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ブックマーク / nobuogohara.com (26)

  • 「推定無罪」を無視した高畑裕太氏事件を巡る報道・放送

    8月23日に、強姦致傷罪で逮捕された俳優高畑裕太氏が、昨日(9月9日)、不起訴処分となり、釈放された。 同氏の弁護人は、以下のようなコメントを発表した。 今回、高畑裕太さんが不起訴・釈放となりました。 これには、被害者とされた女性との示談成立が考慮されたことは事実と思います。しかし、ご存じのとおり、強姦致傷罪は被害者の告訴がなくても起訴できる重大犯罪であり、悪質性が低いとか、犯罪の成立が疑わしいなどの事情がない限り、起訴は免れません。お金を払えば勘弁してもらえるなどという簡単なものではありません。 一般論として、当初は、合意のもとに性行為が始まっても、強姦になる場合があります。すなわち、途中で、女性の方が拒否した場合に、その後の態様によっては強姦罪になる場合もあります。 このような場合には、男性の方に、女性の拒否の意思が伝わったかどうかという問題があります。伝わっていなければ、故意がないの

    「推定無罪」を無視した高畑裕太氏事件を巡る報道・放送
  • 八田氏国賠訴訟、「控訴違法」で窮地に追い込まれた国・検察

    美濃加茂市長事件では、現職市長を起訴した収賄事件で一審無罪判決を受け、組織の面子だけにこだわって無謀な控訴をした検察は、控訴審での立証が破たんし、現職市長の潔白が一層明白になるという、「泥沼」に追い込まれている【検察にとって「泥沼」と化した美濃加茂市長事件控訴審】。その一方で、検察の「不当な控訴」をめぐるもう一つの裁判が佳境に入りつつある。 それまでは有罪率100%だった東京国税局が告発し、東京地検特捜部が起訴した脱税事件で、一審無罪判決、検察官控訴棄却で無罪確定という全面勝利を勝ち取った八田隆氏(【勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか】)は、2014年5月16日、国税局の告発、検察の起訴、控訴が違法だったとして、国に損害賠償を請求する訴訟を提起した(【八田隆氏が国家賠償請求訴訟で挑む「検察への『倍返し』」】)。 この訴訟では、八田氏の弁護人として八田氏の刑事裁判で検察と戦

    八田氏国賠訴訟、「控訴違法」で窮地に追い込まれた国・検察
    setagayatagayase
    setagayatagayase 2016/04/08
    八田氏国賠訴訟、「控訴違法」で窮地に追い込まれた国・検察 @wordpressdotcomさんから
  • 札幌地裁「おとり捜査」再審開始決定が「画期的」であることの意味

    銃刀法違反(拳銃の所持)で実刑判決(懲役2年)が確定し、服役を終えていた元船員のロシア人男性が、「北海道警のおとり捜査は違法だった」として再審請求していた事件について、札幌地裁(佐伯恒治裁判長)は3日、再審開始を認める決定をした【毎日ネット記事】 上記記事の弁護人のコメントにもあるように、今回の再審開始決定は「極めて画期的」と言えるものだ。違法なおとり捜査を認めて再審開始を決定したのが初のケースで「画期的」というだけでなく、今回の再審決定は、そもそも、再審は、どのような事実が明らかになった場合に認められるべきかという一般論にも大きな影響を及ぼすものだ。 これまで、再審開始の事由とされてきたのは、有罪が確定した者について、「犯人ではなかったこと」、「犯意がなかったこと」など、犯罪が成立しないことが新証拠によって明らかになった場合である。 しかし、今回の事件では、再審を請求したロシア人男性は、

    札幌地裁「おとり捜査」再審開始決定が「画期的」であることの意味
  • 甘利大臣をめぐる事件で真価を問われる検察

    昨日のブログ【甘利大臣、「絵に描いたようなあっせん利得」をどう説明するのか】で、週刊文春で報じられた甘利明大臣や秘書が業者からUR(都市再生機構)の道路用地買収の補償問題で「口利き」を依頼され、金品を受け取った疑惑について、記事の内容を前提に、あっせん利得処罰法違反の成否に関する解説を行った。 結論としては、①「契約」に関するものと言えるか、②「請託」があったと言えるか、③「権限に基づく影響力の行使」があったと言えるか、についての弁解・主張は出て来るであろうが、速やかに捜査に着手し、事実と証拠を積み上げていけば、少なくとも、秘書についてのあっせん利得を起訴に持ち込める可能性は十分にある。 また、甘利大臣人についても、ご人が、国会答弁で、現金を受け取ったか否か「記憶が曖昧」と述べているぐらいなので、甘利事務所と大臣室で現金を渡した状況を明確に述べている業者側の供述と比較して、業者側供述が

    甘利大臣をめぐる事件で真価を問われる検察
  • トップの無為無策によって窮地に追い込まれた新日本監査法人

    組織が重大な危機に直面した時、組織のトップの対応が、その組織の生死を分けることになる。 室町社長を中心とする会社執行部が、「第三者委員会の枠組み」を、世の中を欺くための「隠れ蓑」にするという悪辣なやり方まで用いて、問題の質である原発事業に関わる問題を隠蔽し、いくつかの部門の「損失先送り」等の些末な問題だけで世の中の批判をかわそうとした東芝は、日経ビジネスの徹底した追及報道(【スクープ 東芝、米原発赤字も隠蔽 内部資料で判明した米ウエスチングハウスの巨額減損】【スクープ 東芝、室町社長にも送られた謀議メール 巨額減損問題、第三者委の調査は“出来レース”だった】)等によって追い込まれ、社会的批判の「炎上」を招き、史上最高額の課徴金納付命令を勧告されたことに加え、辞任した歴代3社長の刑事告発まで検討されるという最悪の事態に至っている。 その悪辣さとは全く正反対に、組織のトップの全くの無為無策に

    トップの無為無策によって窮地に追い込まれた新日本監査法人
    setagayatagayase
    setagayatagayase 2015/12/17
    トップの無為無策によって窮地に追い込まれた新日本監査法人 郷原さんの言っていることはわかるんだけど、そもそもちゃんと仕事をしている公認会計士ってこの世にいるの?と多くの人が思っているよ。
  • 岐阜県警違法押収事件の背景に、県・国による「診療所つぶし」

    明日、8月25日に、美濃加茂市長事件の控訴審第1回公判期日を控えている状況だが、「もう一つの岐阜の事件」が重大な局面を迎えている。 この事件は、岐阜の笠松町と各務原市で、特別養護老人ホーム、ケアハウス等の介護施設と心療内科のクリニックを兼営する社会福祉法人徳雲会が、医療法違反で、岐阜県警の捜索差押を受けたが、私を含め、美濃加茂市長事件の弁護団のメンバーのうち3名の弁護士が同法人の弁護人を受任し、その捜索差押が違法だとして岐阜地裁に準抗告を申し立てていたものだ。 8月21日夜、岐阜地裁は、我々の準抗告に対して、約1000点の押収物のうち235点の押収が違法だとして取り消す旨の決定を行った。 取り消しの対象とされた押収物の主なものは、社会福祉法人に関連する介護施設の介護記録や、薬局の処方箋であり、その1綴を「1点」としていたりするため、警察の押収点数としては235点でも、実際の処方箋など書類の

    岐阜県警違法押収事件の背景に、県・国による「診療所つぶし」
  • 年金機構個人情報流出事件は、外部機関による監視をなくした安倍政権の大罪

    年金機構は、職員のパソコンに外部からウイルスメールによる不正アクセスがあり、国民年金や厚生年金などの加入者と受給者の個人情報が外部に流出したことを、昨日(6月1日)、記者会見で発表した。国民年金・厚生年金などの加入者に付与される10桁の基礎年金番号と、氏名、生年月日の3情報が約116万7000件、3情報と住所の計4情報が約5万2000件、基礎年金番号と氏名の2情報が約3万1000件の合計約125万件に上るとのことだ。 外部からのメールの添付ファイルにウイルスが入っていたのに、複数の職員が不用意にファイルを開いたこと、その後機構が「不信なメールは開けないように」との指示をしたが、その指示が徹底されず、別の職員もメールを受け取り、添付ファイルを開いてしまったことが原因だ。しかも、機構で管理する個人情報には、パスワードをかける決まりになっていたのに、半数はパスワードがかかっていなかったとのこ

    年金機構個人情報流出事件は、外部機関による監視をなくした安倍政権の大罪
  • 組織の面子にこだわり「検察史上最悪の判断」を行った大野恒太郎検事総長

    昨日(3月18日)午前10時、名古屋地裁から、「美濃加茂市長に対する無罪判決に対して検察官が控訴を行った」という連絡が入った。 3月5日に言い渡された無罪判決に対する控訴期限は3月19日である。地方自治体の現職市長に対して言い渡された無罪判決に対する控訴の可否の判断なのだから、慎重の上にも慎重な判断を行われるのが当然である。期限の一日前の、しかも朝に、検察官の控訴申立書が慌ただしく裁判所に持ち込まれるなどという事態は、予想していなかった。 3月16日に、一部マスコミが「検察が控訴の方針を固めた」と報道したことを受けて、翌17日に当ブログに出した【「美濃加茂市長無罪判決に検察控訴の方針」は、「妄想」か「狂気」か】は、BLOGOS、ハフィントンポストにも転載され、トップページ、或いは準トップのページに掲載され、ページビューも大きく伸びていた。 このブログでは、検察控訴の方針を報じる中日新聞の記

    組織の面子にこだわり「検察史上最悪の判断」を行った大野恒太郎検事総長
    setagayatagayase
    setagayatagayase 2015/03/19
    組織の面子にこだわり「検察史上最悪の判断」を行った大野恒太郎検事総長 身も蓋もないことを言うと、この程度の最悪のクソッタレな判断、検察はしょっちゅうやるんじゃないの。
  • 美濃加茂市長無罪判決 ~極めて当然だが決して容易ではない司法判断~

    3月5日午後2時、名古屋地裁で、藤井浩人美濃加茂市長に対して、無罪の判決が言い渡された。 昨年6月24日の逮捕の直後から、藤井市長の潔白を確信して、全力で弁護活動に臨んできた私にとって、待ち望んでいた判決そのものであった。 今回の判決について、この最初のブログでは、判決を私がどのような思いで迎えたのか、そして、言い渡された判決が、日の刑事司法においてどのような意味を持つものなのかについて述べたいと思う。 まず、判決言渡しの直前の私の率直な心境を述べておきたい。 藤井市長が潔白であり、現金を受け取った事実などなく、警察、検察の逮捕・起訴、そして、公判が全くデタラメなものであることは、昨年6月末の市長逮捕以来、私が、ツイッター、ブログ、インターネット番組等で繰り返し述べてきたとおりである。 しかも、9月中旬から始まった公判において、裁判所の事実解明への積極的な姿勢が示され、検察の捜査・立証の

    美濃加茂市長無罪判決 ~極めて当然だが決して容易ではない司法判断~
  • 美濃加茂市長事件に関する中京テレビの「重大な誤報」

    1月16日、藤井市長に対する贈賄を供述している中林正善に対する判決公判が開かれ、名古屋地裁刑事3部(藤井市長の公判は刑事6部が担当)は、有印公文書偽造・同行使、詐欺、および贈賄の罪で、中林に懲役4年の実刑判決を言い渡した。 当ブログ【「藤井市長への贈賄者に有罪判決」報道に騙されてはならない】でも述べたように、この判決の前日の1月15日午前に、藤井市長の主任弁護人の私から、読者・視聴者に誤解を与える報道が行われることがないよう、報道関係者宛の要請文をファックス送付していた。 程度の差はあれ、その要請に配慮した報道が多かった中で、要請をほとんど無視し、全体として視聴者に重大な誤解を与える内容の放送を行ない、しかも、その中で、「贈収賄事件で贈った側が有罪で受け取った側が無罪という例がない」などという事実に反する内容を報じたのが、中京テレビ(日テレビ系)の夕方のニュース・情報番組「キャッチ」であ

    美濃加茂市長事件に関する中京テレビの「重大な誤報」
  • 美濃加茂市長事件、「検察の迷走」を象徴する実質審理の幕切れ

    贈賄供述者の再度の証人尋問を請求しなかった検察官 今年6月24日「全国最年少市長逮捕」から約5か月、藤井美濃加茂市長の収賄事件は、11月19日の第7回公判で実質審理が終了。12月19日に検察官の論告、24日に弁護人の弁論が行われて結審することとなった。 実質審理の幕切れのシーンは、この事件の捜査・公判で繰り返されてきた検察の迷走を象徴するものだった。 10月24日の被告人質問の後に、最後の証拠調べとして行うことになったのが、贈賄供述者中林の再度の証人尋問と、その中林と警察の留置場で隣房だったB氏との「対質形式」での証人尋問だった。【藤井美濃加茂市長事件、検察にとって「引き返す最後の機会」】 B氏は、今年の4月下旬に、中林が「検事の取調べで『人数が合わない』と言われて、辻褄が合わなくて困っている」と言っていたと証言。中林は、そのような発言はしていないと否定した。 その後の検察官が、B氏の証言

    美濃加茂市長事件、「検察の迷走」を象徴する実質審理の幕切れ
  • 藤井美濃加茂市長事件、検察にとって「引き返す最後の機会」

    藤井浩人美濃加茂市長の収賄事件の公判、天王山とも言える贈賄供述者中林の証人尋問で、その供述の内容自体が「贈賄供述」とすら言えない程お粗末なものであることに加え、主尋問の最後で贈賄自白の理由を涙ながらに訴えたことが「演技」であったことも明白になるなど、供述態度まで詐欺的であったことが露見したことは、【証人尋問で「詐欺師」の性をあらわにした贈賄供述者】で述べた。 それだけではない。この証人尋問で、中林は、弁護側が主張していた「警察、検察の取調べでの誘導」を全面的に否定する供述を行ったが、それが意図的な偽証である疑いが生じている。 この事件での弁護人の主張については、【藤井浩人美濃加茂市長事件 弁護人冒頭陳述】で詳細に述べているが、特に、中林の贈賄供述の供述経過に関しては、公判前整理手続の段階から、 3月27日の警察官調書では、公訴事実第1のガスト美濃加茂店での会は中林と被告人の二人だけで、

    藤井美濃加茂市長事件、検察にとって「引き返す最後の機会」
  • 証人尋問で「詐欺師」の本性をあらわにした贈賄供述者

    10月1日、2日の両日、名古屋地裁で、藤井美濃加茂市長事件の贈賄供述者中林正善の証人尋問が行われた。 この2日間の尋問で、中林の「詐欺師」たる性が露わになったと言ってよいであろう。 1日目は、検察官の主尋問。 分厚い質問原稿をほとんど「棒読み」して質問する検察官と、よどみなく答える中林、まるで、芝居の「台詞合せ」のようだった。内容は、ほとんど、検察官調書と同じ。中林は、調書を丸暗記していたとしか思えない。 しかし、そのような「作り上げられた中林供述」ですら、その内容は、市議会議員への受託収賄の贈賄供述、市長への事前収賄の贈賄供述の体をなしていない。 そして、中林が、その「詐欺師」の領を発揮したのが、1日目の主尋問の最後の場面であった。 検察官に、融資詐欺で勾留中に贈賄の自白を始めた理由について尋ねられ、 担当刑事から、やってしまったことは消せないけど、ゼロになって帰ろうと言われたので、

    証人尋問で「詐欺師」の本性をあらわにした贈賄供述者
    setagayatagayase
    setagayatagayase 2014/10/04
    証人尋問で「詐欺師」の本性をあらわにした贈賄供述者 | 郷原信郎が斬る 詐欺師というかまあそれはそうなんだろうけど、検察はこういう輩を利用するんだよ。常套手段。
  • 藤井美濃加茂市長事件、贈賄供述者は法廷で何を語るのか

    藤井浩人美濃加茂市長の事件、今日の午後、名古屋地裁で開かれる第2回公判で証人尋問が始まる。その最初、今日、明日の2日間にわたって、贈賄供述者の証人尋問が行われ、いきなり、この裁判の天王山を迎える。 西松建設事件、陸山会事件では、検察OBとして、評論家的立場で、いわば外野から、「暴走する特捜検察」を批判し、大阪地検特捜部の証拠改ざん等の不祥事を受けて開かれた「検察の在り方検討会議」にも加わり、検察改革の在り方についても意見を述べてきた。そして、大坪元大阪地検特捜部長の事件では、大坪・佐賀を断罪することで特捜部長以下の問題に矮小化し、検察組織そのものの問題から目を背けさせようとする検察と戦うべく、リリーフ投手として控訴審から登板した。 今回の事件では、まさに先発投手として、藤井市長が逮捕された翌日、検察に送致された時点から、検察と徹底的に戦ってきた。 その中で多くのことがわかってきた。 検察改

    藤井美濃加茂市長事件、贈賄供述者は法廷で何を語るのか
  • 藤井浩人美濃加茂市長事件 弁護人冒頭陳述

    弁護人が、証拠により証明しようとする事実は以下のとおりである。 第1 件公訴事実の不存在に関する事実 1 賄賂授受の現場には同席者が存在し、授受を目撃していない 被告人の知人で、中林を被告人に紹介したBは、件各公訴事実記載の会にすべて同席していたこと、その場で席を外しておらず、現金の授受は見ていないことを一貫して供述しており、席を外していない理由についても極めて合理的な説明を行っている。 同人の供述を前提にすると、平成25年4月2日昼のガスト美濃加茂店及び25日夜の山家住吉店での会の際に被告人に現金を渡した事実は存在し得ないものである。 2 被告人には自由に使える現金があり、金員受領の動機がない 検察官は「同時期の被告人の資金繰りが楽ではなかったこと」ことを、被告人が件各公訴事実の賄賂を受け取ったことの間接事実として主張しているが、以下に述べるように、被告人の手元には、自由に使え

    藤井浩人美濃加茂市長事件 弁護人冒頭陳述
  • 藤井市長を人質に籠城する検察

    藤井美濃加茂市長の収賄事件で、昨日(8月15日)、3回目の保釈請求が却下された。公判前整理手続で、中林の贈賄供述以外、すべての検察官請求書証に同意しており、もはや「罪証隠滅のおそれ」はないはず。しかも、一昨日夕刻の、裁判官と面接した弁護士の話では、裁判官も好印象で、保釈金の話まで出たということだったので、今回の保釈は間違いないだろうと思っていた。予定の時間をかなり過ぎた時刻に出たのは、全く予想外の却下だった。 その後、今回の保釈請求について裁判官からの保釈求意見に対する検察官の意見書を閲覧し、検察が保釈に対して必死の抵抗をしていることがわかった。 これまで検察は、検察官側の立証に対する「罪証隠滅のおそれ」を主張していたが、それがなくなったことから、弁護側が予定している主張立証に関して「被告人と関係者が口裏合わせをする」などと主張しているのだ。 公判前整理手続に付された事件では、その手続の間

    藤井市長を人質に籠城する検察
  • 八田隆氏の対検察国賠訴訟の意義

    八田隆氏の国賠訴訟における代理人としての意見陳述は以下の通り。 訴訟は、国税局に告発され、検察官に起訴された脱税事件で、一審無罪判決、検察官控訴の棄却で無罪が確定した原告が、告発、起訴が違法であったとして、国家賠償を求めるものである。 件の審理が行われるに当たって、原告代理人として、検察官の違法な起訴等に対する賠償請求について意見を申し述べたい。 検察官は、起訴・不起訴の判断について広範な裁量権を与えられている。 検察官が、起訴する事件を「有罪判決が得られる高度の見込み」で絞り込むことが、有罪率99.9%という高い有罪率につながっていることに対する批判もあり、たとえば、鉄道事故、航空機事故等の業務上過失致死事件等で、被害者・遺族の強い希望がある場合は、有罪判決が得られる見込みが低い事件であっても、敢えて起訴して、公開の法廷における審理を通して裁判所の判断を仰ぐべきという意見もある。平成

    八田隆氏の対検察国賠訴訟の意義
  • 「前代未聞」の検察の判断を待つ藤井美濃加茂市長事件

    全国最年少市長の藤井浩人美濃加茂市長が、市議時代に業者から30万円を受け取ったとして逮捕された事件は、明日、20日間の勾留満期を迎える。 前回の当ブログ【藤井美濃加茂市長の不当勾留は地方自治を侵害する重大な憲法問題】で、逃亡のおそれも罪証隠滅のおそれもないのに現職市長について「勾留の必要」を認め、不当な身柄拘束を容認した名古屋地裁の決定が重大な憲法問題であるとして、勾留の取消を求める特別抗告を最高裁に申し立てたことについて述べた。 この事件では、業者(詐欺で起訴され勾留中)が、2013年4月2日に10万円、同月25日に20万円を藤井氏(当時は市議)に渡したとする会の場には、常に、藤井氏にその業者を紹介した人物が同席していた。「現金を渡した」と供述する業者と、それを全面的に否定し潔白を訴える藤井市長との供述が対立する中で、この同席者は、藤井市長の任意聴取が開始されると同時に警察から連日長時

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  • 藤井美濃加茂市長の不当勾留は地方自治を侵害する重大な憲法問題

    藤井浩人美濃加茂市長が市議時代に業者から30万円を受け取った収賄の疑いで逮捕・勾留されている事件で、勾留取消請求却下決定に対する準抗告を棄却する名古屋地裁の決定に対して、日間もなく、最高裁判所に特別抗告を申し立てる。 その理由は、現職の美濃加茂市長の被疑者について、逃亡のおそれがなく、罪証隠滅のおそれもほとんどなくなっているのに、勾留の必要を認めて、勾留取消請求を棄却した名古屋地裁の決定が、「地方自治の旨」等、地方自治の基原則を定める憲法92条、93条2項の趣旨に反し、「正当な理由」を拘禁の要件と定める憲法34条後段、「適正手続の保障」を定める憲法31条に違反するということだ。 現職市長で、一貫して潔白を訴える藤井市長に「逃亡のおそれ」がないことは、あまりにも当然で、任官後僅か半年の新米裁判官が、そのような非常識な勾留理由を認めたことが裁判所のシステムの問題であることを、【現職市長に

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  • 契約をないがしろにし、司法手続きを無視する自転車競技連盟の暴挙

    当ブログ【東京五輪に向けての選手強化を阻む“競技団体のガバナンス崩壊”】で紹介した、自転車競技連盟による松整総監督解任問題に関して、昨日、東京地裁で2回目の審尋期日が開かれた。 前回のブログ【自転車競技連盟総監督解任決議問題、連盟の混乱極まる】でも述べたように、解任権がないことの確認と解任しないことを求める仮処分の第1回審尋期日において、連盟側は、「答弁書をもって解任を通知する」と述べて、裁判官の目の前で、まさに審理の対象とされている「松総監督の解任」を強行したのである。しかも、その解任の理由を問われても、「今後明らかにする」と述べるにとどまり、解任決議を行ってから6日も経っても解任の理由を全く示せないという混乱ぶりを露呈した。 我々松氏の代理人弁護団は、司法手続無視の解任通知を撤回する機会を与えるため、解任決議の撤回を求める確答催告書を出し、連盟側に、法に従った対応を行う最後の機会

    契約をないがしろにし、司法手続きを無視する自転車競技連盟の暴挙