ロゴなんかのデザインコンペを見たときに、なにやら不公平な印象を抱いたことはありませんか。その違和感には名前があるんです。英語圏でのデザイン業界ではspeculative work、略してspec work(スペックワーク)という言葉があります。これは支払いが未確定な仕事、もっと言えばタダ働きの可能性が濃厚な仕事という意味で、特にデザインコンペに対してよく使われる言葉です。 その例を挙げてみます。あなたは企業主で、会社のロゴやウェブサイトなどのビジュアルを誰かに依頼したいとします。そこでコンペということにして多くの参加者を募り、最も優秀なものを選び、その作品に報酬を与えます。こうすることで依頼一件分の予算でたくさんのアイデアを集めることができるわけです。 それでは何故これが間違っているか、また別の例で説明します。あなたはお腹が減っています。そこでいろんなシェフに声をかけて料理を作ってもらい、