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  • 徴用工判決で、なぜ韓国の民意を無視するのか? 週刊プレイボーイ連載(361) – 橘玲 公式BLOG

    韓国の大法院(最高裁)が元徴用工の賠償請求を認める判決を出したことで、またもや日韓関係が揺らいでいます。1965年の請求権協定で「(強制動員の被害補償は)完全かつ最終的に解決済み」というのが日政府の立場で、河野外相が「両国関係の法的基盤が根から損なわれた」と批判するのも当然でしょう。 国際政治では長らく、リアルポリティクス(現実主義)とリベラル原理主義が対立してきました。典型は核兵器問題で、リアルポリティクスの論者(大半の国際政治学者)はゲーム理論に基づき、米ソいずれも相手を確実に破滅させられる核兵器を保有する「相互確証破壊」こそが平和を維持しているとして、中途半端な軍縮交渉を批判してきました。それに対してリベラル原理主義は、こうした賢しらな論理を嫌悪し、核兵器は「絶対悪」なのだからどんなことをしてでも全廃しなければならない、と主張します。 こうした対立は、日では沖縄問題で顕著です。

    徴用工判決で、なぜ韓国の民意を無視するのか? 週刊プレイボーイ連載(361) – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2018/11/27
    僕はリアリストなので辺野古に賛成、徴用工判決に反対。確かに国際関係論ではリベラルとリアリズムの対立がある。もっとも国際関係論のリベラルの理論は日本のリベラルとは異なる点注意。少なくとも国際法重視だよ。
  • 日本人は「監視社会」を望んでいる? 週刊プレイボーイ連載(290)  – 橘玲 公式BLOG

    テロや組織犯罪への対処措置を定めた「国際組織犯罪防止条約(TOC条約)」締結のためとして政府が国会に提出した「テロ等準備罪」の通称は「共謀罪」です。報道各社の世論調査ではおおむね賛成の方が多いようですが、どちらの名称を強調するかによって結果がかなり変わります。「テロ等準備罪」だと「テロ対策に必要ならいいんじゃないの」と思い、「共謀罪」だと「なにもやってないのに“共謀”しただけで犯罪になるのか」と不安になる、というわけです。 「共謀罪」を批判するひとたちは、国家が市民の思想信条を取り締まる「監視社会」になることを危惧します。近代国家はすべての“暴力”を独占する巨大な権力で、その行使を民主的に統制することはきわめて重要ですから、この主張には一理あります。しかしその一方で、「権力は悪だ」と言い募るだけでは、「警察も司法制度も廃止してしまえ」ということになりかねません。 話がややこしくなるのは、「

    日本人は「監視社会」を望んでいる? 週刊プレイボーイ連載(290)  – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2017/05/29
    日本ではイスラムテロが起きる可能性は低い。一番警戒すべきは挑発を続ける北朝鮮と米国が戦闘状態になった時に日本に仕掛けられる可能性のある報復テロだ。この情勢下国民にテロへの警戒心が高まるのは当然と思うよ
  • トランプの権力は誰がつくっているのか?週刊プレイボーイ連載(273) – 橘玲 公式BLOG

    ひとはみんな予測可能性の高い社会を好ましいと思っています。今日が昨日と同じで、明日は今日と同じだと思うからこそ、安心して暮らすことができます。――「一寸先は闇」のような社会では、就職や結婚、子育てなどとうてい無理でしょう。 ところが世の中には、それを逆手にとって、予測不可能性で優位に立とうとするひとたちがいます。典型的なのはヤクザで、彼らが時に暴力を躊躇しないのは感情に流されるからではなく、相手の予測を撹乱する冷徹な計算に基づいています。 ヤクザが殺人を犯せば情状酌量の余地はほとんどなく、被害者が一般市民なら重罪として懲役20年や30年は覚悟しなければなりません。まともに考えればこんな割の悪いことをするはずはありませんが、それでもお金がからむとヤクザは暴力をちらつかせます。 ヤクザのビジネスでは、かならずしも発言(恐喝)と行動(犯罪)を一致させる必要はありません。そんなことをすれば、組員の

    トランプの権力は誰がつくっているのか?週刊プレイボーイ連載(273) – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2017/01/30
    外交で非合理性を演出する(狂気を演じる)方法をマッドマンセオリーっていう。この記事(https://goo.gl/B4KTcp)とか参考になるのでは?ニクソンが1973年パリ協定でこの戦略をとり北ベトナムに米国の要求を飲ませた例が有名。
  • きれいごとがうさんくさいのには理由がある 週刊プレイボーイ連載(273) – 橘玲 公式BLOG

    次の2つの質問に「まったく反対」「やや反対」「やや賛成」「まったく賛成」のいずれかで答えてください。 ほとんどの女性はほんとうに頭がよいとはいえない。 ほとんどの女性は外で仕事をするよりも家で子どもの世話をするほうが向いている。 どちらも明らかに女性差別的な主張ですから、良識あるひとは躊躇なく「まったく反対」とこたえるでしょう。 では、次の2つの意見はどうでしょうか。 なかにはほんとうに頭がよいとはいえない女性もいる。 なかには外で仕事をするよりも家で子どもの世話をするほうが向いている女性もいる。 こんどは良識あるひとでも判断に迷うのではないでしょうか。「まったく反対」としてしまうと、「すべての女性は頭がよく、家で子どもの世話をするには向いていない」ということになってしまうからです。いくらなんでもこれはおかしいので、「やや反対」「やや賛成」などを選ぶことになるでしょう。 じつはこれは心理学

    きれいごとがうさんくさいのには理由がある 週刊プレイボーイ連載(273) – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2017/01/23
    「ほとんどの女性は本当に頭がよいとはいえない」の対偶は「本当に頭が良いのはごく一部の女性だ」だよ。命題が偽である場合対偶は偽。だからこの2つの命題は両方偽。例示の命題は対偶ではない。だから全く意味不明
  • 野党はなぜいつも間違えてばかりいるのか? 週刊プレイボーイ連載(250) – 橘玲 公式BLOG

    参政権が18歳に引き下げられたことで注目された参院選ですが、結果は事前の予想どおり自民・公明の与党で過半数、非改選を含めれば改憲勢力が憲法改正を発議できる3分の2を確保しました。1人区などで民進党が予想以上に健闘したことで安倍政権に対する一定の批判があることも明らかになりましたが、今回の選挙は「アベノミクス」と「改憲」をテーマに争われたとのことですから、“民意”は安倍政権の経済運営を評価し、憲法改正の手続きに入ることを承認した、ということになるのでしょう。国会前で「民主主義を守れ」と叫んでいたひとたちは、民主的な選挙による審判を尊重しなければなりません。――まあ、無理でしょうけど。 日の戦後政治を大きく変えたのが民主党の「政権交代」であることは間違いありませんが、安倍政権以降は自民党が与党第一党、社会党が野党第一党で低位安定していた55年体制と似てきているようです。このままでは野党は、共

    野党はなぜいつも間違えてばかりいるのか? 週刊プレイボーイ連載(250) – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2016/07/25
    安倍政権は右派的安保政策と左派的経済政策を政策ミックスさせている。野党は安倍政権の金融政策と財政政策をそのまま受け入れ構造改革について再分配重視の対案を提示すればよかったのにね。野党は経済音痴と思うよ
  • 日本の「リベラル」はどこがうさんくさいのか? 週刊プレイボーイ連載(243) – 橘玲 公式BLOG

    自分のや子どもを殴りつけながら、「暴力はやめましょう」とか「平和がいちばん」と他人に説教するのはどうでしょう? アタマがおかしいか、とんでもない偽善者だと思うのではないでしょうか。 これまで繰り返し述べてきたように、日社会の恥部である正社員と非正規の格差は身分差別以外のなにものでもありません。なぜこういい切れるかというと、この制度には「アカウンタビリティ(説明責任)」が欠落しているからです。 「同じ仕事をしているのに、なぜ自分の給料はあのひとの半分なのか?」と問われて、相手が納得する回答ができれば「アカウンタブル(説明可能)」です。「お前は正社員じゃないんだから当然だ」と怒鳴りつけたり、「そんなこといわずにオレの立場もわかってくれ」と泣き落とすのはアカウンタブルではありません。説明できない格差は人種や性、国籍や宗教、身分などの差別から生まれます。基的人権を尊重するリベラルな社会は、「

    日本の「リベラル」はどこがうさんくさいのか? 週刊プレイボーイ連載(243) – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2016/05/30
    『「リベラル」がうさんくさいのには理由はある』(http://goo.gl/MhR7Is)を読んだ。「“進歩的”似非リベラルからまっとうなリベラルへ」という項に『一強多弱になるのは弱い側に問題』があると書いているが僕もそう思う。
  • 「リベラル」が嫌いなリベラリストへ – 橘玲 公式BLOG

    新刊『リベラル」がうさんくさいのには理由がある』の「まえがき」を、出版社の許可を得てアップします。 ************************************************************************ 最初に断っておきますが、私の政治的立場はリベラリズム(自由主義)です。 故郷に誇りと愛着と持つという意味での愛郷心はありますが、国(ネイション)を自分のアイデンティティと重ねる愛国主義(ナショナリズム)はまったく肌に合わず、国家(ステイト)は個人が幸福になるための「道具」だと考えています。 神や超越的なもの(スピリチュアル)ではなくダーウィンの進化論を信じ、統計学やゲーム理論、脳科学などの“新しい知”と科学技術によって効率的で衡平(公平)な社会をつくっていけばいいと考える世俗的な進歩主義者でもあります。 自由や平等、人権を「人類の普遍的な価値」とす

    「リベラル」が嫌いなリベラリストへ – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2016/05/26
    この手の本としては井上氏の本(http://goo.gl/SrlbFU)は筋が通っていて興味深かった。もっとも僕はリアリズムに立つから意見は真向から違ったのだけども。一方橘氏がこの著書でどこまで深く分析しているかは興味はある。
  • 慰安婦問題を「最終的で不可逆的」に解決するために 週刊プレイボーイ連載(226) – 橘玲 公式BLOG

    昨年末の「慰安婦」日韓合意は戦後史に画期をなす出来事ですが、その意義がじゅうぶんに理解されているとはいえません。 従軍慰安婦問題についてはさまざまな立場があるでしょうが、国際的には、日韓のナショナリズムの衝突ではなく、女性の人権問題と見なされていることを押さえておく必要があります。 旧ユーゴスラビアの解体とボスニア内戦は、その凄惨さによって西欧諸国に大きな衝撃を与えました。とりわけ戦場における虐殺と性暴力は、「人権の擁護は国家の主権を超える」という新しい流れを生み出しました。従軍慰安婦問題も、こうした「普遍的人権」の枠組みのなかで国際社会で取り上げられるようになったのです。そこで重視されたのは、日韓の歴史認識のいずれが正しいかではなく、戦争の被害者である女性をいかに救済するか、ということでした。 しかし残念なことに、こうした冷戦後の新しいパラダイムは、日でも韓国でもほとんど理解されません

    慰安婦問題を「最終的で不可逆的」に解決するために 週刊プレイボーイ連載(226) – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2016/01/25
    今回の日韓合意は政治的決着だ。日韓の「政府」はもう慰安婦問題を政治的に利用できなくなった。だが日韓とも左右とも慰安婦問題を政治的に利用したい人が多数いる。だから火種は残る。それを丹念に火消するしかない
  • 軽減税率は「信者」のためのもの? 週刊プレイボーイ連載(217) – 橘玲 公式BLOG

    2017年4月に消費税率を10%に引き上げるにあたって、軽減税率の議論が紛糾しています。財務省が提示したのはマイナンバーで購入履歴を記録し、ネット上で還付金を申請するというそれなりに斬新なアイデアでしたが、これをいちどは受け入れた公明党が支持母体である創価学会の反発で態度を翻し、酒類を除く飲料品の税率を8%に据え置くよう求めたからです。 これを受けてメディアでは、軽減税率の対象やインボイス(税額票)の功罪など、さまざまな解説がなされていますが、どことなく脱力感が漂うのは肝心なことを避けているからでしょう。 EU諸国など高率の消費税を課している国の多くで軽減税率が導入されていますが、政策を評価した経済学者らの結論は、「こんなバカなこと、やらなきゃよかった」です。消費税の欠陥として貧しいひとの実質税率が高くなる逆進性が指摘されますが、単純な軽減税率では高級材を買う富裕層の利益の方が大きくな

    軽減税率は「信者」のためのもの? 週刊プレイボーイ連載(217) – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2015/11/09
    正直に言って軽減税率は貧困層対策ではないよね。軽減税率は増税を許容するための社会的コストだ。ただ僕はそれは必要悪だと思っている。消費税率の更なる増税はいずれ必要になる。その下地作りのために必要なだけ。
  • ヨーロッパの難民は「理想」が生み出した 週刊プレイボーイ連載(212) – 橘玲 公式BLOG

    ヨーロッパにシリア、イラクなど紛争地帯からの難民が大量に押し寄せ、各地で混乱を引き起こしています。EU(欧州連合)は今後2年間で難民16万人を各国に割り当てる案を発表しましたが、中・東欧諸国を中心に反対論が根強く、議論は紛糾しそうです。 これまでの経緯を振り返れば、難民の発生は、シリアで反政府運動が高まりを見せた2011年1月にまで遡ります。シリアは少数派のアラウィー派が、独裁と秘密警察によって人口の4分の3を占めるスンニ派を支配する特異な政治体制で、ハーフィズ・アル=アサド前大統領は1982年、敵対するムスリム同胞団(スンニ派)の拠点ハマーの街を攻撃し、1万人から4万人とされる多数の市民を虐殺しました。現在のバッシャール・アル=アサドはその息子で、政権の中枢はアサド家をはじめアラウィー派で固められています。 シリア内戦はスンニ派対シーア派の中東諸国の代理戦争でもあり、イランが同じシーア派

    ヨーロッパの難民は「理想」が生み出した 週刊プレイボーイ連載(212) – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2015/10/05
    プーチンは冷酷なリアリストだ。一方のオバマは「米国のリアリズム」に反対できずその上に理想主義の衣を着る。それは似非理想主義だよ。一番の被害者はオバマに裏切られた人だろうね。彼らが一番血を流すことになる
  • 日本がなぜ戦争したかは、新国立競技場問題が教えてくれる 週刊プレイボーイ連載(206) – 橘玲 公式BLOG

    1923(大正12)年12月27日、国会議事堂に向かう皇太子(後の昭和天皇)の車が狙撃されました。犯人の難波大助は、父親が衆議院議員という山口県の名家に生まれた24歳の若者で、ステッキに仕込んだ散弾銃の銃弾は車の窓を破ったものの、同乗していた侍従長が軽症を負っただけで皇太子には怪我はありませんでした。 欧米のジャーナリストを驚かせたのは、事件よりもその後の出来事でした。 内閣総理大臣の山権兵衛はただちに辞表を提出し、内閣は総辞職しました。当日の警護の責任をとって警視総監と警視庁警務部長が懲戒免官となったばかりか、道筋の警護にあたっていた(事件を防ぐことはとうていできなかった)一般の警察官までもが責任をとらされて解雇されます。 難波の出身地の山口県の知事と、上京の途中に立ち寄ったとされる京都府の知事は譴責処分となり、郷里の村は正月行事を取り止めて「喪」に服しました。難波が卒業した小学校の校

    日本がなぜ戦争したかは、新国立競技場問題が教えてくれる 週刊プレイボーイ連載(206) – 橘玲 公式BLOG
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    the_sun_also_rises 2015/08/11
    先の戦争の敗戦の責任を追及する議論がないのが問題だと常々思っている。誰が開戦を決定したのか。日中戦争の拡大過程と対米参戦の実質的な決定権を持った者は誰だったか。けじめなくばまた敗戦の憂き目にあうぞ?
  • 安保法制問題に「どうでもいい」感が漂う理由 週刊プレイボーイ連載(205) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権が安保関連法案を衆院で強行採決し、野党が強く反発しています。衆院憲法審査会で自民党が推薦した憲法学者が「安保法制は憲法違反」と明言する“敵失”から法案の審議は迷走を始め、野党がそれを利用して違憲論争に持ち込み、安倍政権を窮地に追い込みました。 もっとも、与党が提出した法案を違憲だというのなら、どれほど“熟議”を重ねても合意に至るわけはありません。これは数で圧倒する与党を強行採決に追い込んで批判する“弱者の戦略”で、それが悪いとはいえませんが、野党にだって最初から議論するつもりなどなかったのです。 「戦争」だとか「徴兵制」だとか、いたずらに国民の不安を煽る言動も、政権奪還の気概を持つ(はずの)政党としては大人気ないかぎりです。こんなことでは、自民党と(永久護憲野党の)共産党の2つがあればいい、ということになってしまいそうです。 残念なのは、安保法制が違憲だとして、だったらどうするのか

    安保法制問題に「どうでもいい」感が漂う理由 週刊プレイボーイ連載(205) – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2015/08/03
    僕の意見もこれに近いよ。中国や露国や米国(日米安保がなくなれば米国も仮想敵だ)から単独で日本は国の防衛ができるとは僕には思えない。集団安保は必要だ。50年続く与野党の浮世離れした議論にはもううんざり。
  • 「同一労働同一賃金」が都合が悪いほんとうの理由 週刊プレイボーイ連載(201) – 橘玲 公式BLOG

    「相手の身になって考えてみよう」というのは、小学生でも知っている道徳の基です。これをちょっと難しくいうと、「自分の主張が正しいのは、自分が相手の立場になっても、その主張が正しいと納得できる場合だけだ」ということになります。 人種差別をするひとは、自分が外国に行ったときに、「お前は黄色人種だからあっちの汚いトイレを使え」といわれて、「わかりました! ひとを人種で差別するなんて、なんて素晴らしい社会なんでしょう」と素直に納得できなければなりません。こんな奇特なひとはめったにいないでしょうから、人種差別が正義に反することが普遍的なルールとして要請されるのです。 「同一労働・同一賃金」は日では労働制度の問題とされ、派遣法改正といっしょくたに議論されていますが、その質は「正義」にあります。 正社員と同じ仕事をしている派遣社員の給料が半分、というのはよく聞く話です。これを当然と思っているひとは、

    「同一労働同一賃金」が都合が悪いほんとうの理由 週刊プレイボーイ連載(201) – 橘玲 公式BLOG
    the_sun_also_rises
    the_sun_also_rises 2015/07/06
    僕は常々「解雇権の緩和」と「同一労働同一賃金の実現」を同時に行う必要があると主張しているがそれを拒む人々がいるのはなぜかこの記事で判ると思う。彼らの高賃金は非正規労働者と若年労働者の犠牲の上に成り立つ
  • 国家に母性愛を求めるのは気持ち悪い 週刊プレイボーイ連載(184) – 橘玲 公式BLOG

    以前のコラムで「自己責任は自由の原理」だと書きました。自己責任論を否定するあまり、「国家には国民の生命を守る義務がある」といいたてると、国家は国民の自由を制限するにちがいない、と述べたのですが、案の定、シリアへの渡航を計画していたフリーカメラマンに対し外務省がパスポートの返納命令を出す事態になりました。 この問題で不思議なのは、日ごろは「報道の自由」という錦の御旗を振りかざすマスメディアが妙に腰が引けていて、「国家権力の弾圧」を半ば容認していることです。 その理由のひとつは、マスメディアの“フリー”に対する蔑視でしょう。大企業の正社員である新聞やテレビの“ジャーナリスト”は、自分たちの権利が侵されるときには大騒ぎしますが、有象無象のフリーランスの「報道の自由」などどうなっても構わないと思っているのかもしれません。「報道」を独占するには、ヘンな人間が横からしゃしゃり出てくるのは邪魔なだけなの

    国家に母性愛を求めるのは気持ち悪い 週刊プレイボーイ連載(184) – 橘玲 公式BLOG
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    the_sun_also_rises 2015/03/02
    自由は行使するがその後始末は全て国の責任なんて都合のよい主張はダメだ。米国式に国から見捨てられることを承知で自由を行使するか国へ最大限の努力を求める代わり国の制限を受け入れるかどちらかを選ぶ必要はある
  • ISISの存在が突きつけるアラブ諸国の深刻な矛盾 – 橘玲 公式BLOG

    『マネーポスト』新春号に掲載された「ISISの存在が突きつけるアラブ諸国の深刻な矛盾(連載:セカイの仕組み第13回)を、編集部の許可を得てアップします。執筆時期は2014年11月です。 ************************************************************************ 内戦や紛争で統治が崩壊してしまったシリアとイラクでイスラーム系過激派組織が勢力を拡張している。 日のメディアは「イスラム国」と報じているが、この名称には問題がある。欧米はもとよりサウディアラビア(スンニ派)やイラン(シーア派)、さらには世界のムスリム(イスラーム信者)のほとんどがこの団体を「イスラーム」とも「国家」とも認めていないからだ。そこでここでは、欧米のメディアにならって「ISIS(アイシス)」と記すことにする。これは彼らの旧称である「イラクとシリアのイス

    ISISの存在が突きつけるアラブ諸国の深刻な矛盾 – 橘玲 公式BLOG
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    the_sun_also_rises 2015/01/30
    イランはアラブでないのでアラブ諸国という呼び方は正しくない。イスラム世界と呼びたい。その点を除けば総論は同意だ。イスラムが政教一致であることと現行の国家が世俗であるという矛盾にテロリストは付け込む。
  • ”進歩的”似非リベラルからまっとうなリベラルへ 週刊プレイボーイ連載(177) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権の特徴は好き嫌いがはっきり分かれることでしょう。「保守」「愛国」というイデオロギーを前面に押し出しているからで、自民党の福田政権や麻生政権、民主党の野田政権のような“無味無臭”とはかなり異なります。 欧米諸国もそうですが、イデオロギー対立が激しくなるのは、政党が政策で差をつけるのが難しくなったからです。消費税増税も、TPPへの参加も、原発再稼働も、安倍政権の進める政策の多くは民主党政権が決めたことです。日は1000兆円を超える巨額な借金(これは歴代の自民党政権がつくったものです)によって政策の選択肢がほとんどなくなっているので、誰がやっても同じようなことにしかできないのです。 今回の衆院選で野党は「アベノミクスの失敗」を攻撃しましたが、「2年で2%のインフレにして強い日経済を“取り戻す”」のが公約だとすると、その結果が明らかになるのは来年で、「失敗する前に選挙をやってしまう」自

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    the_sun_also_rises 2015/01/06
    進歩的と自称する原理主義的な左派が表に出ている間は左派の復活はない。僕は真っ当なリベラル=現実的な左派と思っている。左派はまず経済政策を立て直すこと。安保を対立軸にしてはならない。富の分配策を練るべき
  • 日本の自殺率は、長期的には高くなっていない 週刊プレイボーイ連載(115) – 橘玲 公式BLOG

    の年間自殺者数はようやく3万人を下回ったものの、自殺率(人口10万にあたりの自殺者数)でみれば、あいかわらずロシア・東ヨーロッパなど旧共産圏の国々と並んで世界でもっとも自殺の多い国になっています。「小泉政権のネオリベ的改革で経済格差が広がったからだ」といわれますが、こうしたわかりやすい説明はほんとうに正しいのでしょうか? 精神科医の冨高辰一郎氏は『うつ病の常識はほんとうか』で、「長期的には日の自殺率は高くなっていない」と論じています。 たしかに日の自殺者数は1900年の約1万人から現在の約3万人まで、時代ごとの増減はあるものの右肩上がりで増えています。しかしこれだけで、「日は自殺大国になった」と決めつけることはできません。元になる人口そのものが増えているからです。 1900年の日の人口は約4000万人で、現在は1億2000万人です。それを考えれば自殺者の実数が増えるのは当たり前

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    the_sun_also_rises 2013/09/24
    中高年に自殺が多いのは理解できる。そしてその自殺率を抑えるのに効果的と思われるのは景気をよくすることだ。グラフからは政策よりもその結果たる景気の影響が大きいことがわかる。誤った議論は止めたいものだ。
  • 人類史上、日本人だけがなしとげたスゴいこと 週刊プレイボーイ連載(104) – 橘玲 公式BLOG

    書店に行くと、「世界のなかで日はスゴい」というが並んでいます。これは中国韓国から、「戦争中に日はこんなにヒドいことをした」と反省を迫られていることの反動でしょうし、かつてはほんとうにスゴかった日経済がすっかり凋落してしまったことで、自信を失ったことの裏返しでもあるのでしょう。 しかしこれらのは、不思議なことに、人類の歴史のなかで日だけがなしとげたほんとうにスゴいことに触れていません。 1575年の長篠の合戦で、織田信長の鉄砲隊が武田勝頼の騎馬隊を殲滅したことは日史の教科書にも出てきます。このとき信長は1万の鉄砲隊を率い、そのうちよりぬきの3000人を3分隊に分けて川岸に配置し、川の手前で勢いの鈍る武田軍の騎馬隊に1000発の銃弾を連続して浴びせたのです。 ところが私たちのよく知る時代劇では、江戸時代の侍は腰に刀を差していて、銃器の類はいっさい持っていません。これが明治維新ま

    人類史上、日本人だけがなしとげたスゴいこと 週刊プレイボーイ連載(104) – 橘玲 公式BLOG
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    the_sun_also_rises 2013/07/01
    日本は比較的長い歴史を持つが内戦の頻度が少ないと思う。国内の治安の維持のための武器はほとんど必要がない。今でもそう。それは胸をはっていい。一方自国防衛のための武器は必須。開国の時は戦える武器がなかった
  • “俺”ではなく“俺たち”を自慢する日本人 週刊プレイボーイ連載(102) – 橘玲 公式BLOG

    アメリカの高校生にリーダーシップがあるかどうか質問すると、7割が「自分は平均以上」と答えます。大学教授を対象とした調査では、94%が「自分は同僚より優秀だ」と回答します。平均より優れたひとは半分しかいないはずですから、これは明らかにおかしな現象です。 心理学では、無意識のうちに自分を過大評価することを「平均以上効果」といいます。私たちの住む世界では、ほとんどのひとが平均以上に知能が高く、平均以上に公平で、平均以上に車の運転がうまいのです。 自分に根拠のない自信を持つ傾向は、「ポジティブ・イリュージョン」として知られています。といっても、“幻想(勘違い)”なんだから矯正すべきだ、といいたいわけではありません。 子どもに対して「もっと現実を直視しなさい」と説教する親や教師がいますが、自己評価と他者の評価が一致している、すなわち“勘違いしていない”ひとの典型はうつ病患者です。あらゆる出来事をネガ

    “俺”ではなく“俺たち”を自慢する日本人 週刊プレイボーイ連載(102) – 橘玲 公式BLOG
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    the_sun_also_rises 2013/06/17
    「俺たち」を自慢するために利他的な価値観を持ち社会全体でWin-Winの関係を作り上げられればそれは非難するどころか賞賛に値する。日本人のメンタリティを否定しても意味が無くその上でどう役立てるか考えるべきだ。
  • “ネオリベ化する福祉国家”オランダから日本の未来が見えてくる – 橘玲 公式BLOG

    『マネーポスト』の2013年新春号に書いた記事を、編集部の許可を得て転載します。日ではあまり馴染みのないオランダの政界の話ですが、非常に示唆的です。 なお、文でも述べていますが、この記事の元ネタは水島治郎氏の『反転する福祉国家 オランダモデルの光と影』で、これはヨーロッパの政治状況を考えるうえでの必読書です。 ************************************************************************ 今回は、オランダの政治について書こうと思う。 おそらく、この一行だけで読む気をなくしたひともいるだろう。でもこれは日でいま起きていることを知るうえでたいへん興味深い話なので、しばしおつき合い願いたい。 オランダは、売春とマリファナを合法化した国として有名だ。アムステルダムのホテルに泊まると、各部屋に観光協会の小冊子が置いてあって、そこ

    “ネオリベ化する福祉国家”オランダから日本の未来が見えてくる – 橘玲 公式BLOG
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    the_sun_also_rises 2013/03/07
    オランダ式の強制的な勤労義務とワークシェア&同一職務同一賃金は検討に値する政策と考える。これらは表裏一体の政策。残念ながら日本では左右とも片方しか主張しない。それは片手落ち。両方相まって成り立つもの。