ドアホン専門の韓国メーカー・COMMAX社のパク・スマン課長(36)は昨年6月、ロシアから来た電子メールにがくぜんとした。 「お宅の会社のテレビドアホンを買ったが、ひと月に5回も故障した。一体何だってこんな製品を作っているんだ」。会社中が大騒ぎになった。世界50カ国に輸出を行っており、「品質は最高」と自負していたからだ。 翌日、現地に急きょ派遣された社員が国際電話をかけてきた。「課長、“ニセモノ”です。うちの製品がコピーされました」。ロシアの消費者が同社のものだと信じて買った製品は、中国メーカーがデザインや商標をコピーして作った偽物だった。中を開けてみたら回路基板までまったく同じだった。こうした製品が数千台、ロシア市場に流れたのだ。同社は問題の製品を「本物」に交換した。パク課長は「わたしたちも被害者だが、ブランドのネームバリューを守るためにアフターサービスをした」と話す。このように同社