医療機器を今後の有望な市場と位置付けるエレクトロニクス・メーカーが増えている。が,医療機器開発には他の機器にはない独特の難しさがある。例えば,適用先が基本的に患者のため,開発時のテストや試験の機会が限られる。機器メーカー側では,各種特性の数字を上げることはできても,それが臨床でどれだけ意味のあることなのかは,すんなりとは分からないこともある。ユーザーの声を聞くのは,どんな機器開発でも重要だが,医療機器では,特にそう言える。機器を使う医者と,機器を開発するエンジニアが,臨床で役立つ機器を開発するために手を組むことが,医工連携である。 今回,この医工連携の重要性や実例について,3名の基調講演者が語った。3名は,山梨大学医学部 救急集中治療医学講座 教授の松田 兼一氏,千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター名誉教授・特任教授の三宅 洋一氏,日立製作所 中央研究所 ライフサイエンス研究