校長の仕事(16) ― 「美の根源は自然の中にある」 2004年11月09日 金曜日の一時限目の授業で、「美の根源は、自然の中にある」なんてことがサブテキストに書いてある授業に出会った。WEBデザイン科の授業だった。 本当かよ? と思いながら少し聞いていたが、もうその箇所は通り過ぎていて、「美は何も高級な芸術や美術館にあるだけではなく、普段の街中のあらゆるところに潜んでいる。ちょっと君たちが注意をすればいくらでも発見できる」としごくまっとうな話に進んでいた(これは先の「自然の中にある」というテーゼと実は矛盾しているが)。 しかし、「美の根源は、自然の中にある」は気にくわない。それは、私はそう思わない、という意味で気にくわないというのではない。美とは何か、というのは美術館の“高級な”美であれ、普段の美であれ(どちらも同じ「美である」ことに変わりはない)、長い間、問われ続けてきた問いだからだ。