タグ

ブックマーク / www.ryoanna.com (84)

  • 夏の空 - RyoAnna

    夏の空は景色がすぐ変わる。太陽の光が強いため、雲が少し動くだけでコントラストが変化する。今回の写真は数分で撮影したもの。夏の空は天真爛漫だ。 撮影カメラ FUJIFILM X-Pro2 FUJIFILM XF 16-55mm F2.8

    夏の空 - RyoAnna
  • 海の色 - RyoAnna

    海の色を作るのは難しい。早朝と夕方は太陽が勝手に彩色してくれるし、夜は月が脚色してくれる。難しいのは昼の海で、太陽も業が忙しいせいか色を作ってくれない。普段はしっくりくるクラシッククロームも、昼の海を撮るとくすんだ色になる。だからといってPROVIAやVELVIAにするとコテコテになる。竹島で使ったPRO Neg. STDあたりがちょうどいいかもしれない。今回はクラシッククロームで彩度を上げた。写真は中田島砂丘のスナップ。 撮影カメラ FUJIFILM X-Pro2 FUJIFILM XF 16-55mm F2.8 撮影地 中田島砂丘

    海の色 - RyoAnna
  • ブックカフェの発展形、京都天狼院書店 - RyoAnna

    先斗町で写真を撮った後、次の目的地に向かって歩いた。時期は6月の終わり。気温は高くないが、蒸し暑くて喉が渇く。道中で涼をとる店を探すと、一風変わった店構えを見つけた。京都天狼院書店だ。 天狼院書店の発祥は東京で、現在は京都と福岡にもある。書店ではあるがのセレクトは独特で、なかでも「天狼院秘」と呼ばれる企画が面白い。に黒いカバーをかけ、タイトルを隠して平積みしている。中身は不定期に変わるそうだ。 1階の書棚の奥には和室があり、2階にはソファーやコンセント付きのテーブルがある。2階はイベントスペースも兼ねていて、今月の7/22には写真教室「天狼院フォト部」が開催されるそうだ。 写真教室には興味がある。表現の幅が広がる可能性があるからだ。残念ながら地元の名古屋に天狼院書店はないが、機会があったらまた訪れたい。カフェ併設型から一歩進んだ書店だ。 撮影カメラ FUJIFILM X-Pro2 F

    ブックカフェの発展形、京都天狼院書店 - RyoAnna
  • 動画をやめて本を読んで欲しい理由 - RyoAnna

    子供がYouTubeの動画ばかり見ている。動画のすべてが悪いわけではないが、長時間はよくない。「メリハリをつけなさい」と諭しても、返事はいいが脳がついてこない。「楽しい」という脳内麻薬が分泌されると、止めることができないのだろう。 親としては学校の勉強に着いていけなくなるのが心配だ。だから動画をやめてを読みなさいと説教する。すると子供はなんで?と聞いてくる。これまでは自前の理論で「考える力がつくから」と説明していたが、どうやって?と聞かれると答えに詰まっていた。 その答えは『脳を創る読書』に書いてあった。 著者は言語脳科学者の酒井邦嘉教授。酒井さんのは言語と脳の関係を易しく教えてくれる。これまで『遺伝子・脳・言語』と『言語の脳科学』を読んだが、今回『脳を創る読書』が文庫化されたため手にした。 を読む目的は想像力を養うためだ。 例えば先の「メリハリをつけなさい」という台詞。これを映像、

    動画をやめて本を読んで欲しい理由 - RyoAnna
  • 東京を感じる写真撮影スポット15選 - #RyosukeHagihara

    写真を撮り始めてそろそろ1年になる。カメラはCanon EOS 6Dから始まって、CONTAX T2、PENTAX 67、FUJIFILM X100Tと入れ替わり、現在はFUJIFILM X100Fに落ち着いた。 X100Fを選ぶ理由は携帯性だ。私は毎月のように名古屋から東京に出張しているが、カメラが大きいと持ち運ぶのが辛くなる。撮りたい場所が沢山あっても、カメラが重荷になっては元も子もない。 この1年で東京の撮影スポットをいろいろ回った。東京は絵になる光景が多く、他の都市よりも熱量を感じる。今回は、そんな東京を感じる撮影スポットを紹介したい。 目次 KITTE(東京駅) 東京国際フォーラム(有楽町駅) 神楽坂(飯田橋駅) 渋谷(渋谷駅) 表参道(表参道駅) 代官山(代官山駅) 浅草(浅草駅) 新宿思い出横丁(新宿駅) アメ横(上野駅) 晴海埠頭(勝どき駅) ゆりかもめ(新橋駅) 六木ヒ

    東京を感じる写真撮影スポット15選 - #RyosukeHagihara
  • 写真のテクニックが学べるサイト - RyoAnna

    カメラを買ってから、日々写真の勉強をしている。勉強といっても学校に通っているわけではなく、主にウェブサイトを利用した自己学習で、幸いにもカメラについて体系的に解説してくれるサイトがあった。しかも自分好みの写真を撮る作家が記事を書いている。これほど贅沢な話はない。 PY撮影ノート フォトヨドバシのA.Indenさんの写真が好きだ。光と影の使い方が絶妙で、見ているとうっとりする。 A.Indenさんは作例の撮影だけではなく、PY撮影ノートで写真の撮り方を解説している。特に勉強になったのは Vol.01 写り込み と Vol.03 ピントの話。 下の記事は現在の最新号で、文末にバックナンバーのリンクがある。 LIFE.14 広告などの写真撮影を専門とするフォトプロダクション「LIFE.14」。そこでブログを担当している斧田さんが、カメラのテクニックを解説している。 勉強になったのは Vol.34

    写真のテクニックが学べるサイト - RyoAnna
  • 重力・素粒子・遺伝子が分かる10冊 ー 小説『グラビトン』の参考文献 - RyoAnna

    昨年12月に小説『グラビトン』を出版した。伝えたかったのは科学の面白さと人間の可能性だった。読んだ方から「読み応えがあって面白かった」という嬉しいコメントを戴くこともあったが、なかには「よく分からなかった」という声もあった。 私の技量に問題があったのだと思う。会話がない小説だったので、登場人物に感情移入できなかったのかもしれない。科学の話が専門的な情報の羅列となり、理解しにくかったのかもしれない。 アインシュタインは言う。 もしあなたがそれを簡単に説明できないなら、あなたはそれを十分に理解していないのだ。 ファインマンも言う。 高校生レベルの知識層に説明して伝えることができなければ、その人は科学を理解しているとは言えない。 『グラビトン』を書いて思ったのは、借り物の知識は読み手に伝わらないということだ。知識は一度自分の中で消化してから吐き出さないと自然な文章にならない。感情を表現するときも

    重力・素粒子・遺伝子が分かる10冊 ー 小説『グラビトン』の参考文献 - RyoAnna
  • 小説『グラビトン』を出版 - RyoAnna

    小説『グラビトン』を出版した。 4000文字程度の短い物語だが、伏線を随所に入れつつ科学と人間のドラマを凝縮させたので、十分楽しんでもらえるはずだ。読み終えた瞬間に希望を感じる、そんな読後感があると嬉しい。 こちらは紹介文。 ニュートンの法則に背いて軌道を外れた二つのカプセル。レトロウイルスに秘められた生命の暗号。重力子グラビトンの不思議な力。現在の科学で判明している事実をベースに、二つのカプセルと地球の運命を描いたSFショートストーリー。あなたは絶望の中に一筋の光を見る。 ブログで小説に近いものを書いたことはあったが、一つの作品として仕上げたのはこれが初めてだ。個人出版の電子書籍だが、この世に生まれてきたからには何かの「形」を残したかった。 是非読んでみて欲しい。 グラビトン 作者: 萩原涼介出版社/メーカー: 萩原涼介発売日: 2015/12/18メディア: Kindle版この商品を含

    小説『グラビトン』を出版 - RyoAnna
  • ポピュラーサイエンスの傑作10選 - RyoAnna

    ポピュラーサイエンスをそのまま訳すと、大衆科学や通俗科学といった意味になる。書籍のジャンルのひとつで、難解な専門用語を使わず、平易な言葉で科学を解説したを指す。 印象に残るポピュラーサイエンスには物語性がある。イントロからエンディングまで、時にはノスタルジックに読者を誘い、時にはドラマチックに感動を与える。分かりやすい説明を繰り返すだけではなく、エッジの効いた口調で読者を惹きこむ。 今回はそんなポピュラーサイエンスの傑作を紹介したい。 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか 作者: マリオリヴィオ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/02/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る偉大なる失敗は新たな道を切り開く。ダーウィンの融合遺伝、ポーリングの三重らせん、アインシュタインの宇宙定数など。天才科学者たちはなぜ過ちを犯したのか。過ちはどのような理論へ発展した

    ポピュラーサイエンスの傑作10選 - RyoAnna
  • 逆さメガネ - RyoAnna

    人は眼の水晶体を通して世界を見ている。厳密には世界をそのまま見ているのではなく、物体に反射する光を見ている。光は凸レンズの水晶体を通って屈折する。屈折した光は上下と左右が反転するため、眼の奥の網膜に映る像も反転している。その映像をもう一度反転させ、世界を「正しく」見せているのは脳の処理だ。 逆さメガネというメガネがある。ドラえもんの道具にありそうな名前だが、ちゃんと実在する。逆さメガネをかけると世界の上下が反転する。最初は気持ち悪くなるが、しばらくすると慣れてきて、歩いたり物を動かすことができるようになる。そして驚くことに、数週間すると世界がまた反転して元に戻る。世界の都合に合わせて、脳が処理方法を変えるのだ。 地球で暮らしていると重力は下向きに働くと錯覚するが、実際は物の中心に向かって引きつけられているだけで、下向きと決まっているわけではない。宇宙船の中を想像するとわかるが、当は上も下

    逆さメガネ - RyoAnna
  • Facebookが楽しくなる小技・設定・Tips集 - RyoAnna

    Tweet Facebookを格的に使いはじめた。 Facebookは実名を求められる上に、システムが複雑で慣れるのに時間がかかる。 Twitterと比べるとどうしても敷居が高くなる。 たが、「いいね」の世界が分かり始めると、抜け出せない楽しさがそこにはある。 今回はFacebookのTipsを集めた。 あなたがFacebookに興味を持つきっかけになると嬉しい。 個人アカウント 1. アカウント作成迷える全ての日人に捧ぐ!Facebookが絶対楽しくなる10のポイント!:Apr.Foolism 2. プライバシー設定Facebookをやる上で知っとくべき7個のプライバシー設定方法 | Last Day. jp 3. プライバシーを気にするのが面倒になったら愛と幻想のフェイスブック - #RyoAnnaBlog 4. 自分がつけた「いいね!」の履歴をチェックするFacebookの「いい

    Facebookが楽しくなる小技・設定・Tips集 - RyoAnna
  • あなたを突き動かすもの『意識は傍観者である』 - RyoAnna

    を読んでゾクゾクしたのは久しぶりだ。 『意識は傍観者である』は神経科学者のデイヴィッド・イーグルマンによる脳科学の。人は目や耳で情報をインプットして、口や手でアウトプットする。この一連の流れを自分でコントロールしていると錯覚するが、大部分は無意識に行われている。多くの場面で意識は傍観者なのだ。 目を閉じて、車の車線変更を想像して欲しい。あなたはハンドルを握っている。左の車線から右の車線に移るためにハンドルを右に回す。右の車線に移ったらハンドルを正面の位置に戻す。多くの人がこのようなハンドル操作を想像するが、実際はハンドルを左に回してから正面に戻さないと、右側の中央分離帯に追突してしまう。 人は大部分を意識せずに処理している。だからこそ、脳のエネルギー使用率を最小限に抑えることができる。人の脳の重さは体重の2%に満たないが、消費するエネルギーは全体の20%を超える。私たちはバッテリーで動

    あなたを突き動かすもの『意識は傍観者である』 - RyoAnna
  • 極上のサイエンスミステリー『偉大なる失敗』 - RyoAnna

    今年は一般相対性理論の誕生100周年。書店を訪れるとアインシュタインの特集が目に付くが、中でもひときわ異彩を放っている表紙がある。アインシュタインが困った顔をしてたたずむ表紙だ。思わず手に取り読み進めると、これが極上のポピュラーサイエンスだった。 『偉大なる失敗』は、天才科学者の過ちに焦点を当てた。過ちを単純にあげつらうのではなく、背景の理論を丁寧に解説し、過ちを犯す心理まで踏み込んでいるので非常に面白い。イントロからエンディングまで続く流れは、まるで一級のミステリーだ。 登場する科学者はダーウィン、ケルヴィン卿、ポーリング、ホイル、アインシュタイン。 ダーウィンは自然選択を融合遺伝で説明して過ちを犯した。ケルヴィンは熱伝導率の変化を考えずに地球の年齢を計算し、ポーリングはDNAを三重らせんで解き、ホイルは宇宙を変化しないものと結論付けた。そしてアインシュタインは宇宙の膨張を予測せず、

    極上のサイエンスミステリー『偉大なる失敗』 - RyoAnna
  • 未来ある子供に読ませたい『とんでもなく役に立つ数学』 - RyoAnna

    タイトルは軽いが中身は濃い一冊。 『とんでもなく役に立つ数学』は、東京大学の西成教授が高校生に講義した内容をまとめた。ツールとしての数学の価値と、数学が好きになるための秘訣を丁寧に教えてくれる。 例えば微分方程式で振動を制御し、ベイズ推定で目撃証言の信憑性を計算する。幾何学で電子回路の最短経路を割り出し、セルオートマトンで渋滞のメカニズムを解析する。このような実例をもとに、数学と社会の関わり方を分かりやすく解説してくれる。 登場する数式は高校生レベルだが、数学を道具として利用する考え方は中学生でも理解できるはずだ。 教授は言う。 あなたが中学生なら、高校の参考書を眺めて下さい。高校生なら、図書館で大学の入門書を開いてみてください。(中略)毎日、ほんの30分でいいので、周囲に散らばっている知らない武器を身に着けることに時間を使ってください。これを習慣にしてしまうと、きっと将来、大きな見返り

    未来ある子供に読ませたい『とんでもなく役に立つ数学』 - RyoAnna
  • 『100の思考実験』で想像力を鍛える - RyoAnna

    理性を伴わない想像力はただの空想だが、想像力を伴わない理性は無味乾燥である。 こんな書き出して始まる『100の思考実験』は、私たちの想像力を試す。 著者はイギリスの哲学者ジュリアン・バジーニ。ウィトゲンシュタインの言語論から映画マトリックスのワンシーンまで、身近なテーマを中心に100の思考実験を繰り広げる。 例えばこのようなもの。 誰もいない森の中で樹が倒れたら音はするのか。 砂山から一粒ずつ砂を取っていったら、いつ砂山でなくなるのか。 私たちが見ている世界は現実か虚構か。 人間の細胞は毎日生まれ変わるが、身体の細胞がすべて入れ替わっても脳が同じなら同一人物といえるのか。 飛行機の排気ガス量は莫大だが、環境破壊のシンポジウムに飛行機で行く人は環境保護者といえるのか。 ある期間に抜き打ちテストが行われたが、最終日のテストは抜き打ちといえるのか。 樹が倒れると空気は振動するが、耳のない生物には

    『100の思考実験』で想像力を鍛える - RyoAnna
  • 科学の名言集『知のトップランナー 149人の美しいセオリー』 - RyoAnna

    私は仕事柄、ソフトウェアやハードウェアの仕様を短い文章でまとめる機会が多い。複雑に絡み合った条件を日語で分かりやすく説明する。すべての条件を満たす短文が仕上がると嬉しい。試行錯誤を繰り返していると、カチッとはまる瞬間があるのだ。 自然科学の世界でも同じことが言える。 ニュートンの万有引力やアインシュタインのエネルギー保存法則。ワトソンとクリックの二重らせんやダーウィンの自然淘汰など。世界を端的に記述する理論は美しい。 『知のトップランナー149人の美しいセオリー』は、そのような美しい理論を集めた。 あなたのお気に入りの、深遠で、エレガントで、美しい説明は何ですか? そんな問いに対して、リチャード・ドーキンスやジャレド・ダイアモンドなど、科学の最前線にいる巨人がお気に入りのセオリーを紹介する。 タイトルの一部はこちら。 自然淘汰による進化(スーザン・ブラックモア) 生命はディジタル暗号で

    科学の名言集『知のトップランナー 149人の美しいセオリー』 - RyoAnna
  • 『直感を裏切る数学』は仕事や暮らしにも役立つ - RyoAnna

    先日紹介した『知のトップランナー』で、音楽家のブライアン・イーノが面白いコラムを書いていた。 テーマは直感の限界。 地球の円周より1メートル長いリボンを使って、地球の表面とリボンの間が等しくなるように地球を囲むと、地球の表面からリボンはどれだけ浮くか。 地球の一周は4万キロもあるので隙間はほとんどないと思ったのだが、計算すると1メートル長いだけで16センチも浮くそうだ。 この距離をイメージできたのは数学者と服飾デザイナーだけとのこと。日頃から訓練したり体感していないと、直感は外れやすいという実例だ。 『直感を裏切る数学』は、そんな実例を沢山紹介してくれる。 データ、確率、図形、論理。それぞれの章で様々なエピソードが紹介されているが、中でも腑に落ちたのは「モンティホールの穴」の話。 箱が3つあり、1つは当たり、2つは外れが入っている。あなたが箱を1つ選ぶと、相手が残りの2つから外れを1つ開け

    『直感を裏切る数学』は仕事や暮らしにも役立つ - RyoAnna
  • 恋人を選ぶ基準『赤の女王 性とヒトの進化』 - RyoAnna

    恋人や結婚相手を選ぶときの基準は、性格や容姿、収入や家柄など様々な要素があると思うが、遺伝子を意識する人はあまりいないはずだ。『赤の女王』の著者マット・リドレーは、突き詰めると遺伝子しかないと説く。 人は強い生殖能力と素質のある遺伝子に惹かれる。男性は若くて健康な女性を選ぶし、女性は強くて能力のある男性を選ぶ。男性は多くの子孫を残すために複数の女性とセックスするが、女性は子供を産んで育てるのに時間がかかるため特定の相手とだけセックスする。 いやいや、私はそんな条件でパートナーを選ばない、容姿や収入なんて関係ない、純粋に愛があるから結婚する。そんな反感を持つ人がいるかもしれないが、それはすべて人間の理性によるものであり、遺伝子を残す行為は人間の能によるものだ。 遺伝子は4文字のアルファベットで記された生物のレシピ。今度あなたが恋人を選んだとき、レシピについて考えてみると面白いかもしれない。

    恋人を選ぶ基準『赤の女王 性とヒトの進化』 - RyoAnna
  • 義体化の夢『サイボーグ昆虫、フェロモンを追う』 - RyoAnna

    サイボーグ昆虫は昆虫の脳で動くロボット。昆虫の頭部と腹部を切り離し、触覚と眼を残した頭部にモーターを繋げる。触覚で匂いを検知すると、脳が指令信号を発してモーターを動かす。攻殻機動隊というアニメに全身を義体化したサイボーグが登場するが、イメージとしてはサイボーグ昆虫も同じだ。 カイコガの雄は、雌のフェロモンを検知すると反射的に直進した後、ジグザグにターンして回転する。この動きを繰り返して雌の場所を突き止めるのだが、カイコガのサイボーグ昆虫も同じ動きをした。この時の脳の信号を計測すると、精密な神経回路モデルを再現できる。 人間の脳を構成するニューロンの数は10の11乗だが、コンピュータで再現しようとすると10の21乗フロップスの処理能力が必要になる。現在のスーパーコンピューターは10の16乗が限界。人間の脳がシミュレーションできるのは2030年頃になると予測されている。 自分の娘が交通事故にあ

    義体化の夢『サイボーグ昆虫、フェロモンを追う』 - RyoAnna
  • 意識の終点『脳のなかの倫理』 - RyoAnna

    ※この物語は『脳のなかの倫理』を読んで書いたフィクションである。 がアルツハイマー病になった。 最初に異変を感じたのは五年前の夏だった。私がスイカをべたいと言ったら丸ごと買ってきてくれたのだが、まだたくさん残っていたのに次の日も買ってきた。単純な物忘れとしてその場は笑って終わったが、明くる日もまた買ってきた。何回か同じようなことがあり、病院で検査をしたところ軽度なアルツハイマー病と診断された。 アルツハイマー病は脳の大脳皮質と海馬が萎縮して発症する。最初に短期記憶に障害が現れ、進行すると長期記憶にも支障が出る。これまで世界中で臨床試験が行われてきたが、治療法はまだ見つかっていない。結局のところ、人間の身体は寿命が延びても、脳はもともとの設計を超えられないのかもしれない。 今年の夏、の症状が悪化して何も喋らなくなった。 は初期段階で遺書を残していた。ときどき思い出したように暗い顔をし

    意識の終点『脳のなかの倫理』 - RyoAnna