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ブックマーク / nishinari-lives.com (59)

  • 西成で暮らす。106日目「人扱いされたい」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年6月17日。 すっかり現場仕事を放棄して、web周りのクリエイティブなコンテンツ創作みたいな横文字の営為に関わって、ぬか喜びしとる竹下がいる。 そんなこっちゃイカん、如何ともし難く、具体的に実相的に泥だらけになって身をすり減らすのが西成生活の懐。 しかし、この時の現場仕事は最悪だった。 思い出したくない。思い出したくもない。思い出すけども。 仕事内容というより、「人」がね。かねがね「人」ですよ、畢竟。 午前3時に起床し、3時15分には宿を出る。 普段はノートパソコンを忍ばせている防水の小ぶりなバックパックに、ヘルメットや長を詰めて。 旧あいりんセンター近くの、手配師ぎょうさんゾーンまで歩いていく。 ところが、その手前、ローソンのある交差点で早くも声をかけられる。 懐かしい感覚。求められたのね、私! 「仕事あるよ。生コン」 『生コン』 何という空恐ろしい響き。 コンクリート詰め

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  • 西成で暮らす。102〜105日目 「忘れてしまうの」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年6月13日~6月16日 朝イチで「パークイン」を出奔する。さようなら。 でも、またすぐに戻ってくるよ。 なぜか熟睡できる愛しの煎布団よ。 ウーバーイーツに勤しむ。 大した量は配らなかったが、それには理由があり、西成からどデカいバックパックをトランクルームに預け、ウーバーバッグと配達道具一式を持ってくる際に、トランクルーム個室内に、ビルの入り口を通過する際にかざすセキュリティカードを置いてきてしまった事に気付き、なんやかんや、していたから。 トランクルームを使用するには、第一のロック・入居しているビルのエントランス、そして第二のロック・トランクルーム店舗のエントランス、と2つのセキュリティを潜り抜ける必要がある。 ロック!ダブルロック!もっともっとトリプル、フォース、フィフスロック! そんな世知辛い世の中なのである。 このままでは、ウーバーイーツの配達を終えても、僕の大事な家財道

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  • 途上と行先 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    ブログが滞っていたこと 残念ながらご期待に沿えず、今日も生きている、僕竹下です。 日記ってーのは、毎日なにがしか記すから「日記」てーんだろ。 なぁ、自明のテーゼだろうが。テーゼの意味が違ってる気もします。 日々を記す、そう、日記は6月で止まっておる。そうらしい。 その間も、ようやっと暮らしてはいましたが、「西成で暮らす」というブログのテーゼとはズレまくっている日々を過ごしてまいりました。テーゼの意味が違ってるー。 その間、旧知の友人からのweb周りの仕事の手伝いをしたり、 名古屋の見知らぬ方からご連絡をいただきコンテンツの企画をしたり、 東京の辣腕編集者と名乗る方から叱責を受けたり、 身内の愛した人を見送ったり、 西成の人たちに取材を試み思いっきし断られたり、 話を聞いてもちゃぶ台を返されたり、 野宿連泊したり、 別府に行って温泉に入ったり、 琵琶湖で宗教施設を訪れたり、 新潟で当地のソ

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  • 【インタビュー】女装とは何か? 第3回 〜 女装は単なる、そして大いなる趣味である。 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    女装」 「ハッテン」 という強烈なイメージに囚われていた僕であるが、それを極端に俗物視する必要も、神聖視することもない。 という、女装大陸の全貌が、霞の彼方におぼろげながら見えてきた。 そして、新大陸だとコチラ側は思っていても、すでにそこに営営と大陸は存在していた訳で、僕は港に少し立ち寄ってみただけなのである。 「女装と何か?」第3回。 多分、最終回です。 <第1回はコチラ> nishinari-lives.com <第2回はコチラ> nishinari-lives.com 女装とは何か?第3回 ニューハーフという言葉が脚光を浴びたのは、松原留美子の登場がきっかけだ。松原留美子は1981年3月に六木のイメージポスター「六木美人」のモデルに起用されるが、その後に男性であることが発覚し、大きな話題となり、その年の秋には角川映画『蔵の中』にヒロインとして出演する。その彼女のキャッチフレーズ

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  • 【インタビュー】女装とは何か? 第2回 〜 いつ、どうして女装に目覚めたのか? - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    引き続き、 「女装とは何か?」 というテーマに向かって、現役バリバリの女装さんに、女装さんの聖地・天王寺「通天小町」にて、お話を伺ってまいります。 <第1回はコチラ> nishinari-lives.com 件の 「通天小町」 コチラには、その場所ならではのローカルルールや注意点が存在する。 例えば、今回僕はあゆみさんの導きで、受付の左側の入口から、この「談話室」へ入った。 しかし、右側入口から入店すると、ゲイさん専用(サービスルーム)に入ることになり、女装目当てで訪れた人が「女装に会えないやんけ!」と彷徨う光景がよくあると言う。 また、この「談話室」のほかに、「アネックス談話室」という喫煙可能な部屋に関しては、完全に休憩場所としての機能しかないため、ナンパしても無駄。 一方、この「談話室」のソファが置かれた部分や、上階のVIP棟という喫煙所、談話室、棚があるゾーンにはナンパ待ち勢が居て

    【インタビュー】女装とは何か? 第2回 〜 いつ、どうして女装に目覚めたのか? - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する
  • 【インタビュー】女装とは何か? 第1回 〜 大阪新世界、ハッテン場で女装さんと会う。 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    大阪、新世界を歩いていると、そこかしこで女装をした男性と思しき人を見かける。 田舎、僕が生まれたような辺鄙な地方都市ではまず見かけることはない。 今はどうだろう? 少しは変わったのかも知れないが。 西成のあいりん地区で、道端に腰掛けてコップ酒を呑むオッチャンの姿と同様に、色鮮やかなドレスをまとい、颯爽と闊歩する、至近距離に近付かなければ女装とは気が付かないその人たちは新世界の日常風景に溶け込んでいる。 富にその姿を発見することが多い「新世界国際劇場」で女装さんを遠巻きに眺めたことがきっかけで、そのことを当ブログに記し、ひとりの女装さんに連絡をいただき、お会いすることが叶った。 nishinari-lives.com nishinari-lives.com nishinari-lives.com ちなみに「〜〜とは何か?」 のタイトルは、紙のプロレスの別冊シリーズから頂戴した。 『大山倍達と

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  • 西成で暮らす。95日目 「本物は、とびきり」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年6月6日。 おはようございます! 寝てないけれども。一睡の余地もなかったけれども。 杉作さんのお話に浸っていたので後悔はない。 この表現は、「立錐の余地もない」の誤用ですか? だけれど、人口に膾炙したために定着してしまったパターンですか? 御用ですか?御用だ!誤用だ!日語は生き物だ。シーチキンと一緒だ。十朱幸代。 昔、映画仕事の末端に居た頃、原日出子さんと生で至近距離で接する機会があったのですが、メチャクチャ綺麗でした。 なんというか失礼にあたるかも知れませんが、原さんって、もちろんお綺麗だけれど画面を通して見ている分には、「絶世の」とか「黄金比率の」といった美麗さで語られる方ではないじゃないですか? ところが、とんでもなく綺麗でした。お人柄も込みで。 撮影班の方々には、「ビックリするほどの美しさ」を覚えた役者さんがそれぞれおり、照明部のHさんは、 「十朱幸代が、ものごっつか

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  • 西成で暮らす。93日目 「あいりん地区ツアー」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年6月4日。 今日は、縁を作っていただき、長く西成労働福祉センターに勤務し、現在はあいりん地区のまちづくりや地域再生に関わる活動をされ、漫画家でもある、ありむら潜さんのナビゲートで「釜ヶ崎のまち・スタディツアー」に参加する。 朝から梅雨模様の雨。 昼過ぎに、説明会の会場に向かう。 こういう事前情報収集みたいなこと、その地を訪れる際の通過儀礼みたいなものは、3ヶ月前に済ませておけ!という気もする。無礼に西成に突入して、そのままなので巻き戻してやり直し。コロナの影響もあり、今日のツアー参加者は僕ひとり。マンツー。 太子の交差点からスタートし、あいりん地区をグルっと詳細に巡る行程は、濃密な時間であった。 ありむらさんは、コチラが質問を投げると、4倍付けで返答してくれるエネルギッシュな方であった。その模様は、改めて別記事でご紹介したい。 日雇いのおっちゃん達が溢れかえっていた時代を知ってい

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  • 西成で暮らす。92日目 「人間力は年齢に関わらない」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年6月3日。 4時半、起床。 待ち合わせ場所まで向かう。 今日の現場は、電車からバスを乗り継ぐ必要があり、交通費が片道千円近くかかるようだったので、途中で拾ってもらうことにした。 新今宮駅の朝。 いくら眠っても眠たい。 ずっと眠たい。 大阪から遠く離れて、電車内からは人影がいなくなり、朝日だけが車内に差し込む。 最寄駅には、定チェーン店が無かったので、コンビニのイートインコーナーで弁当をらう。 意外に、こんな早朝からイートインでお茶する人、新聞を読む人、突っ伏して眠る人はいる。 仕事明けなのか、これから仕事なのか。 おはようございますの方も、おやすみなさいの方も、いってらっしゃい。 疲れるだけですよ 憎んでみたところで だから お早うございますの帽子屋さん ひとこと話をすれば 誰でも友達 だから お早うございますの帽子屋さん 作詞作曲:谷山浩子 『お早うございますの帽子屋さん』

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  • 西成で暮らす。90日目 「夏への扉」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年6月1日。 日雇い現金仕事の日。 見落としていたが、夜中に「現地に8時半に来ればいいぞ!」とのLINEをもらったので、5時半に起床。 すっかり、日の出が早くなった。 「まだ暗いうちに、仕事を探す」 みたいな気の滅入る状況ではなくなった。逆に言うと、 「もう、明るいぞ!起きろ!働け!」 とお天道様に急かされているような気がする。 どっちもどっち。 どっちが良いのか?どっちも良くない気がする。 ちなみに、「ビジネスホテル スバル」の個室には、テーブルという物がない。 ならば、どうせテレビは見ないのでテレビ台から液晶モニターを降ろして、テーブル代わりにしてキーボードを打ったりしたいのだが、実はこのテレビテレビ台と接着されている。 つまり、このテレビ台を小机として活用し、ささやかな宴の舞台としたり、ノーパソを置きエンターキーをタターン!と打ち鳴らすことは叶わない。 確かに、このサイズの

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  • 西成で暮らす。88日目 「カレーを食べ過ぎ、配達態度を自戒する」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年5月30日。 一睡もしないで、いそいそと朝会場へ。 コロナの影響で朝バイキングが一時中止されていたようだが、今日はやっている! モリモリうべ。夢がMORIMORI。そう、ビュッフェは夢である。人生は夢ばかり。 コロナ前は違った形式だったのかも知れないが、全ての一品料理は小皿に盛られて提供。 アルコール消毒をした上で、手袋をはめて、俺の朝ラインアップを形作っていく。 カレーカレーがあるぞ! その他にも、そば、たこ焼き、ヘレかつ、奴、煮物など。 勢い余って、もうのど先までたっぷりったのにも関わらず、カレーをおかわり。 この日は、夕方までゲップが沸き上がって、ずっとカレーの芳香に包まれて働くことになった。 イエーイ! カツカレー! こんなに毎日ブログを書き続けているのに、語彙力が著しく減退している。 バカになってきた。 カレーカレー! イエー!って言えー!©︎忌野清志郎

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  • 西成で暮らす。87日目 「みんなウーバー仲間でいいじゃないか」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年5月29日。 昨晩、遅くなってから連絡があり、来週の火曜日は現場仕事に入れそう。 また、直前に流れてしまうかもしれんが。 夜中にシンと静まり返った「パークイン」の非常階段の踊り場から月を眺める。 このところ、梅雨の中休みという常套句で語れるような天候が続いている。 22時を回れば、ほとんど物音ひとつ聞こえなくなるホテル。 全く稼ぎのなかった今週を埋め合わせるべく、今日からの土日はウーバーイーツに勤しまねばならない。 あっさー! 出掛けにすれ違った清掃のお姐さんに、 「よく、眠れましたか?」 といつものように優しい言葉をかけられる。 ありがとうございます! 今日も、富裕層からそうでもない層までがアプリを使って気軽に注文してくる料理やらドリンクやらを、せっせと東へ西へ届けてまいりますよ。真心こめて。仮想の拳銃に実弾こめて。 どこにでもあるゼノフォビア 先週は、刀折れ矢尽きて、千代の富

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  • ¥1300「ビジネスホテル スバル」西成安宿探訪 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    西成ホテル探訪 西成のあびこ筋沿いには多くの安宿が林立している。 定期的に、一泊¥390という破格のセールを打ち出す「ホテル サンプラザ」もこの通りにある。 「ビジネスホテル スバル」は、その向かい側、JR新今宮駅から徒歩3分。 仮に労働で疲弊し、這いつくばって向かっても、スープの冷めない間には到着する距離感。 日曜は受付業務はお休みだが、平日は朝8時から開いているので、彷徨える西成人にとってはありがたい宿。 ちなみに、祝日は受け付けてくれる。 看板にある1300円の部屋と、1400円の違いは「冷蔵庫の有無」 受付には午前中には女性が、午後からは男性(おっちゃんorあんちゃん)が在室している。 「土足厳禁」「鍵の保証金1000円」という西成安宿スタンダードなスタイル。 入り口には常に「消毒済」と書かれた(あくまで書かれた)スリッパが並べられているので、安心して、素足を突っ込み、下足を小脇に

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  • 小便との闘い・西成あいりん地区はしょんべん臭いのか? - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    大阪には十三(じゅうそう)という街に 「ションベン横丁」 という飲店街があり、コク深い呑み屋やお店が軒を連ねていたらしいのですが、2014年に大規模な火災があり、その後復活を果たしてはいるのですが、往時とは変わってしまっているのかも知れません。 僕は、2014年以前に訪れたことはない。 ところは、西成。 この街でしょっちゅう見かける光景と言えば、立ちションするオッチャン。 (右端に見切れています) 旧あいりんセンターの軒下にはホームレスの方々が暮らしていますが、その向かい側に青いポリバケツみたいなものが等間隔で設置してある。 当初、「コレ、なんだろう」と思っていたのだが、簡易トイレなのね、コレ。 日雇い現場でも時折見かける。 他の地区よりも公衆便所の数は多いとは思うが、とにかくみんな昼夜を問わず酔っているから、そうすっと所構わず立ちションに及ぶんでしょうな。実際。 その辺を散策していても

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  • 【インタビュー】「新世界国際劇場」支配人・冨岡和彦さん - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    新世界、通天閣のふもとに名物の手描き看板を掲げ、通常ならば毎日オールナイト興行を打ち続ける地元に根ざした3立て上映の歴史ある映画館 「新世界国際劇場」 緊急事態宣言により、オールナイト上映は中止しているが、夜半までの上映は決行中。 前回の訪問は、去年だった。 女装子の跋扈に恐怖した夜であった。 nishinari-lives.com 大阪の多くの映画館が休業中の現在、二番館として絶妙な番組編成で我々に映画を届けてくれている。 西成安宿から徒歩で行ける楽天地。 2021年5月5日。 特になんのアポイントメントも取っていなかったのだが、『ガンズ・アキンボ』を鑑賞した後、売店のお兄さんに話しかけたらば、奥の事務所に招き入れてくれ、30分近くコチラの手前勝手な質問に支配人の冨岡和彦さんが気さくに答えてくださった。多謝感謝。 以下は、国際劇場の常連「この映画は国際でかかるかどうか?」を基準に映画

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  • 西成で暮らす。54日目 「ゲジゲジの季節」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年4月26日。 「快活CLUB」で目を覚ます。 頭上には、爽やかな淡く青い空が広がる。 肩にい込むバックパックを背負い、えっちらおっちら西成に向かう。 なんだか、バックパックの重量が軽く感じるようになった。 この感覚が、自らの生活を受け入れてきた成果なのかどうか、は分からない。 この天満から西成あいりん地区までの移動を一気加勢に行えれば良いのだが、たいてい途中下車する。 なんにも、背中の重みを受け入れてねぇじゃねーか。 公園のベンチに座って、近所の子ども園のワラーべたちが駆けずり回り、駆けずり回るワラーべたちを中腰で追いかけ回る保育士たちも眺める。 平日の午前中にただ公園のベンチにしどけなく座り、死んだような目で彼らを眺めている僕は、彼らの目にはどう映っているのだろうか。 完全に「不審者」。 こんな暮らしを始める前の僕ならば、今の僕の姿を見てなんの躊躇もなく「アイツは不審者だ!」

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  • 西成で暮らす。53日目 「映画が観られるということ」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年4月25日。 快晴の日曜日。 絶好のウーバーイーツ日和、注文ガンガン入りまくりの〜の予定な訳だが、今日は映画を一観る。 今日から、大阪映画館は緊急事態宣言を受け、多くは営業休止になった。 しかし、感染対策を取りながら営業を続けるミニシアターもいくつかある。 これは、今こそ、映画館に赴くべきではないか。 といった社会派を気取った発言は建前で、単に映画を観に行きたいだけである。 九条にあるシネ・ヌーヴォで、『ALL THIS PANIC / オール・ディス・パニック』というドキュメンタリーを。 「非常に親密な距離感で3年間にわたって撮影された、ブルックリンで育った10代の女の子グループの隠された生活を見つめる」 なんてキラキラしてそうな映画! www.youtube.com 九条へ 朝から4件だけ配達し、九条向かう。 天満に住んでいる頃は、九条に自転車で行くなんて考えもしなかった

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  • 西成で暮らす。52日目 「卵がけごはんの味わい」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年4月24日。 ついに月火水木金と五日間も固形物を胃袋に入れなかった。 ゲツゲツカーカーモクキンキン。 なんだか頭痛がヒドいが、特に腹が減ってたまらない、という感じでもない。 毎日、風呂に入って見たくもない醜い顔や身体を見ているが、やせ細ってきた訳でもない。 僕が高校生の頃、景山民夫が週刊朝日にコラムを連載しており、毎週興味深く読んでいた。 景山民夫という人は、放送作家から小説家、そして晩年は幸福の科学の広告塔となり、50歳の若さで自宅でプラモデルを作っていたら引火し、火傷によって亡くなった。 「どうせ火葬場で焼いてもらえるのに、何も自分で焼かなくっても」と、ビートたけしが深見千三郎の焼死の際に追悼した言葉を、同じように景山に発したかどうかは記憶にない。 入信の前から、景山のコラムには社会問題を真っ当に批判する姿勢が顕著で、あまりメディアで言論人が触れないような「原発廃止」や「車社

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    shiina-saba13
    shiina-saba13 2021/04/28
    朝のエネルギーですね。
  • 西成で暮らす。51日目 「(当然のように)寝過ごす日(いつもの)」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年4月23日。 「パークイン」の窓の外から、の鳴き声が聞こえる。 淡く日の差す窓を開け放つと、隣接するビルの非常階段扉の前で事の供給を待つの姿が見えた。 事は供給されるものではなく、勝ち取るものである。 という理念に基づけば、今日も飯抜きです。 念のため、といえば聞こえは良いが免罪符的に「西成労働福祉センター」に赴き、契約仕事(10~30日間の事・寝床付きの所謂“飯場”)を探す。 掲示されている求人情報から、いくつか目星を付け、窓口の職員に尋ねてみる。 「契約仕事を申し込みたいんですけども…」 「はい。問い合わせは出来るんやけどね。もうすぐゴールデンウィークに入るでしょ?そうすると、祝日は仕事ないから。必然的に宿泊費だけ取られて、あなたにとっては“赤”になってまうケースがあるんよ。ほやから、なるべく今の時期は避けた方がいいね」 やはり、先日聞いた通りの説明、「赤字になる飯

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  • 西成で暮らす。50日目 「(また)寝過ごす日(また)」 - 暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

    2021年4月22日。 昨晩は、ライブを観た興奮もあったのか、空腹グーグーだって豚であるの影響なのか、にわかに眠れず3時頃までウダウダと。 日雇いに出かける準備をしていたのだが、行けるか?行けんのか? 行けないです! お休みなさい。 という思考過程で昼過ぎまで爆睡。 目を覚ますとビックリするほど涎をまき散らしておった。 眠れる、のはまだ若い証拠=体力のある証。 というのは当だろうか。 ただ単に、不完全な死体から、完全な死体に近付いている正常なプロセスでしかないような気がする。 M君の現在地 きっかけとして、僕のブログを頼りに西成で働くために福岡からやって来たM君。 nishinari-lives.com 早朝の求職活動に初日から成功し、数週前から地方での飯場暮らしを始めている。 ときおり、LINEで連絡を取っていたのだが、先日 「もう、西成に戻れることないかもしれない」 というメッセージ

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