タグ

ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (791)

  • ISIS劇場型テロで世界に広がる「テロ疲れ」

    <エスカレートする攻撃は過激派組織の焦燥感の裏返し。過剰反応を避けてテロに対抗する力を養うべき> 10月31日にニューヨークで起きたテロ事件の犯人は、テロ組織ISIS(自称イスラム国)への忠誠心から犯行に及んだらしい。11月2日にはISISも、自らのオンライン週刊誌アルナバで戦闘員の攻撃だと表明した。 テロに片っ端から犯行声明を出し、いつどこでテロが起きるか分からない不安をあおる──そんな彼らのやり方は、「テロ疲れ」を招いている可能性がある。欧米でのテロの繰り返しは代償を伴う。常軌を逸した行為が次第に普通に思えてくる。人々は暴力に対して怒りも哀れみも感じず、反応しなくなる。 テロによる死傷者は増え続け、ISISは実際には関係のないテロにまで犯行声明を出す。10月最初の週末に各地で相次いだテロがいい例だ。カナダ西部ではイスラム過激派思想に感化されたソマリア難民がナイフと車で警官や歩行者を襲い

    ISIS劇場型テロで世界に広がる「テロ疲れ」
  • まだ終わっていない──ラッカ陥落で始まる「沈黙の内戦」

    <10月下旬、シリアの「イスラム国」の都ラッカが陥落。しかし、シリアでは今も内戦が続き、市民が犠牲になり続けている。国際社会の関心が急速にしぼむなか、大きな懸念は――> シリアでの「イスラム国」(IS)の都ラッカが10月20日、米軍・有志連合の空爆の援護を受けたクルド人主体のシリア民主軍(SDF)によって制圧された。7月にはイラク側のISの都モスルがイラク政府軍によって制圧されており、ISが排除されたことで、シリア内戦に対する国際社会の関心も、日での関心も、急速にしぼんでいる。 問題が何も解決してないというのもむなしいことだが、今後、国際社会の目が向かなくなることが大きな懸念となるだろう。 ダマスカスの東グータ地区は「安全地帯」のはずだが SDFによるラッカ制圧宣言の4日後の10月24日、シリアの人権組織「シリア人権ネットワーク」(SNHR)が「ダマスカスの東グータの包囲は集団的懲罰」と

    まだ終わっていない──ラッカ陥落で始まる「沈黙の内戦」
  • 日本の大卒女性の正社員率は、母親世代では中東レベルの低さ

    <大卒女性の正社員比率は30代以降に急落し、子育て世代では中東諸国と同レベルにまで低下する> 1960年代の初頭に「女子学生亡国論」という議論があった。女子はどうせ家庭に入るのだから、税金を費やして高等教育を受けさせるのは国の滅亡につながる、という趣旨だ。 高等教育には費用がかかるので、社会の機能的な必要性と無関係にむやみに膨張させるわけにはいかない。大学に進学する費用(学費・時間)を勘案してペイするかどうかは個人の関心事だが、社会の側は国費を投じて育成した大卒人材が社会に貢献してくれるかどうかが関心事だ。 冒頭の「女子学生亡国論」は過激な議論だが、日の大卒女性の就業率はどれくらいなのか。<図1>は、正社員として勤務している大卒女性の割合の年齢カーブだ。 卒業して間もない20代前半では男女とも同じくらいだが、年齢が上がるにつれて乖離していく。同じ大卒でありながら、女性はどんどん非正規(無

    日本の大卒女性の正社員率は、母親世代では中東レベルの低さ
  • 国際社会が使い捨てたクルド人と英雄バルザニ

    アメリカとともにサダム・フセインの圧政と戦いISISも撃退したが、独立しようとしたら攻め込まれた。勇敢だがまたも悲劇に終わったクルド人の英雄の物語> イラク北部のクルド自治政府がイラクからの独立の是非を問う住民投票を9月25日に実施して以降、ISIS(自称イスラム国)を掃討した後クルド人が実効支配していた地域にイラク軍が進攻するなど、大きな混乱が続いた。ここ1カ月余りで、最も大きな代償を払うことになったのは、自治政府の事実上の大統領、マスード・バルザニ議長(71)だ。 バルザニは10月29日、議会に書簡を送り、議長職を退任する意思を伝えた。2005年に就任し、2015年の任期満了後もISIS掃討を理由に議長職にとどまっていた。 バルザニが率いるクルド民主党(KDP)によれば、バルザニは書簡で、「11月1日以降、議長職を続投することを拒否する」と表明した。 バルザニは「ペシュメルガ(イラク

    国際社会が使い捨てたクルド人と英雄バルザニ
  • あのサウジアラビアが穏健化を宣言したけれど

    <過激派を撲滅して外国投資を呼び込みたい――でも相変わらずの人権侵害で改革の気度には疑問符が> テロリストとのつながりや人権抑圧国家のそしりを免れない中東の石油大国サウジアラビア。しかし32歳にして事実上の国家指導者であるムハンマド皇太子が、国内の過激主義を撲滅して「穏健派イスラム」に回帰すると宣言した。 ムハンマドは10月24日、世界各国の有力実業家を集めた経済フォーラムで、最先端技術を生かした人工都市の建設計画を発表するとともに、自らが思い描く新生サウジアラビアについて語った。建国以来、この国は厳格なイスラム復古主義を取るスンニ派の一派、ワッハーブ派の絶対王政により統治されてきた。彼は時期を待たず、保守的なサウジアラビアを速やかに現代的な国へ変貌させたいという。 「過激主義との闘いでこれからの30年を無駄遣いしない。今すぐに撲滅する」と、ムハンマドは断言する。「私たちはこの国の宗教と

    あのサウジアラビアが穏健化を宣言したけれど
  • 【写真特集】行き場なく宙に浮くカタルーニャ独立の夢

    カタルーニャ自治州は独自の言語・文化を持つが、18世紀からスペイン統治下にある。カルラス・プッチダモン州首相が独立宣言をするとの観測が流れ、独立運動の旗を手に演説を待つ男性(17年10月10日) <法律を盾に暴力で民意を抑え込むのが民主主義なのか――カタルーニャの現実は今、世界に大いなる疑問を投げ掛けている> 13年前からスペイン北東部カタルーニャ自治州の州都バルセロナを拠点にする私にとっても、住民の独立への思いは想像以上のものだった。そもそも私は、住民投票の実施自体に懐疑的だった。これは一種の政治ゲームで、誰も気で実現できるとは思っていないのではないか、と。 だが、カタルーニャは気だった。市民は警察による封鎖に対抗しようと泊まり込みで投票所を占拠。10月1日の当日、人々は警棒で殴られても「投票するぞ!」と叫んで一歩も引かず、そうした現場の状況を承知の上で大勢が投票所に向かった。結果は

    【写真特集】行き場なく宙に浮くカタルーニャ独立の夢
  • アラブで高まる「第2の春」の予感

    モロッコの抗議運動リーダー、ゼフゼフィの逮捕に抗議して釈放を求める支持者たち(今年6月) Jalal Morchidi-Anadolu Agency/GETTY IMAGES <中東各国で強権支配が一段と強化されるなか、人々の怒りのマグマは再び煮えたぎっている> アラブ世界で吹き荒れた民主化運動の嵐「アラブの春」の幕開けから6年余り。11年当時と比べ、アラブ人の生活はさらに耐え難いものになっている。 中東と北アフリカでは15~24歳の若年層が総人口に大きな割合を占めているが、失業は今も深刻で、若者は希望が持てない。しかも、この地域の政権は軒並み市民の政治的な発言を封じ込め、民衆の抗議に暴力で応じる姿勢を強めてきた。 アラブ諸国は「強権支配の罠」から逃れられないようだ。エジプト、サウジアラビア、さらにはモロッコでも、その病弊が表れている。 革命はしばしば裏切りに終わる。いい例がエジプトだ。ア

    アラブで高まる「第2の春」の予感
  • 殺された米兵はニジェールで何をしていたのか

    アメリカ人さえ知らないところでアフリカの国に駐留し、治安部隊の訓練を行う米特殊部隊、何のため?> 西アフリカのニジェールで10月4日、米軍の特殊部隊が武装勢力に襲撃され、米兵4人が死亡する事件が起きた。ドナルド・トランプ米大統領が死亡した兵士のに「無神経な言葉」をかけたことばかりが問題になっているが、そもそも米軍は何のためにニジェールにいたのか。多くのアメリカ人はこの事件が起きるまで、米軍がニジェールに駐留していることすら知らなかっただろう。 今回犠牲になった米兵たちのような特殊部隊は世界70~80カ国で活動してきた。主要な任務は相手国の治安部隊の訓練で、それを通じて安定化と民主化を支援する。ニジェールに派遣されたのは数年前。マリ北部とナイジェリア南部をはじめ周辺国で支配地域を広げるイスラム過激派対策の一環だった。 JUST IN: U.S. intel officials exami

    殺された米兵はニジェールで何をしていたのか
  • ラッカ陥落でもISISは死なず

    <首都と称してきた都市を失った後も、その思想は世界各国とネット空間で生き続ける> テロ組織ISIS(自称イスラム国)が「首都」と呼んでいたシリア北部のラッカが陥落した。米軍の支援するクルド・アラブ合同部隊「シリア民主軍(SDF)」が、4カ月にわたり攻撃を加えた果ての出来事。ISISがシリアとイラク北部に「カリフ制国家」の樹立を宣言してから、3年4カ月が過ぎていた。 しかしこれで、ISISの息の根を止めたと考えるのは間違いだ。 拠点は陥落しても、思想は消滅させられない。とりわけISISは支配地域にイデオロギーを深く根付かせ、グローバルなネットワークを築き、ネット上でも影響力を誇っている。 ISISが現在のような状況を経験するのは初めてのことではない。06年、ISISの前身組織「イラク・アルカイダ機構」の指導者アブ・ムサブ・アル・ザルカウィが死亡した後、この組織は表舞台から姿を消し、再起の時を

    ラッカ陥落でもISISは死なず
  • 朝鮮半島有事の際に、拉致被害者をどう救出するか

    北朝鮮有事を想定した自衛隊の拉致被害者の救出活動を可能にするには、日国内の法整備だけでなく中韓との調整が不可欠> 今回の衆院選の終盤に、産経新聞は各党に次のようなアンケートを行い、その結果を掲載しています。(電子版による)アンケートは、「朝鮮半島有事の際に拉致被害者をめぐり」救出のために「自衛隊の活動を認めるべきか?」というものです。 難しい質問ですが、各党ともに極端なことは言えるはずもないわけで、保守政党は「議論を深めたい」とか「現状では無理だが立法化しよう」という種類の回答、これに対して左派政党は「有事を回避すべき」とか「憲法の範囲で」という種類の回答を寄せていました。「アメリカとの連携」を重視するとした政党も複数に上っています。 そんなわけで、回答としてはどの政党も無難だったのですが、この質問と回答を見ていて、この問題についてはもう少し突き詰めて考える必要を感じさせられたのも事実

    朝鮮半島有事の際に、拉致被害者をどう救出するか
  • スペイン副首相「カタルーニャ州首相、全権限を失い給与停止も」

    スペイン副首相は、上院が中央政府による直接統治を認めれば、カタルーニャ自治州のプチデモン首相はすべての権限を失うと述べた。写真はプチデモン首相。 2017年 ロイター/Yves Herman スペインのサエンスデサンタマリア副首相は23日、カタルーニャ自治州の独立問題について、上院が中央政府による直接統治を認める憲法155条の発動を承認すれば、同自治州のプチデモン首相はすべての権限を失い、給与の支払いも停止されると述べた。 ラジオ・インタビューで明らかにした。 副首相は、上院が直接統治を承認すれば、中央政府の代表1人を同自治州に一時的に派遣する可能性があるとも述べた。 上院は、27日に155条発動の是非を採決する予定。

    スペイン副首相「カタルーニャ州首相、全権限を失い給与停止も」
  • クルド自治政府、独立問う投票結果を凍結 イラク政府との対話を提案

    10月25日、イラク北部のクルド自治政府(KRG)は、イラク政府軍との衝突を終結させるため、9月25日に実施したイラクからの独立の賛否を問う住民投票の結果を保留するとし、イラク政府との対話による解決を目指す方針を示した。写真はクルドの旗を持つ男性。イラク北部の都市アルビールで4日撮影(2017年 ロイター/AZAD LASHKARI) イラク北部のクルド自治政府(KRG)は25日、イラク政府軍との衝突を終結させるため、9月25日に実施したイラクからの独立の賛否を問う住民投票の結果を保留するとし、イラク政府との対話による解決を目指す方針を示した。 KRGは声明で「KRGとイラク政府との衝突は双方に勝利をもたらすものではなく、国全体の破滅につながる」と指摘。イラク政府や国際世論に対し、即時停戦、住民投票結果の凍結、イラク連邦政府との開かれた対話の開始、を提案した。

    クルド自治政府、独立問う投票結果を凍結 イラク政府との対話を提案
  • イスラム国の首都ラッカを解放したが、スケープゴートの危機にあるクルド

    <10月17日、2014年以降、イスラーム国の「首都」と称されてきたシリア北部のラッカ市が解放された。しかし、主力としてラッカを解放したロジャヴァ(西クルディスタン移行期民政局)は、新たなスケープゴートにされる危機にある> ロジャヴァ(西クルディスタン移行期民政局)の武装部隊YPG(人民防衛部隊)を主体とするシリア民主軍は10月17日、イスラーム国の「首都」と称されたラッカ市を完全制圧した。ロジャヴァは、この戦果を「テロとの戦い」の「最終局面」における勝利と位置づけている。だが実際のところ、それは彼らにとっての困難の始まりにも見える。 2017年10月23日の勢力図 シリア内戦の縮図としてのラッカ市 ラッカ市はシリア内戦の縮図とでも言える都市だ。22万人の人口を擁していた同市(現在の人口は推計で2万人)は、2011年3月の「アラブの春」波及を受け、散発的な反体制デモと治安当局の弾圧の場とな

    イスラム国の首都ラッカを解放したが、スケープゴートの危機にあるクルド
  • フィリピン政府、マラウィでの作戦終了宣言 ISIS系勢力を鎮圧

    10月23日、フィリピン政府は、過激派組織「イスラム国」(IS)系武装勢力が5カ月にわたり占拠してきた南部マラウィでの戦闘が終了したと発表した。写真は5か月間の掃討作戦が終わり、帰路に就く兵士たち。マラウィで21日、撮影(2017年 ロイター/Romeo Ranoco) フィリピン政府は23日、過激派組織「イスラム国」(IS)系武装勢力が5カ月にわたり占拠してきた南部マラウィでの戦闘が終了したと発表した。 軍部隊が市中心部で抵抗していた武装勢力を鎮圧。これを受け、ロレンザナ国防相が「マラウィに武装勢力はもういない」と述べ、作戦終了を宣言した。 軍スポークスマンは、市内でなお銃撃が続いているものの、「テロリストはもういない」と説明。武装勢力の残党に降伏を呼び掛けているが、応じていないと話した。

    フィリピン政府、マラウィでの作戦終了宣言 ISIS系勢力を鎮圧
  • イタリア北部2州、自治権拡大求める住民投票で賛成90%超える

    10月22日、イタリア北部の2州で、自治権拡大の是非を問う住民投票が行われ、賛成派が圧倒的多数を占めた。投票結果を待ちながらメディアに答えるベネト州知事。ベネチアで撮影(2017年 ロイター/Manuel Silvestri) イタリア北部の2州で22日、自治権拡大の是非を問う住民投票が行われ、賛成派が圧倒的多数を占めた。経済的に豊かな北部の州では税収が南部に流れていることへの不満があり、住民投票はこうした問題への対応で政府との交渉力を強めるのが狙いだが、投票結果を受けて南北の緊張が高まる可能性がある。 住民投票が行われたのは金融の中心地ミラノがあるロンバルディア州と観光名所のベネチアがあるベネト州。現地時間午前0時(2200GMT、日時間23日午前7時)ごろに公表された暫定結果によると、両州とも賛成票が90%を超えている。投票は2100GMTに締め切られた。 両州を率いる北部同盟のトッ

    イタリア北部2州、自治権拡大求める住民投票で賛成90%超える
  • 民進党がため込んだ政党交付金という「カネ」の行方

    <民進党は事実上、解党したが党組織や代表はなお存続。生ける屍の旧党から選挙を経てもいない新党が150億円をついばむ> 9月28日午後、民進党の前原誠司代表は「希望の党」との合流を決定するため、両院議員総会を開いた。96年の旧民主党結成から約20年、二大政党制でリベラルの一翼を担った政党の消滅は反対派議員の怒号で大荒れに――そうした予想から、東京・永田町の民進党部は珍しく記者でごった返した。 ところが実際には反対を唱える議員が出ることもなく、全員一致で前原の提案を承認。同時中継を見ていた全国の民進党員や有権者の多くはあっけない幕引きに驚くとともに、党組織も代表も存続するのに選挙公認をしないという「事実上の解党」の複雑さにも首をひねった。 民進党が潔い終わりを迎えることなく、ゾンビのように生き延びた謎を解くカギは「政党交付金」だ。「解党だとこれまでにため込んだ巨額の交付金を国に返さなければな

    民進党がため込んだ政党交付金という「カネ」の行方
  • 【写真特集】アフリカ難民たちの過酷な1食

    カメルーン北部のメメで避難生活を送る難民の事。欠けたボウルには米粒と乾燥豆がほんの少し載せられているだけだ <アフリカ中央部のチャド湖周辺地域では、270万人以上の難民がイスラム武装組織に家を追われ、日々の最低限の事にさえ困窮するアフリカ最大規模の人道危機が発生している> 想像できるだろうか、1日1で生きることを。アフリカ中央部のチャド湖周辺地域に暮らす多くの難民にとって、それは紛れもない現実だ。ナイジェリア、カメルーン、ニジェール、チャドの4カ国にまたがる同地域では、アフリカ最大規模の人道危機が起きている。 ナイジェリア北部から始まったイスラム武装組織ボコ・ハラムと政府軍による紛争は国境を超えて拡大し、周辺では270万人以上が家を追われた。日々の最低限の事にさえ事欠く人々は、700万人以上に上る。 サバンナの広がるワザ国立公園を抱えるカメルーン北部はかつて、冒険好きの旅行者に人気

    【写真特集】アフリカ難民たちの過酷な1食
  • 比ドゥテルテ大統領、ISIS系武装勢力から南部マラウィ解放を宣言

    10月17日、フィリピンのドゥテルテ大統領(写真)は、南部ミンダナオ島のマラウィ市について、過激派組織「イスラム国(IS)」系武装勢力から解放したと宣言した。写真は8月撮影(2017年 ロイター/Romeo Ranoco) フィリピンのドゥテルテ大統領は、南部ミンダナオ島のマラウィ市について、過激派組織「イスラム国(IS)」系武装勢力から解放したと宣言した。 当局者によると、武装勢力の指導者イスニロン・ハピロン容疑者とオマルカヤム・マウテ容疑者は16日に掃討作戦で殺害された。 大統領は17日、マラウィで軍兵士に対し、戦闘が終わり同市の再建を開始する時が来たとし、「マラウィがテロリストの影響から解放されたことを宣言する」と述べた。 ただ軍の報道官は、戦闘は完全には終わっておらず、武装勢力の20─30人が戦闘を続けていると明らかにした。その上で、残っている武装勢力は「敗残者」で、脅威ではないと

    比ドゥテルテ大統領、ISIS系武装勢力から南部マラウィ解放を宣言
  • 「イスラム国」の首都ラッカ解放でISISが行く先

    シリア北部ラッカで解放を祝うシリア民主軍(SDF)の兵士たち(2017年10月17日) Erik De Castro- REUTERS <ISISが掃討されても、潜伏した残党狩や下部組織との戦いはこれから。しかもイラクやシリアは今も過激化の温床にぴったり> テロ組織ISIS(自称イスラム国)がシリアとイラクにまたがる「カリフ制国家」の樹立を宣言した2014年以降、首都と称されてきたシリア北部のラッカが解放された。 ニュースが流れたのは10月17日だが、当初は情報が錯綜した。 現地の監視団は、米軍の支援を受けた武装勢力がラッカを完全に制圧したと発表した。だが現地の武装勢力は、市内の病院は制圧したものの、スタジアムに立てこもったISISの残党が投降を拒んで最後の抗戦をしていると言った。それほど、敵も味方も混乱していた。 最後は米軍主導の有志連合の支援を受けるクルド人とアラブ人の混成部隊、シリア

    「イスラム国」の首都ラッカ解放でISISが行く先
  • 米支援のシリア民主軍、ISIS拠点ラッカの9割を制圧

    10月17日、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を目指し米国などが支援する武装勢力「シリア民主軍(SDF)」(写真)は、ISが「首都」と位置付けるシリア北部ラッカを制圧した(2017年 ロイター/Erik De Castro) 過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を目指し米国などが支援する武装勢力「シリア民主軍(SDF)」は17日、ISが「首都」と位置付けるシリア北部ラッカを制圧した。 SDFの報道官は、市内に仕掛けられた地雷を除去し、潜伏しているIS戦闘員がいないと確認した段階で正式な勝利宣言を行うと表明した。 ISはラッカを拠点に海外での攻撃などを計画してきたとされ、SDFは奪還を目指して4カ月にわたり戦闘を続けてきた。 米軍は、ラッカの約9割をISから奪還したとした上で、SDFは一部で引き続きIS戦闘員の抵抗に遭うとの見方を示した。 米軍主導の有志連合の報道官を務めるライアン・

    米支援のシリア民主軍、ISIS拠点ラッカの9割を制圧