背番号「1」は、本人が球団に希望した。少年時代、テレビに映る「ダイエーの秋山幸二」がアイドルだった。そして「一番の選手になるため」に祖国を離れた男は、その階段を登り続けている。球界に異彩を放つ球団で、アミ族の少年が目にしたものとは。 短い距離を投げられない 距離にして約70m。私が目にしたのはバックホームという名の光の矢だった。 4月10日、東京ドームでの東北楽天戦。北海道日本ハムが2対0とリードした3回表にスーパープレーは飛び出した。 2死一、二塁。牧田明久が放った打球は二遊間を破り、センター前へ。ダッシュし、素早いステップで、これを処理した陽岱鋼はムチのように自慢の右腕をしならせた。 送球はキャッチャー鶴岡慎也のミットに一直線。二塁走者の松井稼頭央は鶴岡の固いブロックに阻まれ、本塁で憤死した。 4回表には、陽に負けじとレフト中田翔もレーザービームを披露し、この試合、日本ハムが6対0で勝