あいつぐいじめ自殺で子どもたちはどんなに暗い日々を過ごしているか-と心配している親は多いことだろう。しかし現実の小中学生はさにあらず。彼らのあいだではいま新しい遊びが流行中。すこやかな笑顔を育んでいる。その遊びの名は 「強行採決」 だ。 取材のためさっそく訪れたのは都内にある港区第3小学校。5年2組の教室で、議長役の児童の声がひびく。 「起立多数。 よって本案は可決いたしました」 席の3分の1強は空席だったが、与党役の子どもたちは拍手で喜びをかみしめあっていた。この日決まったのは 「貧乏な家の子は他の子の宿題をやってくる基本法」 だった。 強行採決ごっこは、クラスを「与党」「野党」の2つに分けて行われる。ただし、与党になれるのは親が2代にわたって金持ちか、熱心な新興宗教家の子どものみ(ローカルルールによっては現金やカラダで与党役を買うこともできる)。 2つにわかれたら野党役の子は外に追い出