永沢徹(弁護士) 【第41回】 2008年08月08日 『名ばかりMBO』のツケ? 退任要求された「すかいらーく」創業社長 ――“創業者一族の都合”による、安易なMBOに警鐘 外食チェーン大手「すかいらーく」の横川竟(きわむ)社長が、大株主である投資ファンド2社から業績不振を理由に退任要求を突き付けられている。これに対し横川社長は退任を拒否。徹底抗戦の構えを見せたことで、両者は完全に対立。さらには同社の労働組合まで社長退任を支持する事態にまで発展した。ついには、8月12日に開催される臨時株主総会で、社長解任が実行される見通しとなっている。 なぜこのような事態に陥ってしまったのか――。まずは、横川社長と大株主の投資ファンドの関係について説明しよう。 横川竟氏は、創業者である「横川4兄弟」の1人。1962年、同社の前身である「ことぶき食品」というスーパーからスタート、1970年にすかいら