先頃単行本第一巻が発売された紙魚丸の『惰性67パーセント』(集英社)は「ウルトラジャンプ」で連載中の作品。描かれるのは、大学生の日常という定番シチュエーションだ。 物語は、美大生・吉澤みなみの部屋を中心に展開していく。でも、この作品の面白いところは美大生という設定が、ほとんど生かされていないこと。美大生といえば、思い浮かぶキーワードは「サブカル」「オシャレ」「リア充」等々、大学のヒエラルキーをピラミッドで表現するならば、東大よりも上に位置しているハズだ。 しかし、物語のヒロインである吉澤は、そんな世界とはほど遠い。絵画科のアトリエに居場所をつくれず、入ったのは漫研。しかも、その会誌にエロマンガを描いているのだという。もはやオシャレなキャンパスライフはおろか、人生も詰んでいそう。 そんな彼女の目下の悩みは、エロマンガを描いているというのに経験がなくて、ポコチンがリアルに描けないということ。そ