前回の記事で『哲子の部屋』を紹介したが、第2回の放送に登場した環世界という概念が気になったので、ユクスキュルの『生物から見た世界』を読んだ。 環世界とは、それぞれの主体にとっての環境世界を指す。たとえば人間が森の中に入ると、そこには木があり土があり虫がいる事を認識するが、目が付いていない生物にとってはそれらは見えず、感触が違う物体でしかない。感覚機能によって世界は異なるのだ。 いや、世界はそこに存在しているではないか。誰かが見なくても、建物や公園、美女や野獣は間違いなくそこに実在しているではないか。そういった意見があるかもしれないが、そのような世界を思い浮かべている時点で既にあなたの主観が入っているのである。 『生物から見た世界』にはマダニ、ウニ、カラス、ゾウムシなど、様々な生物の環世界が登場する。物事は客観的に見ろ、第三者の視点に立てとよく言われるが、本書を読むと厳密な客観性は存在しない
2012年07月31日08:30 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 知不知 - 書評 - ウナギ 大回遊の謎 出版社より献本御礼。 ウナギ 大回遊の謎 塚本勝巳 出来れば土用の丑の日とかに書評を上げるべきだったのかも知れないけど、当時は在庫切れ。祝在庫復活。 ウナギが(食材として)嫌いな人は、(生物として)好きになる。 ウナギが好きな人は、好きの意味が変わる。 同じ土用でも土用波のような一冊。いろいろなものがひっくり返ります。 本書「ウナギ 大回遊の謎」は、こんな一冊。 カバー背より ウナギは淡水魚と思っている人が多いが、実はニホンウナギは遠く数千キロも離れた太平洋のど真ん中で毎年、産卵していた。本書は、大海原で親ウナギが産卵する瞬間をピンポイントでつかまえたい、この究極の謎に挑んだ科学者たちの冒険の記録だ。度重なる失敗にもめげず、海山仮説や新月仮説や塩分フロント仮説などで絞り込み、
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く