていたかがシミュレーションから明らかになる
                              • これがデニソワ人だ DNAから骨格を再現、初

                                謎に包まれたデニソワ人の想像図。最新研究によると、狭い額やがっしりした顎など、デニソワ人は多くの点でネアンデルタール人に似ていたようだ。(ILLUSTRATION BY MAAYAN HAREL) 謎の多い古代人類「デニソワ人」の骨格を再構築することに研究者が初めて成功、9月19日付けの科学誌『セル』に発表された。 デニソワ人は数万年にわたりアジアに暮らしていたと考えられているが、その化石は、小指の骨と頭蓋骨の破片、割れた顎骨、数本の歯しか見つかっていない。 この謎の人類の骨格を浮かび上がらせるため、今回の論文を執筆したデビッド・ゴクマン氏は最も説得力ある証拠を利用した。DNAだ。 イスラエル、エルサレム・ヘブライ大学の博士課程学生だったゴクマン氏らは、デニソワ人の小指の骨から抽出したDNAを調べて骨格に関する32の特徴を抽出、デニソワ人の骨格を提案するという快挙を成し遂げた。 「科学が夢

                                  これがデニソワ人だ DNAから骨格を再現、初
                                • 初期人類と交雑した未知の種「ゴースト」などいなかった、新説

                                  ホモ・サピエンスの遺伝的多様性をたどっていくと、アフリカからの大移動のはるか以前までさかのぼることができ、これらの多様性はどこから来たのかという謎が出てくる。 (PHOTOGRAPH BY REMI BENALI, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 人類進化の歴史の糸は複雑に絡まり合っている。初期人類の集団は、拡大し、移動し、互いに出会っては、ときに分岐し、ときに混ざり合っていたからだ。この糸を解きほぐすのは簡単ではないが、科学者たちは近年、現代人に見られる遺伝的多様性を利用して、過去にさかのぼることでモデルを改良してきた。 それでも科学者たちは、現代人にホモ族の共通祖先が枝分かれした時期よりはるかに古い遺伝的な要素があるという問題にぶつかっていた。一部の科学者は、ホモ・サピエンスがユーラシア大陸でネアンデルタール人やデニソワ人と交雑していたことを示す最近の証拠に触発され

                                    初期人類と交雑した未知の種「ゴースト」などいなかった、新説
                                  • 人類が6万年前にネアンデルタール人から受け継いだDNAが「新型コロナウイルス感染症の重症化」と関連しているという可能性

                                    by Erich Ferdinand 人類は2万~4万年前に絶滅したとされるネアンデルタール人と交雑し、そのDNAを受け継いできたことが知られています。新型コロナウイルス(COVID-19)に関する研究により、現生人類が持つネアンデルタール人のDNAが「COVID-19の重症化と深い関わりがあった」ことが新たに示唆されました。 The major genetic risk factor for severe COVID-19 is inherited from Neandertals - 2020.07.03.186296v1.full.pdf (PDFファイル)https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.07.03.186296v1.full.pdf DNA Linked to Covid-19 Was Inherited From Nean

                                      人類が6万年前にネアンデルタール人から受け継いだDNAが「新型コロナウイルス感染症の重症化」と関連しているという可能性
                                    • フィリピンの民族、デニソワ人のDNAを最も高い割合で保有 進化の謎解明に光

                                      フィリピンとスウェーデンの共同チームは、フィリピンの118の集団の遺伝子構成を調査した/Ophelia Persson (CNN) 2010年に初めて発見された謎の初期人類「デニソワ人」。デニソワ人が存在していたことを示す化石上の決定的な証拠は、シベリアのアルタイ山脈のふもとにあるデニソワ洞窟で見つかった5つの骨だけだ。 しかし今、4828キロ離れたフィリピンの民族のDNAが、人間の進化における最大の謎に新たな光を当てている。 米科学誌カレントバイオロジーに12日に発表された論文によると、フィリピンの民族「アイタ・マグブコン」は、デニソワ人由来のDNAの割合が確認されている中で最も高い。 現在の人類の一部にデニソワ人のDNAが残っているのは、私たちの祖先のホモサピエンスがかつてデニソワ人と出会い、性的関係を持って、子どもをもうけたことによる。 こうした「交雑」が起きたのは今から5万年以上前

                                        フィリピンの民族、デニソワ人のDNAを最も高い割合で保有 進化の謎解明に光
                                      • 13万年以上前のヒトの歯をラオスで発見、謎の人類デニソワ人か

                                        古人類の歯が発見されたラオスのコブラ洞窟。緑豊かな急斜面にある狭い空洞だ。科学者たちはロープを使ってこの洞窟にアクセスした。(PHOTOGRAPH BY FABRICE DEMETER) ラオスのアンナン山脈で急勾配の岩場をよじ登ったとき、ローラ・シャッケルフォード氏はあまり期待していなかった。米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の古人類学者であるシャッケルフォード氏は、コブラ洞窟と呼ばれる狭い空洞に立ち、地元のモン族の少年が見たという骨を探していた。懐中電灯をつけて、一見何もなさそうな壁から壁へと光を走らせた。 そして、天井を見上げた。 「ほとんど骨しか見えませんでした」とナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)でもあるシャッケルフォード氏は振り返る。ゴツゴツした岩の天井には、大昔に死んだ動物の化石が埋め込まれていた。氏は「星空のようだった」と例える。 シャッケルフォー

                                          13万年以上前のヒトの歯をラオスで発見、謎の人類デニソワ人か
                                        • ことしのノーベル生理学・医学賞に「人類の進化」の研究者 | NHK

                                          スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、日本時間の3日午後6時半すぎ、ことしのノーベル生理学・医学賞の受賞者を発表しました。 受賞が決まったのは、スウェーデン出身で、ドイツのマックス・プランク研究所のスバンテ・ペーボ博士です。ペーボ博士はOIST=沖縄科学技術大学院大学の客員教授も務めています。 ペーボ博士は絶滅した人類の遺伝情報を解析する技術を確立し、4万年前のネアンデルタール人の骨に残っていた遺伝情報を詳しく調べて、現代の人類であるホモ・サピエンスと比較しました。その結果、ホモ・サピエンスはネアンデルタール人の遺伝情報の一部を受け継いでいることを突き止め、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人とで種が交わっていた可能性を明らかにしました。 さらに、絶滅した人類の遺伝情報は▼標高の高い土地での生存を有利にしたり、▼ウイルスに対する免疫の反応の仕方に影響したりするなど、い

                                            ことしのノーベル生理学・医学賞に「人類の進化」の研究者 | NHK
                                          • 中国で発見された人類の頭骨、新種「竜人」と報告、懐疑の声も

                                            14万6000年以上前に、中国東北部の寒冷な地域に暮らした人類「竜人」。(ILLUSTRATION BY CHUANG ZHAO) 1930年代初頭、今の中国黒竜江省のハルビン近郊で、地元の人が川の泥から奇妙な頭骨を発見した。ほぼ完全な形をとどめたその頭骨は、眉骨が大きく突き出ており、その下に四角い眼窩があった。 何より尋常でなかったのは大きさだ。「巨大なんです」と、この頭骨の研究に携わった英ロンドン自然史博物館の古人類学者クリス・ストリンガー氏は語る。 見つけた男性は、使われなくなった井戸の中に頭骨を隠した。それから90年近くたった現在、この骨が新種の人類のものであるとの研究成果が、6月25日付けで学術誌「The Innovation」に掲載された。新たに付いた学名はHomo longi(ホモ・ロンギ)、「竜人」といった意味だ。 同誌にはこの頭骨について、さらに2つの論文が掲載された。一

                                              中国で発見された人類の頭骨、新種「竜人」と報告、懐疑の声も
                                            • 早起きな人はネアンデルタール人からその遺伝子を受け継いだ可能性がある

                                              かつてホモ・サピエンスはネアンデルタール人と交配していたため、その遺伝子(DNA)の一部が現代人にまで受け継がれていることがわかっており、ネアンデルタール人のDNAが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化と関連していたり現代人の痛みの感受性に影響を及ぼしたりしています。オックスフォード大学出版局が発行する学術誌の「Genome Biology and Evolution(ゲノム生物学と進化)」に掲載された論文によると、ネアンデルタール人のDNAは日光への適応能力に影響しており、「早起きな『朝型人間』の人はネアンデルタール人から遺伝的変異を受け継いでいる」ことが判明しました。 Archaic Introgression Shaped Human Circadian Traits | Genome Biology and Evolution | Oxford Academic h

                                                早起きな人はネアンデルタール人からその遺伝子を受け継いだ可能性がある
                                              • ホモ・サピエンスが繁栄し、ネアンデルタール人が絶滅した「意外な理由」

                                                ニュース3面鏡 インターネットの登場以来、以前にもまして巷にはニュースがあふれ返っています。そうしたニュースや出来事の中から、DOL編集部が気になる出来事を厳選し、正面のみならず右から左から、価値あるニュース、楽しいニュースをお届けします。 バックナンバー一覧 人類の祖先(ホモ・サピエンス)は、なぜ世界を席巻できたのか。ネアンデルタール人などの旧人や、いまだ謎の多いデニソワ人を圧倒した理由はどこにあったのか。ゲノム(遺伝情報)の解析によって解明を進め、『人類の起源』(中央公論新社)などの著書がある人類学者・篠田謙一氏に、自然科学、社会科学にも詳しい作家・橘玲(たちばな・あきら)氏が、ユニークな観点からその謎に迫る。(構成/土井大輔) 人類の祖先は水の中で暮らしていた!? 「水生人類説」の可能性は? 橘玲氏(以下、橘) 以前から遺伝人類学にはとても興味がありました。遠い過去のことは、これまで

                                                  ホモ・サピエンスが繁栄し、ネアンデルタール人が絶滅した「意外な理由」
                                                • ネアンデルタール人由来の遺伝子に起因する新型コロナウイルス症の重症化(追記有)

                                                  ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)由来の遺伝子に起因する新型コロナウイルス症の重症化に関する研究(Zeberg, and Pääbo., 2020)が報道されました。日本語の解説記事もあります。この研究はオンライン版での先行公開となります。今年(2020年)、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の世界的大流行は、かなりの感染率と死亡率をもたらし、100万人以上の命をうばいました。SARS-CoV-2により起きる症状は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と呼ばれ、無症状もしくは軽症から呼吸不全への急速な進行まで、症状が大きく異なります。SARS-CoV-2の世界的大流行の初期には、主要な危険因子として、高齢や性別(男性であること)やいくつかの併存疾患が明らかになりました。 しかし、これらの危険因子は、無症状か軽症の感染者がいる一方、重症になる感染者

                                                  • 新型コロナの重症化はネアンデルタール人から受け継いだ

                                                    新型ウイルスSARS-CoV-2は、2019年末に初めて確認されてから、感染した人々にさまざまな影響を与えています。このウイルスが引き起こす新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症すると、重症化して入院が必要になる人がいる一方で、症状が軽い人や無症状で済む人もいます。 年齢や持病の有無など、重篤な反応を起こしやすいかどうかに影響を与える要因はいくつかあります。遺伝的要因も影響を与えることがわかっており、数ヶ月前に発表されたCOVID-19ホストジェネティクスイニシアチブによる研究では、3番染色体のある領域の遺伝子多様体(バリアント)が、重症化リスクを高めることが示されました。 そしてこの度、国際科学雑誌ネイチャー誌に掲載された新たな研究では、この遺伝子領域が南欧で発見された5万年前のネアンデルタール人のものとほぼ同じであることがわかりました。さらなる解析で、これらのバリアントは約

                                                      新型コロナの重症化はネアンデルタール人から受け継いだ
                                                    • 2万年前のペンダントから女性のDNAを発見、画期的な新技術で

                                                      ドイツ、ライプツィヒにあるマックス・プランク進化人類学研究所のクリーンルームで作業する遺伝学者のマティアス・マイヤー氏。マイヤー氏は動物の骨製の遺物からヒトのDNAを抽出する技術を開発したチームのひとりだ。(PHOTOGRAPH BY MAX PLANCK INSTITUTE FOR EVOLUTIONARY ANTHROPOLOGY) 古代のDNAは考古学を変えた。遺体に残る遺伝物質を増やすことで、古代人の性別や祖先を特定することが可能になった。今や数十万年前のDNAまで研究できるようになり、米大陸に初めて到達した人類や、ネアンデルタール人の行方など、遠い昔の出来事について新たな理解をもたらしている。 このほど約2万年前の女性が身に着けていたと思われるシカの歯のペンダントからヒトのDNAが抽出され、2023年5月3日付けで学術誌「Nature」に論文が発表された。ほかの動物を材料にした遺

                                                        2万年前のペンダントから女性のDNAを発見、画期的な新技術で
                                                      • ネアンデルタール人、ヨーロッパ集団が繁栄

                                                        ベルギーで発見されたネアンデルタール人の顎骨。この骨から抽出されたDNAの分析により、彼らがヨーロッパを横断してアジアに入った時期が明らかになった。(PHOTOGRAPH BY J. ELOY, AWEM, ARCHÉOLOGIE ANDENNAISE) 1856年、ドイツのネアンデル谷の石灰岩の採石場で、奇妙な骨が発見された。現生人類(ホモ・サピエンス)に似ているものの、目の上の突起が盛り上がり、骨格がたくましかった。8年後、科学者たちは、この化石が現生人類とは別種の「ホモ・ネアンデルタレンシス」と確認した。いわゆるネアンデルタール人だ。 その後の発見からネアンデルタール人については、住んでいた場所から子育て、芸術作品まで明らかになりつつある。そして今回、科学者たちはヨーロッパで出土したネアンデルタール人の化石2体からDNAを抽出、彼らが先史時代の地球を移動した経路を、より詳しく明らかに

                                                          ネアンデルタール人、ヨーロッパ集団が繁栄
                                                        • 2022年ノーベル医学生理学賞、スウェーデンの進化人類学者ペーボ氏に

                                                          2022年ノーベル医学生理学賞の受賞が決まったスバンテ・ペーボ氏。ドイツのマックス・プランク研究所提供(撮影日・場所不明)。(c)AFP PHOTO /Frank VINKEN/ Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology 【10月3日 AFP】(更新、写真追加)スウェーデンのカロリンスカ研究所(Karolinska Institute)は3日、2022年のノーベル医学生理学賞(Nobel Prize in Physiology or Medicine)を、スウェーデン出身の進化人類学者スバンテ・ペーボ(Svante Paabo)氏に授与すると発表した。 ネアンデルタール人のゲノムを解析し、それまで知られていなかったヒト族「デニソワ人」を発見した功績が評価された。 同研究所は授賞理由について、「人類と絶滅したヒト族とを区別する遺伝子

                                                            2022年ノーベル医学生理学賞、スウェーデンの進化人類学者ペーボ氏に
                                                          • 2022年ノーベル生理学・医学賞:絶滅したヒト族のゲノム解析と人類進化の解明で独のペーボ教授に

                                                            2022年のノーベル生理学・医学賞は,絶滅したヒト族のゲノム解析と人類進化の解明における功績で,独マックス・プランク進化人類学研究所のペーボ(Svante Pääbo)教授に授与される。 我々はどこから来たのか。今から約7万年前にホモ・サピエンスの集団がアフリカを出て,世界各地に広がっていったというのが定説だ。ペーボ教授は,世界各地から出土した古代の骨に含まれるゲノム配列を解析して現代の人類のゲノムと比較。我々のゲノムに,すでに絶滅したヒト族(ホミニン)であるネアンデルタール人や,最近新たに発見したデニソワ人の遺伝子が残っていることを見いだした。このことはアフリカを出たホモ・サピエンスがネアンデルタール人やデニソワ人とともに暮らして混血していたことを意味しており,人類史研究に衝撃を与えた。 何十万年も前の昔の骨にもDNAは残っているが,その配列を読むのは難しい。DNAが細かくちぎれて変質し

                                                              2022年ノーベル生理学・医学賞:絶滅したヒト族のゲノム解析と人類進化の解明で独のペーボ教授に
                                                            • 篠田謙一『人類の起源』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                                                              4月11 篠田謙一『人類の起源』(中公新書) 8点 カテゴリ:歴史・宗教8点 2022年の新書大賞でも2位になった本です。読み逃していましたが、今年度世界史も担当することになったので遅ればせながら読みました。 人類の起源と広がりをDNAの解析を通じて辿ろうとする研究を紹介した本で、タイトルは「人類の起源」ですが、さすがに猿人や原人のDNA解析は今の技術や資料の制約もあって難しいので「現生人類の起源」という内容になっています。 それでも、現生人類(ホモ・サピエンス)とネアンデルタール人やデニソワ人との交雑、現生人類のアフリカでの移動と出アフリカ、ヨーロッパ人に大きな影響を与えたヤムナヤ文化集団、日本人の起源など興味深いトピックが満載で評判通りの面白さですね。 「歴史」というと過去の確定した事象を学ぶというイメージがあるかもしれませんが、本書ではリアルタイムで塗り替えられつつある「歴史」に触れ

                                                              • 祝!ノーベル賞 スバンテ・ペーボ氏が切り拓いた古人類DNA研究

                                                                2022年のノーベル生理学・医学賞の受賞者は、古人類DNA研究の第一人者で、ドイツ、マックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ氏に決定した。ペーボ氏自身の研究の成果(※)と、氏が切り拓いた研究分野の関連記事を紹介する。私たちヒト属(ホモ属)は今は1種だけだが、初期にはネアンデルタール人やデニソワ人などさまざまな人類と交流し、現在も影響を受けていることがわかり始めている。 ネアンデルタール人のゲノム解読、我々の病に影響 クロアチアで発見されたネアンデルタール人の化石骨から採取されたゲノムは、統合失調症から関節炎まで、現代人を悩ませるさまざまな疾患がネアンデルタール人の遺伝子の影響を受けていることを示唆している(※)。

                                                                  祝!ノーベル賞 スバンテ・ペーボ氏が切り拓いた古人類DNA研究
                                                                • 現生人類固有の遺伝子はわずか7%だけという研究結果

                                                                  さまざまな進化を経て誕生した人類は、進化の過程で現生人類であるホモ・サピエンス・サピエンスのほかにもネアンデルタール人やデニソワ人などの旧人類が誕生しています。ホモ・サピエンス・サピエンスは遺伝子の多くが旧人類と共通しており、固有の遺伝子はわずか1.5~7%しか持っていないことが研究により明らかになりました。 An ancestral recombination graph of human, Neanderthal, and Denisovan genomes | Science Advances https://advances.sciencemag.org/content/7/29/eabc0776 Just 7% of our DNA is unique to modern humans, study shows https://phys.org/news/2021-07-dna-

                                                                    現生人類固有の遺伝子はわずか7%だけという研究結果
                                                                  • 名大、ホモ・サピエンスの石器技術がいつどのように革新してきたのかを究明

                                                                    名古屋大学(名大)は2月8日、ホモ・サピエンス(現生人類)がユーラシアに拡散した約5~4万年前の文化進化について、「石器の刃部(じんぶ)獲得効率」という点から明らかにしたことを発表した。 同成果は、名大 博物館/同・大学大学院 環境学研究科の門脇誠二教授、同・束田和弘准教授、名大 博物館の渡邉綾美研究員、名大大学院 環境学研究科の須賀永帰大学院生、明治大学の若野友一郎専任教授らを中心に、産業技術総合研究所、木曽広域連合、ヨルダン考古局・観光局の国際共同研究チームによるもの。詳細は、英オンライン科学誌「Nature Communications」に掲載された。 今回の研究の概要(出所:名大プレスリリースPDF) 現生人類と、旧人のネアンデルタール人やデニソワ人、原人のフローレス人などは、少なくとも20万年から4万年ほど前の時代までは共存しており、交雑していたことがわかっている。しかし5万~4

                                                                      名大、ホモ・サピエンスの石器技術がいつどのように革新してきたのかを究明
                                                                    • 「弥生人」の定説に待った、ゲノム解析で迫る日本人の由来の新説

                                                                      ニュース3面鏡 インターネットの登場以来、以前にもまして巷にはニュースがあふれ返っています。そうしたニュースや出来事の中から、DOL編集部が気になる出来事を厳選し、正面のみならず右から左から、価値あるニュース、楽しいニュースをお届けします。 バックナンバー一覧 化石となった人骨のゲノム(遺伝情報)を解析できるようになり、数十万年に及ぶ人類の歩みが次々と明らかになってきた。自然科学に詳しい作家・橘玲(たちばな・あきら)氏が、国立科学博物館の館長でもある遺伝人類学者・篠田謙一氏に、人類の歴史にまつわる疑問をぶつける特別対談。後編では、日本人の歴史に焦点を当てる。現在の日本人に連なるいにしえの人々は、いったいどこからやって来たのだろうか――。(構成/土井大輔) >>橘玲×篠田謙一対談(前編)『ホモ・サピエンスが繁栄し、ネアンデルタール人が絶滅した「意外な理由」』 日本人のルーツは? 縄文人のDN

                                                                        「弥生人」の定説に待った、ゲノム解析で迫る日本人の由来の新説
                                                                      • 約81万年から93万年前の更新世には、人類はわずか1,280人まで減少していた

                                                                        約81万年から93万年前の更新世には、人類はわずか1,280人まで減少していた2023.09.04 22:00144,528 Isaac Schultz - Gizmodo US [原文] ( 岩田リョウコ ) よく80億人まで回復したもんですね…。 ボトルの首が細くなるように個体数が減少することを「ボトルネック現象」というのですが、これが更新世の約81万年前から93万年前にかけて発生し、人類が1,280人まで減少していたことがわかりました。 ボトルネック現象はなんと11万年も続いたそうです。その期間のアフリカとユーラシアの人類の化石の記録に大きな年代ギャップがあったことと一致しています。この研究はScience誌に発表されています。 ボトルネック現象で何が起こる?ボトルネック現象では、ある種の総個体数が深刻に減少し、その種全体の遺伝的多様性も全体的に減少してしまいます。 遺伝的多様性がな

                                                                          約81万年から93万年前の更新世には、人類はわずか1,280人まで減少していた
                                                                        • 「絶滅した2種類の未知の人類」の痕跡が現代に生きるヒトのDNAに存在している

                                                                          by geralt 現生人類はアフリカを起源として世界中に広まったとされていますが、その過程では約2万年前に絶滅したネアンデルタール人や、ネアンデルタール人から分岐したデニソワ人と交雑したことが明らかになっています。さらなるDNA解析の結果、現代のヒトのDNAにはこれまでに確認されていない「2種類の未知の人類」の痕跡が存在し、過去に現生人類と交雑していたことがわかりました。 Using hominin introgression to trace modern human dispersals | PNAS https://www.pnas.org/content/early/2019/07/11/1904824116 The 'Ghosts' of 2 Unknown Extinct Human Species Have Been Found in Modern DNA https://

                                                                            「絶滅した2種類の未知の人類」の痕跡が現代に生きるヒトのDNAに存在している
                                                                          • ネアンデルタール人とは?

                                                                            概要 ネアンデルタール人は約20万年前にヨーロッパで出現し、ホモ・ネアンデルターレンシスとして知られています。ドイツのネアンデル渓谷で発見された彼らは、約4万年前まで生存し、ホモ・サピエンスと共存した後に絶滅しました。 文化と生活 毛皮をまとい、洞窟に住み、石器を用いた狩猟採集生活を送っていたネアンデルタール人。彼らの石器技術は、ルヴァロワ式石器文化として知られ、食人の証拠とされる遺跡も発見されていますが、埋葬された人骨からは、死者を悼む心を持っていたことが示されています。 絶滅の謎と最新知見 ネアンデルタール人はホモ・ハイデルベルゲンシスから進化し、約4万年前に絶滅しました。彼らの絶滅には複数の理由が考えられていますが、明確な答えはまだ見つかっていません。最新の研究では、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスは長い期間共存していたとされています。 特徴と弱点 ネアンデルタール人は、ハイデル

                                                                              ネアンデルタール人とは?
                                                                            • コロナ重症例の一部、ネアンデルタール人由来の遺伝子と関連か 研究

                                                                              (CNN) ドイツの研究チームは9月30日、新型コロナウイルス感染症の重症例の一部について、ネアンデルタール人から受け継がれた遺伝子が関連している可能性があるとの研究結果を発表した。 ネアンデルタール人の遺伝子の専門家らは今回、コロナ重症例との関連が指摘されるDNA鎖を調査。そのうえで、ネアンデルタール人から欧州人やアジア人に受け継がれたDNA配列と比較した。 このDNA鎖は3番染色体の上で見つかる。新型コロナの重症化には、この配列の中の特定の多様性(バリエーション)が関連しているとみられている。 マックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ氏とヒューゴ・ゼバーグ氏は科学誌ネイチャーに掲載された論文で、重症化リスクをもたらす遺伝子はネアンデルタール人から受け継がれたものだと説明。南アジア人の約50%、欧州人の約16%がこの遺伝子を持つと指摘した。 ゼバーグ氏の声明によると、調査の結

                                                                                コロナ重症例の一部、ネアンデルタール人由来の遺伝子と関連か 研究
                                                                              • イヌの起源 | 進化生物学者がイヌと暮らして学んだこと

                                                                                【書籍になりました】 2021年11月19日刊行!『人、イヌと暮らす 進化、愛情、社会』 単行本化にあたり、加筆修正を行い、改題しました。ぜひ書店で手にとってみてください。 --- イヌはオオカミである。と言うのは、生物の種としてみたとき、イヌとオオカミは別種には分類されず、亜種レベルの違いでしかないからだ。タイリクオオカミの学名はCanis lupusで、イヌ(イエイヌ)の学名は、Canis lupus familiarisなのだ。 イヌ科の動物には、オオカミのほかに、ジャッカル、コヨーテ、ディンゴなどがいる。これらのどれかがイヌの祖先だという説もあったが、遺伝子の大規模な研究の結果、そうではなくて、イヌの祖先はオオカミであることがわかった。 オオカミ研究所(オーストリア) イヌの品種 イヌには実にさまざまな品種がある。日本では、日本に固有の柴犬も多いが、トイプードル、シーズー、フレンチ

                                                                                  イヌの起源 | 進化生物学者がイヌと暮らして学んだこと
                                                                                • アフリカを出た人類、どう全世界に広がったのか ホモ・サピエンスの旅路が見えてきた:朝日新聞GLOBE+

                                                                                  最大の転機は1987年、細胞内小器官ミトコンドリアのDNA解析がもたらした。ミトコンドリアの遺伝子は母親からだけ受け継がれる。世界各地の人々のミトコンドリアに蓄積した突然変異をもとに、枝分かれの時期を推定し、さかのぼっていくと、12万~20万年前ごろアフリカにいたであろう女性にたどり着いた。 数年の激論の末、この分析は認められ、現生人類の起源はアフリカで、十数万年前以降に世界各地に広がっていったという「単一起源説」が常識になった。それまで、各地の原人や旧人が一部で交雑しながら地域ごとに特色ある現生人類に進化してきたという「多地域進化説」が優勢だったから、大逆転である。 そうなると、アフリカを出た現生人類がいつ、どのように移動していったのかが大きな問題になる。遺跡や石器などの考古学資料を、現生人類の旅路のなかに位置づけ直す作業が始まった。 ■見えてきた三つのルート 太田博樹・東京大学教授 そ

                                                                                    アフリカを出た人類、どう全世界に広がったのか ホモ・サピエンスの旅路が見えてきた:朝日新聞GLOBE+