あかんやつら―東映京都撮影所血風録 [著]春日太一 血風録という芝居がかった副題と、表紙の写真に使われた犬吠埼の派手に砕け散る白波が内容をよく表している。本書は65年に及ぶ太秦の東映京都撮影所の歴史を綴(つづ)ったものだが、著者の狙い通り、水滸伝さながらに豪傑映画人たちが躍動する読み応えある歴史絵巻に仕上がっている。 東映といえば時代劇。同社は戦後間もなく中村錦之助らスターを前面に押し出し黄金期を迎えた。ところがその後、時代劇は凋落(ちょうらく)。すると次は任侠(にんきょう)映画、それが落ち目になると今度は『仁義なき戦い』などの実録ヤクザ映画と当たりそうな路線に次々と鞍替(くらが)えしていった。粗製濫造(そせいらんぞう)で節操も何もなかったわけだが、しかしそれは映画とは大衆娯楽に徹すること、高尚や前衛はクソ食らえという反体制的なエネルギーが満ち溢(あふ)れていたことの裏返しでもあった。ヒロ
紙面で読む「アマ・ガールズ」のワンシーン=1959年発行の書籍「Walt Disney’s People and Places」から じぇじぇじぇ、あまちゃんがオスカーを獲得していた――。半世紀以上前、ディズニー・アニメの米国人監督が、日本で「海女」の映画を撮っていた。その名も「アマ・ガールズ」。アカデミー賞にも輝いたが、撮影場所やヒロインなど多くが謎に包まれている。 ■撮影の場所やヒロイン不明 アマ・ガ… 続きを読む最新トップニュースこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする(会員の方)無料会員登録はこちら朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら関連記事(声)東北は「かっけー」と気付く10/3扉9/29〈ロイター〉トロント映画祭で「風立ちぬ」上映へ、オスカー有望作品もプレミア8/21海潜る頑丈な肺、日々の笑いが支える 大向広子さん8/1レコメン
「凶悪」 ■評:「先生」に狂わされた男たち 【柳下毅一郎・映画評論家】「親から受け継いだ土地にあぐらをかいて借金まみれ、そんなどうしようもない老人が次から次へあふれてくる。そいつらを殺すだけでお金がどんどん転がりこんでくる。まるで油田だよ」 “先生”と呼ばれる男(リリー・フランキー)はそう独りごち、次々に老人を消して土地や保険金を巻き上げていく。憎しみもなければ病的な興味もない。ただ、そこに金があり、その邪魔になっている老人がいるから殺す。きわめて合理的な、淡々とした殺人。それはどんな猟奇殺人よりも恐ろしくおぞましいものだ。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする(会員の方)無料会員登録はこちら朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら
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