2011年10月上旬から発生した大規模洪水は、タイに多大な被害を及ぼしている。タイは、ASEAN諸国の中で最も日系メーカーの進出が多い国であり、多くの工場も建設されている。現在、多くの工場が操業停止となり、洪水の被害が長期化すれば、それほど日本の製造業は打撃を受けることになる。このページでは、タイの洪水に関連する情報を、できるだけ正確にお伝えしていきたい。
2011年10月上旬から発生した大規模洪水は、タイに多大な被害を及ぼしている。タイは、ASEAN諸国の中で最も日系メーカーの進出が多い国であり、多くの工場も建設されている。現在、多くの工場が操業停止となり、洪水の被害が長期化すれば、それほど日本の製造業は打撃を受けることになる。このページでは、タイの洪水に関連する情報を、できるだけ正確にお伝えしていきたい。
「あなた方が書いた、『敵か』という表現について、ずっと根に持っていたんだ」。 iPhone、iPad、Playstation 3、Wii、Kinect…。人気のデジタル機器の製造を数多く手がける世界最強のEMS、台湾Hon Hai Precision Industry(鴻海)社 董事長の郭台銘(Terry Gou)氏は先日、我々の取材の中でこう漏らしました。 2010年度の連結売上高は8兆円を超え、従業員数は100万人。巨大企業を率いるこのカリスマ経営者は、めったにマスメディアの取材を受けないことで有名です。「台湾の新聞社の取材は今年一件も受けていない。米国の大手メディアの取材も2〜3年に一度」(Hon Hai社幹部)。世界のエレクトロニクス業界のキーパーソンでありながら、その素顔はベールに包まれています。 そんな同氏が来日を機に、わざわざ我々の取材依頼に応えてくれたのは、弊誌が2006年
「核高基(hé gāo jī、ホーガオジー)」という中国の国家プロジェクトをご存じでしょうか。 近頃、中国といえば「中国版Internet of Things」、「中国版スマートシティ」、「中国版ユビキタス」などと形容される「物聯網(ウーレンワン)」がもっぱらの注目ですが、この核高基もそれなりに注目すべき動きのように思います。 「核」という文字を日本人が見ると、どうしても「nuclear」関連を思い起こしてしまいますが、核高基というのは中国の情報技術関連の国家プロジェクトの名称です。2006年に中国国務院が構想を発表し、2009年から政府の工業和信息化部の主導により実際のプロジェクトが始まりました。予算は2020年までの総額で300億元(約4000億円)以上と、かなりの規模です。年間では、30〜40億元(約400億円)といったところのようです。 それで核高基で一体、何をやっているのかですが
日経エレクトロニクス誌の2011年4月4日号で、「電機産業の未来」と題した特集を掲載します。今号で創刊40周年を迎え、日経エレクトロニクスにとって節目の号となります。電機業界は今後どうなるのか、どうするべきかについて、いくつかのテーマを設けて弊誌なりの視点でまとめました。今回私は電機業界の研究開発の在り方というテーマで関わり、本ブログでは、そこで取り上げた建機メーカーのコマツを紹介します。 エレクトロニクス雑誌でなぜ建機メーカーなのか。もちろん理由があります。最近の電機業界で研究開発の方針を聞いたり、眺めたりしていると、多くの企業が研究開発機能の海外強化を掲げます。そして、世界中の技術者や研究者を集めたい――そんな考えを述べるCTOに多く出くわします。もちろんそれを否定するわけではないのですが、ただ、新興国をはじめとした海外市場の成長ぶりに目を奪われるあまり、足元の日本をおろそかにしてはい
米国で,電力送電網インフラの高機能化に向けた取り組みが活況を呈しています。通信/IT技術を駆使して,電力網で,「スマートグリッド」と呼ばれています。米国の電力事業者のみならず,通信およびIT関連メーカーから大きな期待を集めています。 一方で,日本の国内市場においては,「スマートグリッド」に対する見方は若干異なります。電力事業の関係者からは,「日本にスマートグリッドは不要」との声すら上がっています。この温度差の背景には,一体何があるのでしょうか。 米国では必要だが… 「日本にスマートグリッドは不要」と言われる理由の一つは,日本の電力網が,既に高度な通信機能を備えており,補修や機能増強なども継続的に行なわれてきたという点にあります。米国の電力網では,センサやネットワーク制御機能などが未整備な部分が多く,それが停電などの障害時における復旧時間を長くさせる要因になっています。 この点が,日本と米国
2009年10月末,オーストラリアでエコ・カー・イベント「Global Green Challenge」が開催されました。この大会で,シャープ製の太陽電池を搭載した東海大学のソーラー・カー「Tokai Challenger」が活躍したことは,いろいろと報じられていますので,ご存じの方も多いと思います(Tech-On!関連記事)。実はこの大会には,一部のエレクトロニクス技術者や自動車業界の技術者の注目を集めた「Deep Green Research号」というクルマも参加していました。 Deep Green Research号は,ホンダの「シビック」をベースに,Liイオン2次電池を搭載するなどした電気自動車。このクルマの大きな特徴は,大部分のはんだ接合部にPbフリーはんだを使ったことです。「エコ・カー」のイベントですから,接合材料をPbフリー化することも,もちろんウリの一つになるわけです。日本
先週のFPD業界は,台湾Innolux Display Corp.が台湾ChiMei Optoelectronics Corp.(CMO)を吸収合併するというニュースに揺れました(Tech-On!関連記事1)。事業規模から見れば,吸収する側は吸収される側の約1/7に過ぎません。Innoluxの親会社である台湾Hon Hai Precision Industry Co.,Ltd.の事業戦略の一環に組み込まれた出来事であることは,明らかです。そして大型液晶パネルの金額ベースでの世界シェアが第4位で,シャープの2倍以上の量の液晶パネルを生産しているメーカーが,世界最大のEMSのグループに吸収されたわけですから,電子業界に何も起こらないはずがありません。 これまでにもCMOに関しては,同業種である台湾AU Optronics Corp.との事業統合の噂が浮かんでは消えてきました。今回のInnolu
この間、道端に停まっている日産自動車の510型「ブルーバード」を見ました。それを見てちょっと驚いたのは「こんなに小さかったっけ?」ということです。寸法を調べなおしてみると、全長4095mm、全幅1560mm、全高1420mm、ホイールベース2420mmという小ささです。ホンダの「フィット」が全長3900mm、全幅1695mm、全高1525mm、ホイールベース2500mmなのに比べると、全長以外の寸法はすべてフィットが大きいことが分かります。単純に全長×全幅×全高の“体積”で比べると、ブルーバードのほうが1割ほども小さいのです。 車格でいえば、フィットは2クラスほど下のクルマ。それが寸法上ではブルーバードより大きいというこの事実を見れば、ブルーバード510が登場した1967年以降の40年間で、クルマがいかに大きくなってきたかが分かるというものです。ブルーバード510といえば、米国で日産自動車
日本の電機メーカー各社が発売するLED電球が出そろいました(下掲の関連記事)。これまで照明の製品発表は,どちらかというと地味な印象でした。しかし,さすがに百年に一度と言われる照明技術の変革。テレビ・カメラが何台も並ぶ大々的な製品発表会を開催したり,新聞の見開き広告の掲載したり,各社ともさながら“LED電球祭り”と言えるような力の入れようです。各社の照明担当者は,入社して以来経験したことのないような高揚感を感じていることでしょう。 さて,2009年6月の「シャープの約4000円のLED電球の発売」というセンセーショナルな発表によって開始の号砲が鳴ったLED電球祭り。各社の製品の訴求点を比較すると,早くも高付加価値競争の色彩が出てきているように思えます。いわく,「業界最高の省エネルギー性能」,「全光束で白熱電球と同等の明るさにする」,「2009年上期で359機種を発売しており2009年下期には
「ネットブックは“価格キラー”というイメージがすっかり定着してしまった。米Intel社はどうやらこれを嫌っているらしい」。台湾のある大手ODMメーカーの幹部は,電話口でこう言いました。 日経エレクトロニクス2009年7月27日号の特集「ネットブック 第二幕」の取材を進める中で,パソコン業界の多くの方からこれと同じような話を聞きました。つまり,今となってはパソコン業界唯一の成長株であるネットブックに対して,その言葉の生みの親であるIntel社が「市場の思わぬ急成長に困惑している」というのです。 一般には,ネットブックという製品ジャンルは大成功を収めたと評価できるでしょう。何しろ,台湾ASUSTek Computer社が最初にネットブックを発売した2007年の世界市場は数十万台程度でしたが,2009年には2000万台を大きく超えるほどにまで市場が拡大しているからです。 しかし,Intel社が手
これこそが「同質競争」だ――。 2009年4月のことである。日経エレクトロニクス最新号である6月15日号の特集「中国流イノベーション ―モノマネ,侮るべからず―」の取材の一環として,出展者数ではアジア最大級の電子機器見本市「Hong Kong Electronics Fair (Spring Edition)」を訪れた。 巨大な展示場の数フロアにわたって約3000社が出展する会場内を歩き続けていると,次第にめまいがしてくる。各社の小さな展示ブースに所狭しと並べられているのは,携帯型メディア・プレーヤーやデジタル・フォトフレーム,車載情報機器などのデジタル民生機器や,調理用家電などの白物家電,照明器具といった,ありとあらゆる電子機器である。 ブースや製品の数があまりに多いことだけで圧倒されてしまうのに,さらに1日中同じことを延々と繰り返さなければならないのが,めまいがしてくる原因である。会場
いきなり私事で恐縮ですが,昨年夏,自宅に「ロボット」を招きました。ロボットといっても2足歩行するタイプでなく,床を這い回る円盤型の「お掃除ロボット」です。米メーカー製で価格は数万円。本当に機能するかどうか分からない段階でのこの値段はずいぶん高価に思えたのですが,ある家電量販店のポイント・カードにたまったポイントを急いで消化する必要性に迫られ,「エイヤ!」と衝動買いしてしまいました。 衝動買いはたいてい後悔するものですが,今回は違いました。想像以上にうまく機能し,床を掃除する必要性が劇的に減ったのです。実際,ボタン一つ押すだけで,部屋はもちろん,台所や洗面台の複雑な間取りをくまなく動いて掃除してくれます。ロボット自身が部屋や廊下の形を自律的に学習し,どこをどれだけ動いたかを把握しているようです。そして,多少の障害物は乗り越えて進み,掃除が終わると自分で充電器に戻ります。掃除の後,ホコリはほと
米Chrysler社の敗因は「SUV(スポーツ多目的車)に力を入れすぎたこと」というのが定説だ。確かにそうとも言える。しかし、ビッグスリー(米自動車大手3社)はいずれも同じことをした。Chryslerだけの敗因とは言いにくい。Daimler Benz社とくっついたり離れたりも敗因とは言えない。痛い目に遭ったのはDaimler Benzの方だ。 別の話をしたい。「Neon」の3段自動変速機である。あの件が象徴する“真面目さ”が、節目節目でChryslerの足を引っ張ったのではないか。 1994年、Chryslerは小型車「Neon」を発売した。96年、日本への輸出が始まった時には「日本車キラー」として恐れられた。当時、日本での価格が最低130万円で、トヨタ自動車の「カローラ」とほぼ同じ。「ガイシャは高い」のが常識だった日本市場で「Neon」は価格破壊の象徴だった。 Chryslerは「Neo
ジュネーブモーターショーの取材でスイスに来ています。正確には、スイスとの国境に近いフランスのFerneyという町のホテルの部屋で、今この原稿を書いています。ジュネーブモーターショーの様子はすでにニュース記事でお伝えしていますので、ここでは、ショーで出会った日本人の青年について書こうと思います。 私が日本人ジャーナリストと話をしているところに話しかけてきたのが、その彼でした。聞けば、中国の自動車メーカーでデザイナーとして働いており、オフィスはイタリアにあるということでした。デザインの現場にはほとんど中国人はおらず、普段はイタリア語で仕事をしているそうです。 彼の経歴は変わっていて、もともとはクルマにもイタリアにも興味はなかったとか。欧州を旅するうちにイタリアが気に入り、手に職をつけようと思って、イタリア語もロクにできないのにデザインの専門学校へ。そしてイタリアにデザインオフィスを開いた中国企
各地の風景をリアルタイムで見られるライブカメラは,インターネットの普及当初から人気を集めてきた。その中で最近,私が気になっているのは,富士山でもパリの街角でもない。北極の氷である。米University of Colorado付属の研究所,米NSIDC(National Snow and Ice Data Center)や米NASAなど複数の機関が,ほぼリアルタイムで北極の氷の人工衛星などによる観測結果をWebで公開している。 その報告を見ていて心配になるのは,北極の氷が減少しているという事実である。そういうと,読者の方は「また地球温暖化問題か,耳にたこだ」と思うかもしれない。実際,1年ほど前にも北極の氷の件は一般のメディアでも「白熊の危機」などと話題になった。ただ,「耳にたこ」と思っている人の中に,具体的な観測結果について自分で調べてみた人はどれぐらいいるだろうか。マスメディアの報道は多
「最初はiPhone用のアプリケーションを提供しますけど,今後は携帯機器自体を開発したいと思っています」。大学で哲学を専攻したという異色の経歴を持つ彼は,真剣な眼差しでこう言いました。 彼とは,頓智・(とんちどっと,と読む)という変わった名前のベンチャー企業を経営する社長の井口尊仁氏です。既にご存知の方も多いと思いますが,頓智・が開発している「セカイカメラ」というiPhone向けアプリケーションは,2008年9月に開催された「TechCrunch 50」(米IT系情報サイトTechCrunch主催)というカンファレンスで大きな話題となり,一躍メディアやインターネットのコミュニティで注目の的になりました。つい先日は,フランス・パリで開催された国際フォーラム「世界を変えるインターネット技術10」で,10選の一つに選ばれています。 アプリケーションの正式公開はまだだというのに・・・。 セカイカ
「表示機能を省いた、低コストのカーナビを実用化して欲しい」━━国土交通省と主要完成車メーカーが2009年1月末に実施した車車間通信システムの実証実験で、軽自動車メーカーのスズキの技術者が述べています。 カーナビといえば、モニターがあるのが普通で、純正品であれば20万〜30万円するものもあります。最近普及している、価格を10万円未満に抑えたPND(パーソナル・ナビゲーション・デバイス)でさえ、小型の画面を備えています。 車車間通信システムの実験はこれまで、クルマとクルマの通信が確実に確立できるかどうか、に注目が集まっていました。2010年度を目標とした実用化が迫った現在、自動車メーカーにとっては、コストをかけずにシステムを搭載する手段を探る段階にきています。特に軽自動車メーカーにとってコストの問題は重要です。 車車間通信システムは、前提としてGPSの機能と道路形状を把握するための地図情報を
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