自動車業界全体の好調ぶりは皆さんご案内の通りだと思います。しかし手放しで喜べないのは、国内市場での売り上げが伸び悩んでいる点でしょうか。特に将来の市場を担うべき若者のクルマ離れが進んでいることが業界に暗い影を落としているのです。特に都会でこの傾向が顕著なのだとか。「周囲の若者はみなクルマ好き」という環境で育った私のような中年世代には、とても違和感のある話ですが。 まず、この話が本当なのかを調べてみました。下図は、社団法人日本自動車工業会が調査した「乗用車市場動向調査」のデータを基に一部加工したもので、年齢層別に自動車の非保有率を調査し約10年間の変遷を追いかけたものです。 年齢が上がるに従って自動車の保有率は上がってきます。これは経済的な問題でしょう。30歳を越えるころから以後は、年代に関係なく同じような振舞いを示しています。一方で、ここ10年間、明らかに若年層の保有率が下がりつつある結果