出版状況クロニクル46(2012年2月1日〜2月29日) 出版業界は失われた15年を通じて、一万店を超える書店を始めとして、多くの出版社やいくつもの取次も失い、8500億円に及ぶ出版物販売金額のマイナスを見てしまった。 しかしこれは本クロニクルで繰り返し言及しているように、日本だけで起きている異常な事態であり、出版危機と同時に日本の文化的危機の表れとも見なしうるだろう。 それなのに大手新聞も出版業界紙も、マス雑誌やリトルマガジンも、経済誌、思想誌、文芸誌も、この事実に正面からふれようとしない。ジャーナリズム、文学、思想などのあらゆる表現の根幹に横たわる最も重要な問題だというのに。 『週刊東洋経済』(2/11)が「流通サバイバル」特集を組み、百貨店、スーパー、コンビニ、ショッピングセンターなどをめぐる最前線の状況をレポートしているが、出版業界についてはアマゾンに関する言及が見られるだけで、そ