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ブックマーク / realsound.jp (13)

  • 話が飛ぶ人は体内に複数の時間が流れているーーADHD当事者の作家が描くエッセイ『あらゆることは今起こる』

    小学校1年生のときの教室。クラスメイトたちの当たり前を、自分だけがさっぱり理解できず、それを周囲には悟られないように平静を装いながら、内心はげしく動揺している。もしかしたら自分は気づかないうちに、どこかに存在する「並行世界」に迷い込んだのかもしれない。そう思うと、次第に怖くなってくる。 小説家・柴崎友香の『あらゆることは今起こる』は、そんな「小説の始まり」のようなエピソードから始まる。でも、これは「小説」ではない。2021年9月にADHD(「注意欠如多動症」)の診断を受けたという柴崎が書き下ろした、発達障害をめぐるエッセイだ。医学書院の「ケアをひらく」シリーズに収められているのだが、そのコンセプトにたがわず、ひじょうに平易な言葉遣いで、発達障害の特性を知ることができる。著者自身が発達障害についての考えを深める過程と並行して書かれていて、ADHDという言葉を耳にしたことはあっても、充分に考え

    話が飛ぶ人は体内に複数の時間が流れているーーADHD当事者の作家が描くエッセイ『あらゆることは今起こる』
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    unijam 2024/07/05
  • 『岸辺露伴は動かない』は『ジョジョ』の新たな可能性も広げた 見事な“スタンド”の脚色

    5月10日にテレビドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK総合)の最新エピソードとなる第9話「密漁海岸」が地上波で放送され、5月18日にはPrime Videoでの配信が始まった。 『岸辺露伴は動かない』は人気漫画家の岸辺露伴(高橋一生)と編集者の泉京香(飯豊まりえ)が杜王町という架空の街を舞台に、人知を超えた超常現象に遭遇する姿を描いた1話完結の怪異譚だ。露伴は人間をに変えて記憶を読んだり、情報を書き足すことで行動を操ることのできるヘブンズ・ドアーというギフト(特殊能力)の持ち主で、ヘブンズ・ドアーを用いて窮地を脱出する姿がドラマの見せ場となっている。 今回の「密漁海岸」では、杜王町にオープンしたイタリアン・レストランに向かった露伴と泉がトニオ・トラサルディー( Alfredo Chiarenza )というイタリア人のシェフと出会う場面から始まる。 トニオは手を見ることで健康状態を見抜くこ

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    unijam 2024/05/24
  • 利き腕を骨折した専業ライターが片手用キーボード『Froggy』で苦境をしのいだ話

    これはキーボードを筆頭とするインターフェイスが大好きなフリーライターの白石が、昨年10月に利き腕を骨折、そこから片手用キーボード『Froggy』により10000字を書いて、骨折中の期間をどうにかしのいだ10月の記録です。当に助かったので、片手でキーボードを打つすべての人にこのキーボードを広めたい……! 自己紹介と悲劇の日 改めて、フリーライターの白石です。RealSoundでは主にテクノロジーやライブ・エンターテインメントにまつわるコラムやインタビューを執筆しています。演劇学科を出てからパソコン専門誌の編集者としてキャリアを始めた経歴もあって、ライターとしてはメディア・アートや舞台芸術、音楽ライブのレポート、MaciPhoneなどのApple製品にまつわる記事などを書くことが多いです。 そんな私が寝ぼけたまま家の近くですっ転んだのは、10月中旬のこと。雨の振り始めた昼過ぎにスロープへ足

    利き腕を骨折した専業ライターが片手用キーボード『Froggy』で苦境をしのいだ話
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    unijam 2024/01/13
  • コンビニから本がなくなる? 取次最大手「日販」が配送事業を終了 「LAWSONマチの本屋さん」はどうなる

    コンビニからがなくなる? 取次最大手「日販」が配送事業を終了 「LAWSONマチの屋さん」はどうなる 出版取次大手の日出版販売(日販)が、コンビニエンスストアに雑誌や書籍を配送する事業を、2025年2月には終了するという。10月26日、共同通信社が報じた。現在、日販は全国のファミリーマートとローソン計約3万店に配送している。共同通信社によれば、撤退後は、セブンイレブンに配送しているトーハンが配送事業を引き継ぐ方針とのことだ。 いよいよ、格的な紙離れの影響が出てきたか、という印象である。コロナ禍の中で、電子書籍の売上は伸びた一方で、紙の書籍の売上は落ち込みつつあり、リアル書店の数も減少した。日版のコンビニからの撤退は、これまで堅調と思われていたコンビニですら、紙の雑誌・書籍の売上が落ち込んでいることを如実に表している。 しかし、今回の決定を冷静に見る識者も少なくない。というのも、以前

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    unijam 2023/10/30
  • 佐久間宣行が星野源&若林正恭との『LIGHTHOUSE』で感じた“セルフケアの重要性”  「共感性が高いことは大事だが、この時代に生きるのは大変」

    佐久間宣行が星野源&若林正恭との『LIGHTHOUSE』で感じた“セルフケアの重要性”  「共感性が高いことは大事だが、この時代に生きるのは大変」 星野源と若林正恭によるNetflix番組『LIGHTHOUSE』が大きな話題となっている。全6回、月に一度のふたりが“悩み”をテーマに語り合う様子を、半年間記録したトーク番組だ。 星野と若林はこれまで、『あちこちオードリー』(テレビ東京)での星野のゲスト出演や、星野源オフィシャルイヤーブック『YELLOW MAGAZINE 2021-2022』での対談、『星野源のオールナイトニッポン』で披露された楽曲「Pop Virus feat.MC.waka」、オールナイトニッポン55周年記念ジングルなど、数々のコラボレーションと会話を続けてきた。 若き日の葛藤、人間関係の苦しみ、社会への意識、クリエイターとしての内省など、共鳴するふたりが紡ぎ出す言葉に注

    佐久間宣行が星野源&若林正恭との『LIGHTHOUSE』で感じた“セルフケアの重要性”  「共感性が高いことは大事だが、この時代に生きるのは大変」
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    unijam 2023/09/08
  • 中村うさぎ、ラノベ黎明期から様変わり「異世界転生」氾濫に喝「テンプレ小説ばかり、書いてて恥ずかしくないのかな」

    中村うさぎ、ラノベ黎明期から様変わり「異世界転生」氾濫に喝「テンプレ小説ばかり、書いてて恥ずかしくないのかな」 あらゆる大手出版社から刊行され、巨大な市場に成長しているライトノベル。メディアミックスも好調で、その勢いはとどまるところを知らない。そんなライトノベルの黎明期はいったいどのようなものだったのか。黎明期にラノベ作家としても活躍をしていた中村うさぎに今だからこそ話せるデビューまでの経緯と、当時のライトノベル界の話をじっくりとうかがった。 売れっ子ライトノベル作家であった中村うさぎ 中村といえば自身の買い物依存症から、美容整形、ホストクラブ、そして風俗とあらゆるジャンルを網羅したエッセイストとして名高く、マツコ・デラックスを発掘して芸能界進出へ導いたことでも知られるが、1990年代には『ゴクドーくん漫遊記』を筆頭にヒットを連発していた売れっ子ライトノベル作家であった。その後の活躍が有名

    中村うさぎ、ラノベ黎明期から様変わり「異世界転生」氾濫に喝「テンプレ小説ばかり、書いてて恥ずかしくないのかな」
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    unijam 2023/03/29
  • 小説の新人賞、なぜ「受賞作なし」相次ぐ? 作家デビューへの道はどう変化したか

    今年(2023年)の、第十四回小説 野性時代新人賞は、大賞が該当作なし、奨励賞受賞作として関かおるの「隣も青し」が選ばれた。同賞は昨年の第十三回も大賞が該当作なしであり、奨励賞受賞作として入江直海の「性の隣の夏」が選ばれている。二年続けて大賞なしとは珍しいことだ。また昨年は、鮎川哲也賞が受賞作なし、横溝正史ミステリ&ホラー大賞も大賞受賞作なしという結果であった。それぞれ、優秀賞・読者賞が選ばれ、作品が出版されているが、いささか寂しい状況である。だがこれは、近年の新人賞事情を反映したものといえるかもしれない。 私は二十年以上にわたり、幾つかの新人賞の下読みを担当している。あくまでも個人的な感想になるが、その経験を踏まえていうならば、ここ十年の新人賞の全体的なレベルは上がっている。昔は、己の妄想をそのまま原稿にぶつけたような、小説になっていない応募作があった。しかし現在、そのような応募作は、滅

    小説の新人賞、なぜ「受賞作なし」相次ぐ? 作家デビューへの道はどう変化したか
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    unijam 2023/03/25
  • NTTドコモ、大規模な通信障害か 電話などが「繋がらない」の声相次ぐ

    7月19日9時58分現在、NTTドコモの回線に何かしらの障害が見られ、さまざまなユーザーから通話が繋がらないという症状が報告されている。 NTTドコモの障害発生マップによると、現在は全国的に障害が発生している模様。早期の復旧と、原因の究明が求められる。NTTドコモからはいまだ公式なアナウンスはなく、詳細についての情報が待たれるところだ。

    NTTドコモ、大規模な通信障害か 電話などが「繋がらない」の声相次ぐ
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    unijam 2022/07/20
  • ティモンディ前田裕太×大森望が語る、『三体』シリーズを最後まで読むべき理由 「宇宙の果てまで長い旅をした」

    ティモンディ前田裕太×大森望が語る、『三体』シリーズを最後まで読むべき理由 「宇宙の果てまで長い旅をした」 劉慈欣『三体』3部作は、世界的にヒットした。異星の三体文明が地球を侵略しようとしていると判明する『三体』。人類が対抗しようと「面壁計画(ウォールフェイサー・プロジェクト)を発動する『三体Ⅱ 黒暗森林』上下。その背後で侵略艦隊にスパイを送りこもうと「階梯計画」が実行される『三体Ⅲ 死神永生』上下。長い時間にまたがり、広大な宇宙へ、いくつもの次元へ物語が展開するこの中国SFは、圧倒的に面白い。とはいえ、全5巻の巨編であるだけに途中で挫折する人もいるようだ。そこで今回、『三体』の熱烈なファンである芸人のティモンディ・前田裕太氏と、同作の日語訳チームのアンカーを務めた大森望氏に、あらためて作品の魅力を語ってもらった。(円堂都司昭/6月20日取材・構成) 前田「5分間くらい昇天しちゃった」

    ティモンディ前田裕太×大森望が語る、『三体』シリーズを最後まで読むべき理由 「宇宙の果てまで長い旅をした」
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    unijam 2022/07/07
  • ロバートの“元ストーカー”がYouTubeをきっかけに本を出版 秋山も認めるその情熱とは

    芸人・ロバートの熱狂的なファンとして、15年彼らを追いかけた末、現在TV局員として働いている篠田直哉氏。ロバート人にも当時から“認知”されており、そんな彼が半年前に投稿した秋山との初対談動画が現在600万回近く再生されており、大バズり。それをきっかけに、今月25日『ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。』といったが出版された。 劇場ではコントをメモる“メモ少年”と話題に 篠田氏は現在、名古屋テレビ「メ~テレ」でTV局員として働く26歳。しかし、ただのTV局員ではない。彼は、“メモ少年”と呼ばれるロバート公認の“ストーカー”として有名な人物である。 その始まりは、小学5年時にロバートのコントDVDを何気なく借りた所、大ハマりしたことがきっかけとなる。中学2年生の頃には、劇場で行われたロバートの単独ライブにて、自作プリントした秋山のTシャツを着て、観覧。その上で、笑わずに一心不乱にコン

    ロバートの“元ストーカー”がYouTubeをきっかけに本を出版 秋山も認めるその情熱とは
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    unijam 2022/07/01
  • 野田クリスタル × syudouが語り合う 「爆笑」とお笑い&音楽をめぐる二人の創作論

    音楽シーンを牽引するプロデューサー/アーティストを多数輩出するボーカロイド文化の今を伝える祭典として、2020年の12月に第1回が開催された『The VOCALOID Collection』。その第4回『The VOCALOID Collection ~2022 Spring~』が、4月22日より開催される。 これまでも数々の豪華なインタビュー・対談を行ってきた『The VOCALOID Collection』特集だが、今春もスペシャルな組み合わせが実現。登場してくれたのは、お笑い芸人における賞レースの最高峰『M-1グランプリ 2020』で王者に輝いたマヂカルラブリーの野田クリスタルと、同じ2020年を代表するヒット曲のAdo「うっせぇわ」で作詞・作曲を手がけたアーティスト・syudouの2人。どちらかの、そして互いのファンは知っているだろうが、彼らにはsyudouの楽曲「爆笑」を巡

    野田クリスタル × syudouが語り合う 「爆笑」とお笑い&音楽をめぐる二人の創作論
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    unijam 2022/04/13
  • Zoomで50万件超のアカウント情報が流出・転売ーーFBIが捜査に乗り出す

    ビデオコミュニケーションアプリZoomの53万件にもおよぶアカウント情報が、ダークウェブやハッカーフォーラムを通じて、不正に販売されていたことが分かった。 ※記事初出時、引用箇所の翻訳・要約に誤りがございました。訂正してお詫びいたします。 サイバーセキュリティ企業が発見、データは物 最近、Zoomにはセキュリティやプライバシーの問題が幾度となく露呈し、機能の開発を90日間停止して改善に注力している。 流出した情報は、Eメールアドレス、パスワード、会議URL、ホストキー等だ。ChaseやCitybankといった大企業も被害に遭っており、盗まれたアカウント情報は、物であることが確認されたという。 『Mashable』によると、Zoomのアカウント情報がリスト型攻撃によってダークウェブに流出したのは、これが初めてではないという(参考:https://mashable.com/article/

    Zoomで50万件超のアカウント情報が流出・転売ーーFBIが捜査に乗り出す
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    unijam 2020/04/20
  • 『キャッツ』は単なる失敗作でない!? カルト化する可能性を秘めた“異形の映画”

    『キャッツ』(2019年)は、いずれカルト化すると思う。面白いかどうかはさておき、「変な映画を観た」という感触は確実に残るからだ。数年後まで尾を引くような個性が宿っている。ともかく異形の映画であることは間違いない。 作がどういうストーリーなのかを説明するのは難しい。これは舞台版の頃から物語に重きを置いていないからだと私は考える。もちろん大筋は存在する。個性豊かなたちが転生するチャンスを狙って、それぞれ自己紹介代わりに歌とダンスを披露し、最後は選ばれし一匹が生まれ変わるために空へと昇っていく、というものだ。しかし、ではそのチャンスを巡って濃密な駆け引き/政治劇/ドラマがあるのかと言うと、そうでもない。あくまで次々と繰り出される歌とダンス、際立ったキャラクター、そしてヘンテコでポップなビジュアルが作り出す世界観が魅力だろう。観客は役者たちの素晴らしいパフォーマンスによるマジックにかかり、魅

    『キャッツ』は単なる失敗作でない!? カルト化する可能性を秘めた“異形の映画”
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    unijam 2020/02/04
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