「代替医療のトリック」(新潮社)について書いたところ、ネット上で「問題は医療現場だけでなく報道にもある」とコメントをいただいた。同書の著者が問題とするのは、(1)確証のない代替医療を肯定する報道、(2)医療のリスクをあおる報道だ▲この手の報道がある以上、私は「誤った知識」の拡散の防ぎ方を考えたい。ネットには専門家も参加し、記事の科学性が活発に議論される。そうした議論に応えたい。記事が変わる余地は大いに残っている。【石戸諭】
「代替医療のトリック」(新潮社)について書いたところ、ネット上で「問題は医療現場だけでなく報道にもある」とコメントをいただいた。同書の著者が問題とするのは、(1)確証のない代替医療を肯定する報道、(2)医療のリスクをあおる報道だ▲この手の報道がある以上、私は「誤った知識」の拡散の防ぎ方を考えたい。ネットには専門家も参加し、記事の科学性が活発に議論される。そうした議論に応えたい。記事が変わる余地は大いに残っている。【石戸諭】
◇日本での摂取量少なく 消費者に誤解も マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸が、心臓疾患などのリスク要因として注目されている。消費者庁が、その情報開示のガイドラインづくりに乗り出した。ただ、たんぱく質、炭水化物など基本的な栄養成分の表示さえ義務化されていない。その段階でなぜ、トランス脂肪酸だけが優先されるのか。「まずは栄養成分の表示を」という声が専門家らから出ている。【小島正美】 トランス脂肪酸は、マーガリンのほか、菓子パン、クッキー、ドーナツ、ケーキ類などに多く含まれる。サクサクした食感が出るメリットがある。ただ、欧米ではとり過ぎると悪玉コレステロールが増え、動脈硬化など心臓疾患のリスクが高くなるとの報告がある。03年、WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)の合同専門家会議が示した目安がある。「1日の総エネルギー摂取量に占めるトランス脂肪酸の比率を1%未満に」 * では、日
科学ライター、サイモン・シンらによる「代替医療の真実」(新潮社)を読んだ。多くの研究を基に代替医療に大した効果がないという指摘は予想通り。印象に残ったのはなぜ、流行してしまうのか、という点だ▲結局、現行医療に対する不信感の裏返しなのだ。医師が十分な説明をする時間が取れず医療への不信感が増す。これは日本でも同じ。「がんに効く水」を笑うだけでは問題は済まされない。代替医療の流行こそが“医療問題”だと思う。【石戸諭】
09年度県高校読書感想画コンクール(県高等学校図書館研究会、毎日新聞静岡支局主催)の表彰式が15日、静岡市駿河区の県男女共同参画センター「あざれあ」で開かれ、21人が受賞した。 今回は、県内16校から282人が応募した。最優秀賞には、浜松江之島高3年、加藤優さんの「クラウディアの愛」と、沼津西高1年、勝又美帆さんの「水と共に」が選ばれた。加藤さんは高校1年生当時から3年連続の受賞となった。 加藤さんは「クラウディアの祈り」(村尾靖子著、指定読書)を読み、シベリアの大地の寒々しさと、登場する男女3人の温かな人間味を鮮やかな色彩の対比で表現。「3年間で自分も変わり、今年は人間の感情をより意識して作品作りに取り組んだ」と話した。 勝又さんが読んだのは「水は答えを知っている」(江本勝著、自由読書)。水色の地球を抱いた女性を描くことで、生物に欠かせない水の偉大さを表した。「自分の伝えたかった思いを、
ミカンに「ありがとう」「死ね」と話し掛け、変化の有無を観察する「言霊(ことだま)大実験」が昨秋、県南地域の中学校であった。言葉の大切さを考える道徳学習だという。 対象はビンに入れた3個のミカン。約2カ月後、生徒から悪い意味の言葉を掛けられた方が腐り始めた。良い言葉の方は変化なし。発案した教諭、そして多くの生徒が「言葉が伝わったのでは」と思ったという。 言霊とは、言葉が霊的な力を持つという信仰だ。そして人は、古くから森羅万象に魂が宿ると信じてきた。位田晴久・宮崎大学教授(野菜園芸学)は「園芸作物を育て、心の癒やしや安らぎを得る効果は間違いなくある。若い世代が事実の検証を重ねて不思議な現象を明らかにすることに期待したい」としたうえで、「植物に人間の言葉の持つ意味を理解する器官は確認されておらず、現時点で真理として教えるのは適切ではない」と指摘する。 大阪大の菊池誠教授(物理学)も「ミカンはただ
「わさび抜きは珍しい注文とは感じなくなりました」と話す小川店長(左)=東京都渋谷区の「すしざんまい渋谷東口店」で、藤田祐子撮影 ◇すしはサビ抜き、低刺激のミントガム… 辛いもの、苦いものを敬遠する若者が増えているという。すし店では、わさび抜きを注文する若者が目立ち、眠気覚ましのガムも刺激を抑えた商品が発売されている。子どものころから味覚や嗜好(しこう)があまり変わらず、「大人の味」が苦手な若者が増えているようだ。【藤田祐子】 「『サビ(わさび)抜きで』という注文をよく受けます。ここ数年、多くなったという印象です」 東京都渋谷区の「すしざんまい渋谷東口店」の小川誠一郎店長(38)は話す。JR渋谷駅前の繁華街で24時間営業し、若い世代を中心に1日300人を超す来客がある。サビ抜きをリクエストするのは「圧倒的に20代の若い方で、特に女性が目立つ」という。 わさびのピリッとした刺激があってこそ、す
07年の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)と1964年の全国テストを社会環境を加えて分析したところ、学力を左右する要因として離婚率▽持ち家率▽不登校率--の3指標の比重が高まっていることが、大阪大などの研究グループの調査で分かった。いずれも家庭、地域、学校での人間関係の緊密さに関連する指標で、研究チームは「年収など経済的要因よりも、人間関係の『つながり格差』が学力を左右する傾向にある」と指摘。子どもの生活基盤を支える指導の重要性を再認識させる結果として、注目を集めそうだ。 大阪大大学院人間科学研究科の志水宏吉教授(教育学)の研究室が、両テストの小学6年と中学3年の国語・算数(数学)の都道府県別正答率と、国勢調査など統計データを分析。年収など各指標ごとに学力に影響する度合いの強さ(相関係数)を比較した。 それによると、離婚率と学力の相関係数(上昇するほど1に近づく)は64年から07年に
西武・岸がドラフト1位左腕・菊池に「ボンバーマン禁止令」を出した。今季から投手陣の中で携帯用ゲーム機「ニンテンドーDS」のアクションゲーム「ボンバーマン」の通信対戦が大流行。石井一が中心となって「ボンバーマンTシャツ」を作製したほどだ。 しかし、岸は菊池の“参戦”に「絶対にやめた方がいい。自信をなくしますから」。同じ東北出身として、かわいい後輩を思えばこその一言だ。横綱級の腕前を持つ涌井、小野寺を筆頭に、大関級が石井一、岸とチーム内ではゲームの達人がゾロゾロ。負けず嫌いの菊池が対戦すれば、自信をなくして本業の野球に影響してしまう恐れがある。まずはゲームをやるよりも練習をしっかりやれ、というアドバイスも込められている。岸は「東北人はおとなしい人が多い。もし何か聞いてくれば教えます」とどこまでも心強かった。(スポニチ)
生のレバーや鶏などの刺し身を食べて、食中毒になる人が依然として多い。主な原因は細菌のカンピロバクター。「新鮮な肉なら安全」と思ったら大間違いだ。生肉を食べるときはくれぐれも注意したい。【小島正美】 ◇市販品の2割で検出/汚染「知らない」消費者の7割 今月19日、徳島県美馬市内の焼き鳥店で客7人が発熱や下痢など食中毒症状を訴えた。同県生活衛生課で調べたところ、7人のうち3人の便からカンピロバクター菌が検出された。原因は7人が共通して食べた鶏のささみとレバーの刺し身と考えられた。同課は「新鮮な生肉なら大丈夫という勘違いがお客にも店側にもあった」と注意を呼び掛ける。 * カンピロバクターは鶏や牛、豚などの腸管にすむ細菌。特に鶏の腸管には常にいる菌(常在菌)で、食中毒の原因として最も多い。カンピロバクターにあたると2~7日の潜伏期間後に、発熱や下痢、腹痛、吐き気、血便などの症状が出る。死亡すること
若い世代の少年期の心の変化を考える講演会がこのほど、下京区の池坊学園で開かれた。講師に山中康裕・京大名誉教授が招かれ、市民ら約70人が聴き入った。虐待を受けた子供を受け入れるグループホーム建設を目指すNPO法人「子どもの村を設立する会」(代表=村井龍治・龍谷大教授)が主催した。 山中名誉教授は不登校児をカウンセリングした経験から「以前の子供は漫画やロック、ゲーム、釣りなど興味のあることから社会を見ていた。不登校児でもその『窓』を見つけて徹底的に付き合えば何とかなったが、現在では何にも興味がないという子供が多くなっている」指摘した。 その変化の背景として90年代半ば以降のパソコンや携帯電話の普及を挙げ、人間や自然との直接の接触が乏しくなっていることに危機感を示した。山中名誉教授は「つながりが切れている自然と再結合することが必要」として、自然の中に子供を連れ出して遊ばせる大切さを訴えた。【木下
来年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、文部科学省が、小6と中3の40%程度を抽出して実施する方向で調整していることが分かった。対象の教科と学年は現行方式を維持するが、11年度以降の拡大を視野に入れ、調査費を含めて来年度予算の概算要求に計上する。採点や発送などのコスト削減で、今年度は58億円かかった費用が約30億円にまで圧縮可能となる見通し。 全員方式から抽出方式への転換を模索していた文科省の政務三役が、コストを削減した上で、調査の精度を保てる抽出率を統計の専門家に問い合わせるなどしていた。 その結果、各地域の事情を踏まえて、都道府県単位の学力状況を高い精度で把握し、検証・改善に結びつけるため、40%程度が必要と判断。政府予算案が決まる年末までに率を確定させ、抽出方法については、市町村単位で抜き出すか学校単位とするかも検討する。 一方、対象から漏れても、希望すれば参加が可
雨降れば雨に放射能雪積めば雪にもありといふ世をいかに 湯川秀樹はこの歌を、米国の水爆実験(1954年3月1日)の後に詠んだ。ノーベル賞受賞後は核兵器廃絶運動に取り組み、激しさを増す核開発競争を批判した。 太平洋上での実験は予想以上の破壊力を示し、操業中の「第五福竜丸」の乗組員23人が「死の灰」を浴びた。日本は広島、長崎に続いて三たび核兵器を経験している。 そして今月、北朝鮮が地下核実験を実施した。「成功」を伝える発表文は「科学者、技術者らの要求に従い」と始まる。作っては試し、改良してまた試す。こうした試行錯誤なしに科学の発展はない。だが、科学者たちは結果の深刻さについて一度でも想像したことがあるだろうか。そう考えたらむなしくなった。 戦時中、米国で原爆開発計画に参加した科学者の回想録(「原爆をつくった科学者たち」岩波書店)。巨額の金を使って刺激的な先端研究ができる喜びと、世界初の核実験を成
文部科学省国立教育政策研究所は25日、中学3年を対象にした技術・家庭科テスト(特定課題調査)の結果を公表した。実技テストでは、9割がのこぎりで木材を適切に切断できたが、ほつれたズボンのすそなどを縫うまつり縫いは半分以下しかできなかった。食生活などについて知識を尋ねる問題では、一部で課題も浮かんだ。 調査は07年10~11月、無作為抽出した全国497校の約1万6000人を対象に実施。技術・家庭科の全国規模のテストは41年ぶり、実技テストは初めて。 木材を指定された線に沿って2種類ののこぎりで切るテストには約3000人が挑戦し、誤差が2ミリ以内におさまるなど適切に切った生徒は92~93%だった。まつり縫いには別の約3000人が挑戦し、適切に縫うことができたのは46%だった。大根のいちょう切りには約1000人が挑戦。厚さ5ミリ以下という指定通りに切ることができた生徒は77%だったが、輪切りにして
孔子は「大人は正々堂々と、小人はこそこそする」と言った。 例えば……首相が高級車でハローワークに乗り付け、パソコンの求人欄に見入る失業者の前で、ひじをついた。 「今まで何していたんだ? これがやりたい、というのがないと相談される方もな……。何かありませんかね、と言うんじゃ、なかなか仕事は見つからない」とひとくさり。「目的意識がないと雇う方もその気にならない。何をやりたいかを決めないと就職は難しい」と何やら説教風である。 冗談じゃない! 平成大不況、選びたいけど、選んでいたら住む家もなくなる。説教された方は「世間知らずに何が分かる!」と言いたげな表情である。ひじをつく動作に、首相の無礼、無知、無能、無愛(情)が見て取れる。 漢字なんて読めなくてもよい。毎夜、ホテルで酒を飲んでもよい。堂々としていれば許される。でも……こそこそハローワークを視察するパフォーマンスだけはやめてくれ! 「人気取り」
人類は究極的に陸上百メートルでどこまで記録を伸ばせるのか-。米国のスタンフォード大で生物学を研究するマーク・デニー教授(57)がこのほど、生物学研究専門誌に論文を発表し、男子が「9秒48」、女子は「10秒39」と結論づけた。 AP電によると、デニー教授の研究では1970年代に馬と犬は最高速度がピークに達したと分析したが、人類の限界はまだ先で進化を続けているとしている。 男子百メートルは北京五輪でウサイン・ボルト(ジャマイカ)が9秒69の世界新を出し、女子百メートルの世界記録は故フロレンス・ジョイナー(米国)が88年に出した10秒49。マラソン愛好家でもあるデニー教授は9月にハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア)が2時間3分59秒の世界記録を出した男子マラソンについても2時間0分47秒まで短縮できると推定。ボルトの19秒30が世界記録の男子二百メートルでは18秒63まで縮める余地があるという。
【沖縄】音楽による街づくりを目指す沖縄市の中核施設「コザミュージックタウン」へのゲームセンター出店を受け、市PTA連合会、青少年育成市民会議、自治会長協議会、市教育委員会など市内9団体は11日夕、同施設で出店に反対する集会を開いた。市民約250人が集まり、青少年の健全育成に悪影響があるとして「断固反対」などの声を上げ、こぶしを突き上げた。今後、出店断念に向け同施設を管理するドリーム・コザとコザミュージックタウン管理組合、出店を計画する「ゲオ」への要請行動や署名活動などを展開する。 校長や教頭などでつくる沖縄市立小中学校校務研究会の米須良成会長は「子どもたちを取り巻く社会環境は目まぐるしく悪化している。(ゲームセンター出店は)子どもの安全の保障どころか、危機的状況を増幅しかねない」と指摘。市PTA連合会の仲田朝俊会長は「子どもたちに夢を与え、可能性を広げるために建てられた施設に、成長を妨げる
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