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ブックマーク / dictionary.sanseido-publ.co.jp (5)

  • 補遺第19回 声に出して読めない日本語について | 日本語社会 のぞきキャラくり(定延 利之) | 三省堂 ことばのコラム

    きもち欠乏症の観察がひと段落したところで,棚上げしていた問題に戻ってみよう。「話し手のキャラクタの濃さ」はなぜきもち欠乏症を抑える効果を持つのだろうか? そもそもきもち欠乏症それ自体が未解明の部分を残しているので,この問題に十全な答を与えることは現時点では難しいが,私が惹かれている説明案を2つ挙げておこう。 第1の説明案は,キャラクタを,特定のきもちを生み出すことと直接つなげてしまう案である。たとえば『兵士』キャラが発動されれば,「~であります」と軍隊口調になるだけでなく,所作の全般がきびきびした軍隊風のものになる。何をしゃべり何をするにも,そこに軍人精神・軍人気質が込められるのは,『兵士』キャラがそうしたきもちの補給源であればこその話である。キャラクタの濃淡によって差はあるが,同じことは他のキャラクタについても言える,というのがこの説明案である。 第2の説明案は,「レス・イズ・モア」(”

    補遺第19回 声に出して読めない日本語について | 日本語社会 のぞきキャラくり(定延 利之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第158回 ここでも揺れる「葛」の字体 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    高知での一場面。田舎の駅の跨線橋の階段を、女子中学生同士が手を繋いで降りてくる。また腕を組んで駆け登っていく。大学近くの線路を渡ったところにある神社では、学生たちかデートをする光景もあり、のどかだ。地域文字はないか、と探すのは卑しい感じがしないでもない、自然に眼に入ってくるのを待つのだ。 「葛島」だ。歩き回っているうちに自然に着いた。空港からのバスの中からも見ていた所まで来てしまった。この「葛」は、ときどき字体に問題ありとして扱われる字で、教え子もこの字を丹念に観察して修士論文を仕上げた。皆さんのパソコン画面では、この字は、どういう字体で見えているだろうか。高知のその地名では、 かづら かずら と、仮名遣いも揺れているが、字体が気に掛かる。 「島」と、明朝かゴシック体で看板にあった。ほかに、 「島」と明朝体。 「島」と筆字とゴシック体。この手書き用とデザイン用の両方の書体が、互いに似てくる

  • 第73回 「真剣(まじ)」の台頭、そして… | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    気」による当て字は、常用漢字表が改定された今日においても、発展を続けている。「気」に「ガチ」とルビを付け、手紙に書く女子も現れたという。「ガチ」自体は古くからあった相撲用語の「ガチンコ」つまり真剣勝負の略とされる語で、近年、テレビで芸能人たちなどから耳にする頻度が急に上がった語だ。先日も、移動中、都区内のマクドナルドで昼を済ませていた時に、男子中高生が「ガチで? あとはマジ、ヤバイぜ」などと会話で使っているのが耳に入った。「ガチ」には「真剣」や「真面目」も当てられることがあり、使い古されてきた「マジ」という語に取って代わるほどになってきた。 マジという語の威力が、使われ続け、広まっていく中で次第に弱まってきた結果のようだ。ただ、棲み分けもあるらしい。ある区内の小学6年生曰く:「ガチは気でって意味で、マジは当にって意味。漫画とかで、気と書いてマジっていうのは間違っている。意味か

  • 第126回 田中宣廣さん:"気づいた"方言の方言みやげ―地域言語的用法の共通語視から― | 地域語の経済と社会 ―方言みやげ・グッズとその周辺―(言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics) | 三省堂 ことばのコラム

    秋田県で,ちょっと変わった方言みやげを見つけてきました。 それは,方言ライターです。 方言は「とうきょう」,共通語訳は「関東方面」とあります【写真1】。 秋田県で「とうきょう」と言えば,神奈川県,埼玉県,千葉県の,東京通勤圏程度の範囲を指す,というものです。 秋田の人たちは,この用法について,『方言』であること,つまり,地域性のあることを,あまり認識していないようです。私のゼミの学生で,秋田県出身者も,同様でした[注1]。 こういう『方言用法を共通語だと思い込む』ことを,「地域言語的用法の共通語視」と言います。これは私の術語です。この連載を一緒にしている井上史雄先生は,「気づかない方言」と呼んでいます[注2]。 だから,「とうきょう」(関東方面)を,方言みやげに採用したのは,この用法について,『方言』だと“気づいた”というわけです。方言みやげの掲載方言では『変わり種』です。 秋田の他の方言

  • 人名用漢字の新字旧字:「滝」と「瀧」

    新字の「滝」は常用漢字なので、子供の名づけに使うことができます。旧字の「瀧」は人名用漢字なので、子供の名づけに使うことができます。つまり、「滝」も「瀧」も出生届に書いてOK。でも、旧字の「瀧」は、微妙なタイミングで人名用漢字に追加されたのです。 昭和23年1月1日の戸籍法改正時点では、当用漢字表には新字の「滝」が収録されていて、直後にカッコ書きで旧字の「瀧」(4画目が「一」)が添えられていました。つまり、「滝(瀧)」となっていたわけです。ただし、旧字の「瀧」はあくまで参考として当用漢字表に添えられたものでしたから、子供の名づけに使ってはいけない、ということになりました。この時点では、新字の「滝」はOKだけど、旧字の「瀧」はダメだったのです。その後、常用漢字表の時代になって、新字の「滝」は常用漢字になりましたが、旧字の「瀧」は人名用漢字になれませんでした。ここまでは、「歐」や「學」と良く似た

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