ニュースサイト「ナタリー」は、音楽・お笑い・コミックの3ジャンルにわたるエンタメ情報が満載の、月間3000万PVを超える巨大サイトである。特に音楽の分野はニュースやインタビュー記事などを含め国内ナンバーワンの情報量を誇り、音楽ファンにとって貴重な情報源だ。 そのナタリー創業者である大山卓也氏が、本人いわく「最初にして最後の著書」、『ナタリーってこうなってたのか』を双葉社より発売した。発売早々、カルチャーファンやメディア業界の人々の注目を浴び、一時はAmazonで欠品が続くなど品薄になる事態も発生した。 本書では、もともと雑誌の編集部出身であることを含めた自身の生い立ちから、ナタリー立ち上げの経緯、決して順風満帆ではなかった時代を経て、どうやって国内ナンバーワンのカルチャーメディアに育てたのか、その哲学と美意識が描かれており、今回、それを初めて一冊にまとめて振り返った形だ。 プロローグでは、