京都の「町」が、外国資本の買い占めにあっている。中国の投資会社は町家が並ぶ一角を買い取り、そこを中国風の名前で再開発する計画を発表した。京都在住の東洋文化研究者アレックス・カー氏とジャーナリストの清野由美氏は「このままでは京都の最大の資産である『人々が暮らしをする町並み』が消えてしまう」と警鐘を鳴らす――。 ※本稿は、アレックス・カー、清野由美『観光亡国論』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。 ■外国人観光客は「効率のよい」お客さん 京都市産業観光局が2017年に調査した結果をまとめた「京都観光総合調査」によると、京都には、外国人、日本人を合わせて、年間5000万人以上の観光客が訪れています。 そのうち外国人宿泊客数は353万人で、宿泊日数をかけた延べ人数は721万人となっています。ただし、これは無許可の民泊施設への宿泊客は含みません。同調査では、無許可民泊施設での宿泊客数を、約