先般、「家計資産『1000万円超』に驚くのは正しい」と題する記事を書いた。日銀が事務局を務める金融広報中央委員会の『家計の金融行動に関する世論調査』の「2人以上の世帯」を解説したものだが、今回は続編として同調査の「単身世帯」を取り上げたい。家計状況を見ると、実勢に近い資産はわずか「20万円」。無産家計の比率も増大中で、2人以上の世帯に比べ、猛烈な格差が生じている。 持てる者と持たざる者の差は激しい今年の調査で「2人以上の世帯」は、保有資産の平均値が「1078万円」、中央値は「400万円」となった(実勢に近い数字が中央値であることは前回の記事で解説)。さて、「単身世帯」はどうなっているのか。調査結果を見ると、圧倒的な格差が生じている。平均値「822万円」に対し、中央値はわずか「20万円」で、2007年以降では前年に続いて最低水準となった(下図参照、金融広報中央委員会の資料より)。 平均値の推
「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトでぶつかった「ある疑問」国立情報学研究所(NII)の社会共有知研究センター。 「ロボットは東大に入れるか(東ロボ)」プロジェクトで知られる人工知能(AI)の研究チームが、子どもたちの読解力テストに着手した。 なぜ、AI研究者が「読解力」に関心をもつのか。 そこには、AIの限界を探る研究の過程でぶつかった、ある疑問が関係している。 センター長の数学者・新井紀子さんに話を聞いた。 今日(11月14日)の「東ロボ 2016成果報告会」で冒頭あいさつする新井紀子教授。東ロボプロジェクトは2011年にスタートしたAIは国語が苦手――なぜ、AI研究者が「読解力」に関心を? 東ロボは、問題を解き、正解も出すが、読んで理解しているわけではない。 現段階のAIにとって、文章の意味を理解することは、不可能に近い。 そうすると、特に難しいのが国語と英語だ。 国語では、20
昨今、にわかに大学、とくに国立大学法人の経営難と環境悪化が報じられている。 国立大の基礎研究費削減、全国の理学部長らが反対声明:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASJB05HD1JB0ULBJ00R.html 国立33大学で定年退職者の補充を凍結 新潟大は人事凍結でゼミ解散 | THE PAGE https://thepage.jp/detail/20161007-00000003-wordleaf 大学ランキングに一喜一憂するべきではないという声明も出されるが、自分の研究室に来た留学生たちに聞いてみても、一様に大学ランキングは見ているという。ひとつの大学選択の基準になっていることは否定できないだろう。その大学ランキングのひとつ、タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)で、日本の大学ランキングは近年低迷傾向にある。THE2016-2017
だが、そういう片岡氏も、ヤクルトのスカウト時代、1982年のドラフトで2位の新谷博(のちに西武)、4位の広瀬哲朗(のちに日ハム)と2人に入団拒否をくらった苦い経験がある。 「ドラフト前に新谷博は駒大進学を宣言していたが、強引に2位で指名して説得できなかった。このときは駒大との間もこじれ、4位で指名した駒大の広瀬哲朗にも入団を拒否された。ただこのときは、まだプロ志望届という制度がなかった。今回、山口側もプロ志望を出した以上、私は条件はつけるべきではないと考える。希望球団にいけない場合の受け皿を用意するパターンは、最近では菅野や長野が使ったが、これはドラフト制度を否定する行為。そもそも、山口もドラフト制度の主旨に反して、条件を付けるくらいならば、プロ志望は出すべきではなかったのだ。 おそらく3位以上の指名にこだわった理由のひとつに“3位以上の評価をもらえないくらいなら、まだまだということ。社会
まずは、写真を見てほしい。冒頭には 「中華スープに割り箸をつけたとき、モワッと何か白くにじみ出るのが見えた。」 ここを読んで、ああ、最近このニュースが週刊誌やネットの世界でよく紹介されているな、と思った人がいるかもしれない。中国製は食品だけでなく、割り箸も危険なんだ……。 残念でした。この記事は、2007年8月17日号の「アエラ」である。7年も前のものなのだ。最近流れているのは、主に「週刊大衆」の記事のようである。 「上海のレストランで食事をしていた一般客が、割り箸を澄んだスープに入れたら、瞬く間に濁ったことから発覚しました。報告を受けた当局が調査のために割り箸を水槽に入れたら、元気に泳いでいた金魚が、ぷっかり浮かんできたそうです」(通信社中国特派員) (2014年8月10日掲載記事) Yahoo!ニュース個人 アプリ特別企画として、過去に掲載された記事の中から、今改めて読みたい厳選記事を
【最後まで読まない人が多いので追記】 私個人としては、選択的夫婦別姓導入もありだと思っています。 本稿は選択的別姓導入の是非を議論するものではありません。 最高裁で争われた夫婦同姓制度先日、何気なくインターネットを見ていたら、次のような記事に遭遇しました。 夫婦別姓を求める声、最高裁に届かず(福島みずほ) 未だに選択的夫婦別姓に反対する人へ ご承知の通り、平成25年12月16日に、最高裁大法廷において夫婦同姓の強制についてと女性のみに存在する再婚禁止期間についての判決が下されています。この判決では、再婚禁止期間については、6か月禁止期間を設けることが違憲であるとの判断が出されました。その一方で、夫婦同姓については合憲であるという判断が下されています。 元々、この裁判は、「夫婦で別々の姓を名乗ることを認めない民法の規定は、憲法が保障する婚姻の自由を侵害している」などとして、5人の男女が国に損
【GoHooレポート6月17日】産経新聞は6月16日夕、ニュースサイトに「TBS番組『街の声』の20代女性が被災地リポートしたピースボートスタッフに酷似していた?!『さくらじゃないか』との声続出」と題する記事を掲載した。しかし、ピースボートが「記事内の女性は当団体スタッフではない」として産経側に訂正を求め、強く抗議。記事は16日夜の時点でアクセスランキング最上位になっていたが、17日午前中に削除された(追記あり)。 ピースボート災害ボランティアセンターの産経新聞者宛て抗議文問題の記事は、6月15日夕、東京都の舛添要一知事辞任に関連して、東京都内で民放の街頭インタビューに応じた女性が、熊本地震後にリポートしたピースボート災害ボランティアセンターの女性スタッフと酷似している指摘し、ネット上で同様の指摘が相次いでいることを無批判に報じていた。 削除された産経ニュースサイトの記事(2016年6月1
「アニメ週20本視聴」シラバスがねとらぼなどで話題に4月、ねとらぼで近畿大文芸学部の講義が話題になりました。 近畿大学で「週20本以上のアニメ視聴」を前提とした授業が実施中 ハードル高いと話題に ねとらぼ記事。そう言えばアニメネタ、好きですね。「深夜枠を中心に週に20本以上『アニメ』を視聴しておくこと」――ある大学の講義が、このような項目を“受講の前提“に掲げて注目を集めています。1話25分として予習に毎回8時間20分以上……!! (中略) アニメ監督の庵野秀明さん、幾原邦彦さんについてはそれぞれ90分使って学ぶそうで、「『輪るピングドラム』徹底分析」という記述も。前期のラストは「PSYCHO-PASS」がテーマで、「監獄の誕生」(ミシェル・フーコー)、「環境管理型権力」といったキーワードがちりばめられています。あぁ、これは完全にガチなやつだ。 (中略) ネット上では「楽しそう」「受けてみ
「部活がブラックすぎて倒れそう... 教師に部活の顧問をする・しないの選択権を下さい!」。こんな教師たちの「叫び」への賛同を募る署名運動が昨年暮れからインターネットで展開され、3カ月足らずで2万人以上の署名を集めた。署名は3月初旬、文部科学大臣に提出され、文科省も対策に動き始めた。「ブラック部活顧問」とは何だろう。ネット発の異議申し立ての実相を探るため、各地で教員らの声を聞いた。 (Yahoo!ニュース編集部) インターネットの署名サイト「change.org」上に、「教師に部活の顧問をする・しないの選択権を下さい!」と題した署名運動のページが登場したのは、昨年のクリスマス直前、12月23日だった。立ち上げに関わった教員グループの名は「部活問題対策プロジェクト」という。
今年1月。東京都足立区のJR綾瀬駅でホームから人が転落し、駅の約300メートル手前で電車が緊急停止。約15分後、停車していた車内から40代男性会社員が電車の窓を開けて線路に降り、綾瀬駅に向かって歩き出すという出来事があった。男性の行為で、別の線路を走るJR常磐線快速電車や直通運転している東京メトロ千代田線も一部区間で最大1時間運転を見合わせ、10万人以上に影響が出るトラブルになった。 男性はなぜ線路に降りたのか。駅員に保護された男性は「会社で大事な会議があり、遅れられなかった」と説明したという。「大事な会議」という会社の論理に惑わされ、社会のルールを破った男性に対し、ネット上では「まさに社畜」「この人は奴隷か?」「日本社会の狂気を凝縮したような話だ」などというコメントが寄せられた。
大学に学部と大学院がなくなる!日本の大学の国際的な地位の向上が大きな課題となっている中、2012年10月の学長就任以来3年半にわたり大学改革に取り組んできた東京工業大学(以下、東工大)の三島良直学長が2016年3月22日、記者発表会を開催。 以前から宣言していた「創立150周年を迎える2031年までに、リサーチユニバーシティ(研究開発に力を注いでいる大学)として世界トップ10入りを目指す」という目標に向け、2016年4月から実施する大学改革の具体的な内容を発表した。 東工大では、三島学長の強いリーダーシップの下、大学改革の一環として、2014年度から、「ガバナンス改革」「社会連携改革」「国際化改革」に取り組んできたが、2016年度からは、いよいよ本丸である「教育改革」と「研究改革」が実施されることになる。 記者発表会で、三島学長は「東工大にとって数十年に一度の大きな大学改革になる」と述べた
岡山県のある交通掲示板がドラクエのようだとTwitterで話題に。掲示板には「交差点で黄色信号が現れた」や、「止まる?はい いいえ」といったような、まるでゲームに出てくる選択肢のような表示。岡山県警交通課で、一体何が起きたのだろうか。担当者に話を聞いた。 ーーなぜこんな表示に? 最初に「はい、いいえ」が思い浮かびました。 ーー“ド”から始まるゲームを模している? 我々も休みの日はゲームなどしておりますし、世代ですので。 ーーすごく話題になっていますが。 今回反響があったのは、水曜日バージョンです。 ーーバージョン…? 各曜日ごとに表示が違い、別バージョンもあります。 ーー注目しすぎて、逆に危ないのでは。 チラ見していただければ。 ーー「orz」、高齢者に伝わる? 意図があります。どういう意味なのか、周りに聞いてほしい。 ーー周りに、聞く? 家庭や職場で交通安全について話をしていただくきっか
我が国も2020年の一部実用化を目指している自動運転ながら、アメリカの『NHTSA』(日本の国交省に相当)はグーグルの自動運転車について「運転者を人工知能とするのが妥当」という見解を出した。つまり人間の代わりを人工頭脳が行なってよい、という意見だ。もちろん正式な法規でなく「そういう方向で認めていくつもり」ということ。これに対しアメリカでは多数の反対意見も出始めている。 果たして人工知能はドライバーとして認めていいのか? そんな世界的論議になっている中、東京の町田で痛ましい事故が発生した。詳しい状況は下のリンクを見て頂きたい。交差点を左折したトラックと、横断歩道を渡ろうとした小学校1年生の男児が接触。頭を強く打って亡くなってしまったのだ。多くのメディアはトラックドライバーの責任を重く取り、警察もひき逃げなどの疑いで逮捕している。 ・事故を報じるNHKニュース ただ動画を見ると、男児はトラック
7日、北朝鮮は宇宙ロケットを用いて人工衛星を打ち上げて軌道に乗せることに成功しました。これは長距離弾道ミサイル技術を用いているため、北朝鮮に核実験とミサイル発射を禁じた国連安保理決議違反となり、各国が非難を行っています。 日本では「北朝鮮の人工衛星打ち上げ用ロケットと称する事実上の長距離弾道ミサイル」という奇妙に長い言い回しの報道ばかりで、宇宙ロケットによる衛星打ち上げと報じている大手メディアは全くありません。 しかし国連安保理決議は北朝鮮に対して宇宙ロケットだろうとも長距離弾道ミサイル技術を使う全ての発射を禁止しているので、ロケットと表記しても問題は無いはずです。他の国が宇宙ロケットを打ち上げるのは自由なのに北朝鮮が禁止されている理由は、核兵器の開発とセットだからです。もしも北朝鮮が一度も核開発を行っていなければ宇宙ロケットは何も制限されていなかったでしょう。 ロケットなのかミサイルなの
名瀬・名護・久米島で「みぞれ」、那覇では観測されず2016年1月24日から25日にかけて、日本付近には数十年に一度とも報じられた強い寒気が流れ込み、西日本や南西諸島を中心に記録的な寒さになりました。 あまりに強い寒気が南下したため、奄美大島の名瀬では24日昼過ぎに、沖縄本島の名護や久米島でも24日夜遅くに、それぞれ「みぞれ」を観測したと測候所・気象台が発表。「みぞれ」は雨と雪が混在して降る現象であり、気象観測上は雪の仲間に分類されます。これにより、名瀬と久米島では観測史上2回目、名護では観測史上初めての降雪として、歴史に残る記録となったと報じられたわけです。 その一方、那覇では終始、雨に雪は混じらず、残念ながら(?)歴史的な雪とはならなかったのでした。 本当に「雪」は降ったのか?気象台・測候所(気象庁に所属する)が「みぞれを観測した」というのであれば「専門家が判断したのだから間違いなく降っ
(新幹線の中で編集作業していたら、間違えて書きかけで公開してしまっていました。2015年12月2日21:06以前にご覧になった方、たいへん失礼いたしました。筆者) 2009年前後、「温暖化は本当かウソか」という類の論争に筆者はかなり巻き込まれた(例えばこれや、これや、これ)。当時は2007年から続く「温暖化ブーム」で、温暖化は怖いという本もウソだという本も書店にたくさん並んでいた。 その後ブームが去り、温暖化自体が次第に話題にならなくなると、「ウソだ」もあまり聞かれなくなった。2011年の福島第一原発事故後には、「温暖化は原発推進の口実だ」ということで、脱原発運動の中に「温暖化はウソ」がかなり聞かれたが、最近はそれも目立たなくなってきていた。 そこに突然やってきたのが、今週始まったCOP21(国連気候変動枠組条約 第21回締約国会議)による温暖化報道の急増である(筆者を含む関係者にとっては
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く