憎むのでもなく、許すのでもなく ユダヤ人一斉検挙の夜 著者:ボリス・シリュルニク 出版社:吉田書店 ジャンル:歴史・地理・民俗 憎むのでもなく、許すのでもなく ユダヤ人一斉検挙の夜 [著]ボリス・シリュルニク 東アジアで国家がいま、政治の道具として語る戦争に辟易(へきえき)していたとき、この本に出会った。個人にとっての戦争には、心の傷とたたかう無数のなまなましい物語がある。 著者はフランス生まれのユダヤ人で、精神科医。本書は、1944年、6歳半で強制収容所へ送られる直前に逃げ出してから、長く続いた心の「戦後」を乗り越えるまでをつづった自伝である。 ポーランド出身の両親は、ドイツに協力したビシー政権下にあったフランスの警察に捕らえられ、アウシュビッツ収容所に送られて亡くなった。彼自身も、食堂の大鍋や輸送中のジャガイモの袋に隠れて非常線を突破し、終戦まで農場や学校の校舎に潜んで生きながらえた。
![「憎むのでもなく、許すのでもなく ユダヤ人一斉検挙の夜」書評 心の「戦後」を乗り越えるまで|好書好日](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/62270c12c5296bc480106dcabcc2f07035b179db/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fp.potaufeu.asahi.com%2Fbook%2Fimg%2Fcommon%2Flogo_ogp.jpg)