神代の昔、天照大神(アマテラスオオミカミ)がお治めになったという高天原(たかまがはら)。ある時、弟神である須佐之男命(スサノオノミコト)が田んぼの畔を壊したり、機屋に皮をはいだ馬を落としたりと、乱暴をはたらいた。天照大神がいくらたしなめられても、須佐之男命の狼藉はひどくなるばかり。 とうとう、天照大神はお怒りになり、天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまわれた。すると、高天原も葦原中国(あしはらのなかつくに)も、すべて闇に包まれてしまったのだった――。 今回は、この「天岩戸神話」が残る、宮崎県高千穂町にある天岩戸神社を訪ねた。 ■天照大神がお隠れになった天岩戸を遥拝 まずは、天岩戸を祀る西本宮へ。境内に入って右手には、ご神木「招霊の木」がある。この木の下で、天岩戸に隠れた天照大神を誘い出すために踊った天宇受売命(アメノウズメノミコト)がこの枝を手に持っていたとされる。 モクレン科の木で、春先に