読むだけで知的に強くなる「読書猿」の種本だと聞いて、光の速さで買ったのがこれ。そもそも、読書猿ブログはこの一冊から始まったのだと勧められたら、読むしかない。 「志を立てる」から始まって、「知的空間のつくりかた」「本の探索・蒐集術」「知的工具のそろえかた」「発想・発問トレーニング」「最後まで書き尽くす方法」など、知的生産が捗るテクニックが紹介されている。著者一流の求道的な言い回しが面白く、くじけそうなときに読み返して励ましてもらえる効果もある。たとえばこうだ。 書棚は記憶の貯蔵庫である。記憶が頭脳の飽和に達した分を、モノ(本)のかたちで外化しておく。頭脳それ自体は一種のインデックス(索引)となり、書斎空間がむしろ思考する身体にしてかつ主体、ということになる。それゆえ、思考するとは、まさしく本棚の前を「歩く」という身体的行為のことなのだ。 わたしの場合、書斎はおろか自分の本棚さえないので、改め