矛盾をクリップ岡本太郎の「強く生きる言葉」という本に、矛盾について書かれている。矛盾社会内の個。純粋であればあるほど人生というものは悲劇だ。人間はすべて矛盾のなかに生きている。だから矛盾に絶望してしまったら負け、落ちこむのだ。それよりも、矛盾のなかで面白く生きようと、発想を転換することはできないだろうか。 岡本太郎の「強く生きる言葉」は面白い。ここにあるのは「言葉の芸術」のようなもので、一つ一つが詩のように美しい。またそれだけではなく、言葉の持つさまざまな意味や役割や可能性を、その中に持っているし、果たしているし、孕んでいる。とても多義的だ。ところで、彼のこの矛盾に対する言葉には、ちょっと物足りなさを覚える。ぼくは、「矛盾のなかで面白く生きようと」するだけではなく、自らが積極的に矛盾を生み出すことこそが、本当に面白いことだと思っている。そうすれば、人生に勝てる。