雲のない日、太陽が昇る前か、沈んで間もないころの空を眺めてみてほしい。はるか上空に、太陽の光を浴びて輝く人工衛星をみつけられるかもしれない。 ハッブル宇宙望遠鏡も、そうした人工衛星の1つだ。600キロメートル上空の軌道を、星と同じくらいの明るさでゆっくりと進んでいる。大気の揺らぎのせいでもたついて見えるが、実際には一定のスピードで回っている。そもそも、このように大気の揺らぎによって像がゆがむのを防ぐため、ハッブル宇宙望遠鏡は大気圏の外へ打ち上げられた。 だが、打ち上げをめぐっては、本当にもたついた。打ち上げ予定は何年にもわたってたびたび延期されたうえ、ようやく打ち上げに成功したかと思えば直後に欠陥が見つかり、スペースシャトルの乗組員に修理してもらう始末。それでも、繰り返し改良が加えられた結果、ハッブル宇宙望遠鏡は世界有数の“科学の道具”に進化した。 ハッブルが送り届けてくれる画像を通して宇