第10回:楽譜のボキャブラリ - MusicXML 著者:岸 和孝(JAGAT客員研究員) 今回は,今までと趣きを少し変えて楽譜のボキャブラリについてお話しします。音楽と言えば,筆者は聞き流す程度で演奏や作曲は全くできません。したがって,この話には余り自信がありませんが,何とか説明することにいたしましょう。 MIDIとSMDL 音楽とコンピュータの関係は1970年代末から始まっており,実に多くの様々な楽譜の表現形式が開発されています。中でも,コンピュータによる自動演奏を目的としたMIDI(Musical Instrument Digital Interface)はよく知られています。MIDIデータは,当時のコンピュータの低い能力を考慮してバイナリーで表わされており,シンセサイザやシーケンサといったMIDI装置を駆動します。MIDIは演奏を主目的としていますので,楽譜の表現能力は十分ではあり