ホメロスに引き続き、読んだことなかったクラシックに触れるシリーズで『白鯨』を読んだ(書影は岩波文庫の新訳版ですが、読んだのは古い方の阿部知二訳)。この本については読む前から「モビィ・ディックがなかなかでてこない」「クジラに関する博物学的な記述に溢れてる」「すげえ脱線しまくる」という情報は知っていた。もはや「エイハブ船長とモビィ・ディックの死闘のイメージを持たれがちだが、実はそうじゃない」ということが周知されているから「エイハブ船長とモビィ・ディックの死闘のイメージを持つ人」が少なくなっているんじゃないだろうか。で、読むのがキツそうだな、と思って読み始めたんですよ。でもさ、意外に(?)面白くてビックリしちゃったね。いや、普通に面白いじゃんか、『白鯨』、なんだよ、ビビらせないでよ、と思っちゃったわたしである。 特に序盤、語り手がイシュメイルが捕鯨船に乗るまでの話。イシュメイルが刺青だらけの南方