8日の定例会見での橋下徹・大阪府知事の主な発言は次の通り。 【質疑】 --都構想に関連し、大阪市が24行政区を8~9に合区する検討を始めた 合区した区長の任命権を市長が握っている限り、改革は期待できない。区長は選挙で選び、権限と財源を渡すというのが大阪維新の会の考え。 --リニア中央新幹線のルート、奈良と京都のどちらに駅ができるのが良いか 今はどちらが良いのか考えを持っていない。関西国際空港のアクセスなども含めて関西広域連合の議題として見解をまとめ、JR東海に要望を伝えたい。 --国旗・国歌条例は知事が発案したのか 議員提案です。維新の会の議員と僕がたまたま同じ考えを持っていただけ。僕は議員の皆さんに指示を出したりはしていない。国歌斉唱時に教職員が起立するのは当たり前。学習指導要領に基づき府教委が9年間も指導してきたのに、起立しない教職員がいた。 条例化に反対したのは朝日新聞と毎日新聞だけ
韓国検察当局は9日、サッカーの韓国プロ、Kリーグでの八百長疑惑に絡み、身柄を拘束した現役選手5人を国民体育振興法違反の罪で起訴、元プロ選手ら7人を在宅起訴した。このほかブローカー2人が既に起訴されており、検察当局は、3試合で八百長が行われたとしている。 聯合ニュースなどによると、ブローカーは4月上旬、現役選手2人に1億ウォン(約740万円)~1億2千万ウォンを渡して八百長を依頼。2人は複数の選手に金を配り、八百長に加わらせたとしている。 選手は試合で積極的に守備を行わないなどして、負けるように工作。ブローカーは試合結果を当てる「スポーツくじ」に1億9千万ウォンを賭けて、約6億2千万ウォンの配当金を受け取ったとされる。 八百長を仕組んで「スポーツくじ」で大きな利益を上げるのが目的とみられ、ブローカーのうち1人は暴力団関係者で、暴力団が組織的に関与した可能性もある。 事件では、選手1人が八百長
全国農業協同組合中央会(全中)は9日、東日本大震災の復旧・復興に関する政府への要請書をまとめ、鹿野道彦農相に提出した。津波などで作付けできなくなった農地については、国がいったん買い上げ、作付け可能な状態に整備した上で農家に売り戻すことを提案している。 全中の茂木守会長は、政府が検討中の11年度第2次補正予算案に提案を反映させるよう鹿野農相に求めた。 被災農地を一時国有化する案は宮城県など被災地の自治体から要望が出ている。全中の案では、国有化と並行して、政府や自治体が3年以内の営農再開を目指す農地の利用計画を策定。自治体の農業公社などが仲介して農地の貸借や売買を進め、規模拡大を促すことも提言している。 このほか、農家が営農を再開するまでの雇用対策や所得補償も要請。震災前からの借金に新規の借り入れが重なる「二重ローン」の負担を軽減するため、既存の債務を政府系金融機関などが買い上げて返済を猶予す
日立製作所は9日、20年度に売上高3800億円を目指していた原子力事業の目標を、3600億円に下方修正する方針を明らかにした。福島第1原発事故を受け、国内受注の先行きなどが不透明になっているため。また、東日本大震災で公表を先送りしていた12年3月期の連結業績予想を発表し、震災による部品調達難などの影響で、最終(当期)利益が前期比16.2%減の2000億円となる見通しを示した。 日立は11年3月期に原子力事業で約1800億円を売り上げ、今後10年間で2倍超に引き上げる方針だった。しかし、東日本大震災の発生で、東京電力東通原発(青森県)で受注していた原子炉建設が中断。電源開発の大間原発(同)と中国電力の島根原発(松江市)で進む建設計画も不透明になっており、一定の影響は避けられない見通しだ。 ただし、海外案件は堅調に推移しており、同日会見した中西宏明社長は「大きく予想を変える必要はない」との認識
福島県内の放射性物質に汚染されたがれきの処理方針について、環境省の南川秀樹事務次官は9日、福島県庁で佐藤雄平知事に面会し、焼却灰などの最終処分場を県内に建設する案を提示した。佐藤知事は拒否し、議論は平行線をたどった。 同省は、汚染がれきを排ガス処理用のフィルターのある既存施設で焼却処理することを認める方針を固めている。南川次官によると、焼却灰などを埋める最終処分場について「県外(立地)は考えづらい」と伝え、理解を求めた。佐藤知事は「国策で進めた原発の後始末という観点から『はい』と返事はできない。国の責任で方法を考えてほしい」と答えたという。 同省の処理方針は19日の専門家による安全性検討会を経て決定する見通し。既存施設での焼却については佐藤知事も理解を示したといい、南川次官は「今月中に焼却作業を始めたい」としている。【大場あい】
福島第1、第2原発事故に伴う損害賠償の範囲を決める文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会(会長、能見善久学習院大教授)は9日、これまで4段階に分けて算定するとしていた避難生活の精神的損害額を、3段階に見直す方針を固めた。また、精神的損害の賠償金は、年齢に関係なく、同一額を個人に対して支払うことで意見がまとまった。 政府の指示で避難生活を送る住民については、5月31日に公表した2次指針で、精神的苦痛が大きいと考えられる順に(1)避難所・体育館・公民館等(2)仮設住宅・知人宅等(3)ホテル・旅館等(4)屋内退避--の4段階に分け、金額に差を付ける方針を示していた。 見直しでは、仮設住宅・知人宅・ホテル・旅館等に避難した人を基準として1人当たりの支払額を決める。避難所や体育館等に暮らす人は、プライバシーの確保などの点で特に過酷な生活をしていると認められることから一定額を加算。逆に、屋内退避をした人
大相撲の八百長問題で日本相撲協会から解雇され、力士としての地位保全などを求めた仮処分申請で、協会と一時的に和解した元幕内・蒼国来は9日、東京都内で記者会見した。1年間は幕内力士の給料と同じ月額約130万円の仮払金を受け取ることが可能になり、「裁判所に自分の気持ちを分かってもらえて良かった」とひとまず安堵(あんど)の表情を浮かべた。 蒼国来は4月に解雇された後も、所属していた荒汐部屋(東京都中央区)で生活を続けてきた。「自分で少しずつ体を動かしている」と言い、時には土俵に下りて部屋の若い衆に胸を出すなど復帰への意欲は衰えていない。来月の名古屋場所に合わせて今月中旬に愛知県内の宿舎へ移る部屋の力士らに同行する。 司法判断は正式な裁判の場に持ち込まれる。敗訴した場合は仮払金も返還することになるが、「潔白を明らかにしたい」と語った。【飯山太郎】
地位保全と給与支払いを求めた仮処分で日本相撲協会との和解が成立し会見する蒼国来(左から2人目)=東京・霞が関の司法記者クラブで2011年6月9日午後2時21分、須賀川理撮影 昨年夏場所の元春日錦(前竹縄親方)戦で八百長を行ったとして日本相撲協会から解雇され、力士としての地位保全や給与仮払いを求める仮処分を東京地裁に申し立てていた元幕内・蒼国来(27)=中国出身=が9日、協会との間で一時的に和解したことを明らかにした。協会が今月から1年間、幕内力士としての給料(月額130万9000円)を仮払いする内容。元蒼国来側は仮処分申請を取り下げ、来週にも地位確認を求めて東京地裁に提訴する。 会見した元蒼国来と代理人弁護士によると、地裁が先月末、和解案を示し双方が応じた。仮払い1年分は訴訟にかかる期間を考慮したものとみられ、協会側は勝訴した場合、仮払い給与の返還を求める意向という。 和解案には「合意後、
File Not Found. 該当ページが見つかりません。URLをご確認下さい。 お知らせ 事件・事故のジャンルを除き、過去6年分の主な記事は、インターネットの会員制データベース・サービスの「京都新聞データベース plus 日経テレコン」(http://telecom.nikkei.co.jp/public/guide/kyoto/)もしくは「日経テレコン」(本社・東京 http://telecom.nikkei.co.jp/)、「ジー・サーチ」(本社・東京、 http://www.gsh.co.jp)のいずれでも見ることができます。また、登録したジャンルの記事を毎日、ネット経由で会員に届ける会員制データベース・サービス「スカラコミュニケーションズ」(本社・東京、http://scala-com.jp/brain/) も利用できます。閲読はともに有料です。 購読申し込みは下記のページから
東京電力福島第一原発事故直後から、インターネットでの情報集めが欠かせなくなった。横浜市磯子区のウェブデザイナー本橋一美さん(39)は毎日数時間、事故の状況や、各地の放射線量のデータなどを求め、モニター画面を追う。 これまで、環境やエネルギー問題に興味があったわけではない。だが、一人娘(3つ)を思うと、「すぐに影響がなくても五年、十年先は大丈夫なのか」。不安は消えない。 自宅は同原発から二百キロ以上離れていて、「放射線量は人体に影響がないレベル」とされる。それでも三月いっぱいは、娘と妻(34)を岐阜県内の知人宅に預けた。家族がそろった今、妻と一番気にしているのが、子どもに影響が大きいとされる、食品などによる内部被ばくだ。
栃木市中心部の飲食店やホテル、旅館で十一、十二の両日、県内で食材として親しまれているモロ(サメ)を使った特別メニューの食べ比べ会が実施される。県外ではなじみが薄い地元のB級グルメを広くPRし、まちなか活性化を図るのが狙い。モロの多くが宮城県の気仙沼港で水揚げされていることから、消費拡大による東日本大震災の被災地支援にもつなげる。 参加するのは、オールウェイズカマヤ、なすび食堂、栃木グランドホテル、かな半旅館、好古壱番館の五店ですべて同市万町に店を構える。町内にあった福田屋百貨店栃木店が二月に閉店したことから、衰退を防ごうと五月に五店で「小江戸とちぎ万町ローカルフード研究会」を発足させ、企画を進めてきた。 同研究会によると、モロは他県ではあまり食べられていないが、日持ちするため、海無し県の栃木では貴重な魚肉として昔から家庭の食卓に上っていた。 食べ比べ会のメニューは各店が独自で用意。煮付けや
筒井信隆副農相は9日の記者会見で、東京電力が計画している福島第2原発にたまった放射性物質を含む汚染水の海洋放出に反対していることを明らかにした。 筒井氏は「浄化して放出するとしているが、放射性物質を含んでいることには変わりない」と指摘。「3000トンも放出すれば海への悪影響はもちろん、風評被害を巻き起こす。承服することはできない」と強調した。
【ワシントン白戸圭一】米上院外交委員会は8日、米政府によるアフガニスタン民生支援の実態を調査した報告書(全51ページ)を公表した。報告書は米政府の支援がアフガン安定化に果たしてきた効果を疑問視し、巨額の資金流入が汚職や援助依存を助長していると断定。支援方法の見直しを政府に求める厳しい内容となっている。 オバマ大統領は7月にアフガン駐留米軍の撤退を開始し、民生支援中心の関与に段階的に切り替えていく方針だが、民生支援に対する議会からの批判は今後の戦略策定にも影響を与えそうだ。 米国はアフガンに対し、02年から昨年まで総額約190億ドル(約1兆5200億円)の民生援助を投入。国別では最大の援助供与先となっている。 報告書は、資金全体の80%が投入されたアフガン南部・東部の「安定化計画」について「吸収不能なほど多額の資金が地元の共同体を不安定化させ、経済を混乱させている」と批判し、政府に再検討を要
トッパングループが、2011年7月11日から、東日本大震災被災地の仮設住宅地域を巡回する移動図書館「ブックワゴン」をスタートすると発表しました。2台の車両に各2,000冊の図書を載せ、宮城県を中心とした仮設住宅地域を回り、移動図書館サービスの提供と被災地域のニーズに合わせた各種イベントの開催を行うようです。オフィシャルサイトが7月1日にオープン予定とのことです。 BOOKWAGON by TOPPAN http://bookwagon.jp/ トッパングループ、被災地域での移動図書館「ブックワゴン」をスタート~仮設住宅地域を移動図書館で巡回、本と人がふれあうコミュニケーションの場を提供します~(凸版印刷 2011/6/7付けプレスリリース) http://www.toppan.co.jp/news/newsrelease1229.html
【ニューヨーク=柳沢亨之】8日付米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、「西側の一部諸国」が、福島第一原発事故を巡る天野之弥・国際原子力機関(IAEA、本部・ウィーン)事務局長の対応ぶりに不満を強めており、重要な国際会合で意図的な「天野外し」を行っていると伝えた。 同紙によると、主要8か国(G8)のうち3か国の原子力担当高官が、IAEAは福島事故に関する迅速で正確な情報提供に失敗し、天野事務局長は「依然として日本政府の影響下にある」との懸念を持っていると伝えた。このため、6日から始まったIAEA定例理事会の最中の7日にパリで原発安全策を巡る閣僚級会議を開いたほか、IAEA年次総会が行われている9月22日にも国連本部で同様の閣僚級会合を開き、天野事務局長が出席できないようにしたという。3か国の国名は報じられていない。
福島県内では、学校や家庭で放射線を避ける生活を続ける子供たちの心身に、不調が見え始めている。体調を崩したり、外で遊べないストレスが募って保健室を訪れる児童も目立つ。 福島市立渡利小学校では、発熱などで早退する子が増えている。以前は1日に1人程度だったが5月半ばからは、ほぼ連日数人になり、今月6日は8人に。高橋友憲校長は「子供のストレスが高まっているのだろうか」と心配する。 郡山市立芳賀小学校で養護教諭を務める柴田廷子さんは「軽い打撲や擦り傷で保健室に来る生徒が増えた」。校庭の使用時間が制限され、校舎内で走り回ってけがをする子も多い。生徒同士の小競り合いなどトラブルも増えていると話す。 同市の小児科医、菊池信太郎さんによると、放射線によるストレスはリスクを理解できる高学年に表れやすい。教諭らは児童から「将来、出身地を隠したほうがいいの?」「県外に行ったらいじめられそう」といった相談を受けると
MV22オスプレイ=ニューリバー航空基地(米南部ノースカロライナ州)で2010年10月26日、古本陽荘撮影 米国防総省が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備を表明した件で、同市の安里猛市長は9日、沖縄県庁を訪れ「今も騒音防止協定が守られておらず、これ以上の基地機能の拡充は絶対受け入れられない。市民は配備に断固反対」との見解を正式に県に伝えた。13日に市役所で市議会や市民団体と抗議の座り込みを実施する考えも明らかにした。 北沢俊美防衛相が週末にも沖縄県を訪れて仲井真弘多知事と会談する予定のため、安里市長は「宜野湾の声を(防衛相に)伝えてほしい」とも要請した。 知事は訪米中のため、基地問題担当の又吉進知事公室長が応対し「知事も現時点では配備に反対している。オスプレイが安全という根拠が示されておらず、日本政府に回答を求めていく」と答えた。 米国防総省はオ
文部科学省は8日、東京電力福島第1原発の20キロ圏外の11カ所の土壌から放射性ストロンチウム89と90を新たに検出したと発表した。ストロンチウムは骨のがんや白血病の原因になる恐れがあるとされるが、同省は「検出量は微量で、健康への影響はない」としている。 土壌は3月下旬~5月上旬に採取され、土壌1キロ当たりの検出値は、29キロ西北西の浪江町が最も高く「89」が1500ベクレル、「90」が250ベクレル。次いで36キロ北西の飯舘村で「89」が1100ベクレル、「90」が120ベクレル。最も遠かったのは62キロ北西の福島市で「89」が54ベクレル、「90」が7.7ベクレルだった。 これまでの同省の調査で、ストロンチウムは30キロ圏外の3カ所、20キロ圏内の4カ所の土壌から検出されている。【木村健二】
【ニューヨーク山科武司】シリアのアサド政権による民主化要求デモへの武力弾圧について、英仏独とポルトガルの4カ国は8日、シリア政府を非難する修正決議案を国連安全保障理事会に配布した。先月25日にまとめた決議案に、ロシアの主張などに配慮し一部変更を加えた内容で、グラント英大使は「大規模な人権侵害が(新たに)発生している。数日以内に採択したい」と早期採決の必要性を訴えた。 修正決議案は、当初案と同様にシリア情勢を「深刻な憂慮」と指摘し、反政府デモに対する武力弾圧を非難。さらにロシアの提唱する「政治的な解決」の趣旨を盛り込む形で、新たに「シリア情勢の唯一の解決策は、同国主導の包括的な政治過程にある」との表現を追加。シリア政府に「政治改革の完全履行」を求めた。 その上で、シリア北部ジスル・アッシュグールや、南部ダルアーでの武力衝突の即時停止や政治犯の釈放などを求めた。だが、チュルキン露大使は「決議が
富岡幼稚園は週に2回、避難所に園児を集めて遊ぶ時間を設けている=福島県郡山市のビッグパレットふくしまで伊澤拓也撮影 東京電力福島第1原発の30キロ圏内にある福島県の私立幼稚園7園が存続の危機に立たされている。公立のように教室を間借りして子供を預かることができず、園児が次々と県内外に疎開しているためだ。県の私学助成金も運営実態がないため今年度はゼロ。早くも閉園を考える経営者が出始めている。 県全私立幼稚園協会によると、5月下旬までに県内の全私立幼稚園児の8%にあたる計1537人が園を離れた。休園している7園については園児が散り散りになっており正確な数が分からないが、苦境を訴える園が多いという。 同原発の警戒区域(原発から20キロ圏)と緊急時避難準備区域(20~30キロ圏)内には幼稚園が27園あり、うち7園が私立。富岡町の小高い丘にある富岡幼稚園もその一つだ。原発から約10キロの距離にあり、園
東日本大震災で津波被害を受けた仙台市若林区の住民が、地元に近い仮設住宅への入居を始めた。当初は内陸の仮設住宅が想定されていたが、住民が独自に実施したアンケートで「近くに住みたい」という意見が続出。この結果が行政を動かし「地元での暮らしを続けたい」という願いがかなった。 大半の住宅が流された若林区荒浜地区や六郷地区では、800人以上が避難所生活を余儀なくされた。市は当初、荒浜から約3キロの同区荒井地区などで仮設住宅の建設を検討したが、国や宮城県との協議が進まず、荒浜から約10キロ離れた再開発地区「あすと長町」(太白区)での建設を進めてきた。 荒浜地区を含む「七郷地区町内会連合会」は3月下旬、主に住宅を失った住民を対象に独自のアンケートを実施。約500人から回答があり「子供がいるので地元の中学校の近くがいい」といった声が相次いだ。荒浜や六郷地区の有志も4月上旬、同様にアンケートを配布。計288
陸前高田ドライビング・スクールの三陸技能講習センターで行われている解体用建設機械の講習の受講者たち=岩手県陸前高田市で2011年5月31日、竹内幹撮影 東日本大震災から間もなく3カ月。被災地では、復旧作業に関連する運転資格を得ようと、重機やフォークリフトなどの技能講習を受講する人が増えている。岩手県陸前高田市の陸前高田ドライビング・スクールの三陸技能講習センターでは、5月の受講者数が前年の5倍以上の約180人となった。 同市の堀籠(ほりごめ)敏彦さん(50)は、勤めていた自動車整備工場が津波で流されたため解雇された。「求人票を見ると、職種はがれきの撤去作業が多い。とにかく行動するしかない」と真剣な表情で講習に臨んでいた。【竹内幹】
【ブリュッセル斎藤義彦】北大西洋条約機構(NATO)主導の多国籍軍によるリビア攻撃がこう着状態に陥る中、攻撃を主導する英米は8日、ブリュッセルでのNATO国防相会議で他の加盟国に攻撃への参加など積極的な対応を求めたが、公式に応じた国はなく、責任分担協議は空振りに終わった模様だ。背景には地上軍の展開がないままこれ以上、軍事圧力を強めても最高指導者カダフィ大佐退陣には結びつかない、との認識の広がりもあるようだ。 会議では、対リビア作戦に参加していないドイツは態度を変えなかった。ドイツ外交筋は、多国籍軍の攻撃で「大佐による市民の虐殺が阻止された」と作戦に一定の評価をしながらも、「あとは外交的解決しかないのではないか」と話した。 作戦不参加のチェコの国防関係者も「アフガニスタンで貢献している」と、これ以上の責任分担は困難との見方を示した。 一方、英米は、NATO加盟28カ国のうち、作戦参加が14カ
【ウィーン樋口直樹】シリアが極秘に原子炉を建設していた疑いが深まったとして、米欧などは9日、ウィーンで開会中の国際原子力機関(IAEA)の定例理事会で、国連安保理への付託を求める決議案の採決に踏み切る。毎日新聞が入手した最終決議案は、未申告の原子炉建設などが保障措置(査察)協定の「不順守」に当たると断じた。日本も共同提案国に加わる。ロシアや中国は慎重姿勢だが、賛成多数で採択される公算が大きい。 IAEA理事会に対シリア決議案が付されるのは初めて。天野之弥事務局長は先月下旬、07年9月にイスラエル軍に空爆、破壊されたシリア東部デリゾールで建設中だった施設について「原子炉だった可能性が非常に高い」との報告書をまとめていた。天野氏はまた、北朝鮮による技術協力の可能性も示唆。米国は、核兵器開発に向けたプルトニウム製造用の秘密原子炉だったと非難している。シリアは「使用されていない軍関連施設だった」と
政治 尖閣で慰霊祭検討 石垣市長、政府に上陸許可要請2011年6月9日 Tweet 【石垣】石垣市は1945年7月の尖閣列島戦時遭難事件の慰霊祭を慰霊碑がある尖閣諸島・魚釣島で開催する方向で調整している。8日までに中山義隆市長が民主党県連を通じ、民主党本部や政府に上陸許可を求める要請書を送った。10日にも党本部、政府関係者と会って直接要請する。 上陸許可が下りれば市主催で慰霊祭を開催する。政府は国の機関を除き上陸を認めない方針を採っており、実現するかは不透明だ。 尖閣列島戦時遭難者遺族会の慶田城用武会長は「市が主催して慰霊祭を開催する気持ちはありがたいが、領土問題もあり日中友好の妨げになるのであれば関与しない」と慎重な立場を取っている。 次の記事:超早場米を収穫 例年より1カ月遅れ>> 今日の記事一覧 今月の記事一覧 最近の人気記事
政治 オスプレイ 防衛省、ネットで安全情報収集 米が詳細提供せず2011年6月9日 Tweet 【東京】普天間飛行場に2012年後半に配備が予定されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイをめぐり、米側が安全性に関する詳細な情報を提供せず、防衛省がインターネットで米国防総省のオスプレイに関する公表資料や米国内の環境影響評価(アセスメント)などで情報を収集をしていることが、8日分かった。 複数の政府関係者が明らかにした。 同日行われた県選出国会議員の意見交換でも、オスプレイ配備について説明に訪れた防衛省の担当者が米側から資料提供を受けていないことを認めた。開発段階で事故が多発した同機の配備に対し地元の懸念が強まる中、両政府が詳細な情報を共有してこなかったことが問題となりそうだ。 政府関係者によると、日米防衛当局はオスプレイの配備について議論をしてきたが、米側が「軍事機密」などとして性能
宜野湾市長、配備反対で県に連携要請 政治 2011年6月9日 12時48分Tweet(5時間15分前に更新) 宜野湾市の安里猛市長は9日、県庁に又吉進知事公室長を訪ね、米政府による普天間飛行場への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備方針について「現在でも常周経路などが守られない中で断固反対というのが市民の声だ」として、協力して配備に反対するよう要請した。 又吉氏は「普天間では全くといっていいほど負担軽減がなされない。何をもってオスプレイを安全というのか、国に説明を求めていく」と強調。また13日で調整中の北沢俊美防衛相との会談で仲井真弘多知事が直接、現時点での配備に反対の意思を伝えるとの見通しを示した。
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記事一覧 原発避難域に科学的基準を 隣々接自治体の越前市長 (2011年6月9日午前10時05分) インタビューで住民避難の範囲設定について「科学的根拠による基準が必要」と話す奈良市長=福井県の越前市役所 福島第1原発事故では、住民避難や屋内退避の対象が原発周辺20キロ、30キロ圏内に及んだ。福井県越前市は原発の隣接自治体のさらに外側にある「隣々接自治体」だが、市内のかなりの部分が敦賀原発から20キロ圏内に含まれる。奈良俊幸市長は、県原子力防災計画の見直しで住民避難の対象となるEPZ(防災対策重点実施地域)の拡大を図るべきだと指摘。範囲設定も同心円の線引きでなく「放射性物質の拡散予測など科学的根拠を元にした基準が必要」と述べた。 ―事故発生後、住民の反応は。 「市民と懇談する地域ミーティングでは、ほぼすべての地区で原子力防災に関する質問が出る。強い不安感があると実感している」 ―国の
衆院財務金融委員会は8日、金融機能強化法改正案を全会一致で可決しました。同法案は、東日本大震災で被災した金融機関を支援するため、国(預金保険機構)が資本参加し、被災企業に対する債権放棄や新規融資を進めるのがねらいです。 日本共産党の佐々木憲昭議員は質疑で、被災者支援のために地方銀行や信金、信組に対する資本増強は求められているが、震災後も何千億円もの黒字を見込む大手銀行にはまったく必要ないと指摘しました。 自見庄三郎金融担当大臣は「震災の影響などを審査のうえ、個別的・具体的に判断する」とのべ、体力のある大手銀行は実際には対象にならないとの考えを示しました。 佐々木氏は「(資本増強で)体力はついたが、被災者に役立たないのでは意味がない」と指摘。国が資本参加した金融機関が、返済猶予や債権放棄、新規マネーの供給などを進めるよう求めました。 東祥三金融副大臣は「貸付条件変更、新規の信用供与などを金融
7月24日の地上デジタル放送完全移行を、岩手・宮城・福島の被災3県で最長1年間延期する電波法の特例法案が7日、参院総務委員会で審議されました。日本共産党の山下芳生議員は、アナログ放送から地デジ放送に移行すると、多くの視覚障害者が利用している携帯用FMラジオでテレビ放送の音声が受信できなくなる問題を取り上げました。 厚生労働省の「平成18年身体障害児・者実態調査結果」によると、視覚障害者の情報入手方法の第1位がテレビ(66%)でした。山下議員は、視覚障害者が携帯ラジオを「体の一部のように使用している」状況について、全日本視覚障害者協議会(全視協)の山城完治総務局長への聞き取り調査を紹介しました。 それによると、安価で操作しやすい携帯ラジオは、「台所や寝室に2、3台置いて、時計替わりになっている」こと。携帯電話の「ワンセグ」は高価で操作も難しく、地デジ化でテレビが聞けなくなると「世の中から切り
日本共産党の紙智子議員は7日の参院農林水産委員会で、政府米の保管やカビ確認など米の包括的民間委託の問題点をあげ、「『食の安心、安全』に万全を期すのが農水省の役割。包括的民間委託はやめるべきだ」と主張しました。 米の包括的委託は、昨年の通常国会で廃案になった農水省設置法改定案に盛り込まれていたもの。紙氏は、農水省が昨年10月から法令の改定もせず実施したことを批判。「2008年に汚染米が食料米として流通した事件は政府の管理不備によるもの。事件を反省するのなら食の安全に今まで以上に国が責任を持つべきだ」と求めました。 紙氏が委託事業者名などをただしたのに対し農水省は、住友商事(外国産米穀取扱数量=70万トン)、三菱商事(70万トン)、日通グループ(20万トン)の3社が受注し、さらに720社に保管、運送、カビ確認、カビ毒検査、変形加工などの業務を再委託していることを明らかにしました。 紙氏が、汚染
日本共産党の山下芳生議員は8日の参院災害対策特別委員会で、原発事故で操業自粛に追い込まれている福島県の漁業関連業者への賠償・仮払いが放置されている問題をとりあげ、国の責任で東電に対し速やかに仮払いを行わせるよう求めました。 山下氏は、いわき市漁協を訪問したさいに、漁師や仲買人から「収入ゼロで1円の賠償金ももらっていない。貯金をとりくずしてしのいでいる」と悲痛な声が寄せられていることを紹介し、「事故から3カ月もたつのにあまりに異常だ」とただしました。 農水省は、現在、東電による仮払いは、茨城と栃木両県の農協関係と茨城県の漁協のみで、3、4月分の請求34億円に対して5億円だけだと報告。文科省は、原賠審(原子力損害賠償紛争審査会)の指針では漁師以外の関連業者は仮払いの「対象ではない」と述べました。 山下氏は、「漁業は、仲買人や製氷業者や燃油業者などの関連産業がダメになってしまえば成り立たない」と
日本共産党の穀田恵二国対委員長は8日、国会内で記者会見し、民主、自民、公明の3党が政府案を修正する形で合意した復興基本法案について、「修正の議論の仕方も、法案の内容そのものも極めて問題がある」と指摘しました。 穀田氏は、衆院東日本大震災復興特別委員会で審議が行われていたが、自公などから内閣不信任決議案が提出されるなか修正合意した事実をあげ、「基本法案について各党がそれぞれ問題点を指摘していたにもかかわらず、3党だけで水面下で合意してしまった。こうした経過は非常に問題だ。しかも早期に通すか通させないかが、菅首相の退陣問題など政局に絡めて議論されているのは極めて党略的だ」と批判しました。 さらに、修正基本法案の内容上の問題点について、「被災者一人ひとりの生活と生業の再建を復興の土台にしなければならないのに、その視点が盛りこまれていない」と指摘。それどころか、民主党や自民党が言ってきた「構造改革
(写真)佐藤正雄福井県議(左奥)から説明を受ける京都府、兵庫県の各議員団=8日、福井県美浜原子力PRセンター 日本共産党京都府議団、兵庫県議団と京都市、綾部市、舞鶴市の各市議団は8日、福井県若狭湾にある関西電力の原発群を訪れ、合同調査を行いました。 県庁で佐藤正雄党福井県議から報告を受けた後、県原子力担当課や、防災担当課の課長から説明を受けました。 「自治体の境はあっても、災害に境はない。住民の避難方法をどう考えているか」(後野和史舞鶴市議団長)、「琵琶湖への影響はどう考えるか」(迫祐二京都府議)と質問。県側は「そもそも琵琶湖に影響を与えるような原発事故は起こらない」と“安全神話”に立った答えをしました。 福井県には現在、15基の原発(使用済み核燃料を保管中の廃炉『ふげん』含む)があり、うち11基が関西電力の原発です。美浜発電所をはじめ、同県の原発の多くが活断層から1キロ以内に建っています
原子力安全対策の根本的な見直しが不可避である―。政府の原子力災害対策本部が7日に国際原子力機関(IAEA)に提出した福島原発事故報告書は、地震・津波の想定をはじめ、過酷事故(シビアアクシデント)への対応策、災害時の広域避難や放射線防護のあり方など、これまでの安全対策の不備を認めざるを得ませんでした。 報告書は「事故の教訓」として28項目を掲げました(別項)。 津波については、発生頻度や高さの想定が不十分だったこと、手順書でも津波の浸入を想定していなかったことを認め、対策を講じるとしています。 また事故の大きな要因として、必要な電源が確保できなかったことをあげて、多様な非常用電源の整備の必要性を明記しました。原子炉の熱を最終的に逃がすための海水ポンプの機能喪失など、冷却機能が失われたことが事故の重大化につながったとしました。 地震による被害については、安全上重要な設備は現在まで大きな損壊は確
「武器輸出三原則」を崩す策動がきわめて重大な段階に入っています。北沢俊美防衛相が3日の日米防衛首脳会談で、日米で共同開発中の弾道ミサイル迎撃用のミサイル「SM3ブロック2A」を、米国以外の「第三国」に移転する計画を認める方針をゲーツ米国防長官に伝えました。 日米が共同開発・生産した武器の「第三国移転」は、軍事的な支配を拡大したい米国と武器輸出で大もうけしたい日本の財界・兵器産業の一致した要求です。武器禁輸原則を崩してまで米国と財界の利益に奉仕する民主党政権の危険性は明白です。 事実上の「事前同意」 ミラー米国防副次官は昨年12月米議会で証言し、2018年までに「SM3ブロック2A」を運用開始しポーランドに24基を配備する計画を示しました。北沢防衛相の発言がこの米政府の動きに呼応するものであるのは明らかです。 日米共同で開発した武器を米軍の戦略で「第三国」に移転するのを日本が認めるのは重大で
東日本大震災の被災者を狙い、法外な高金利でお金を貸し付ける無登録の「ヤミ金」業者が被災地で暗躍し始めた。 自宅が損壊したり、勤務先が操業を休止したりして生活に困っている被災者が被害に遭うケースが出始め、正規業者の業界団体である日本貸金業協会や、被災地の地方自治体は注意を呼びかけている。 宮城県東部の40代の男性は何度か携帯電話にヤミ金業者から「借りませんか」と勧誘を受け、つい借りてしまった。自宅は半壊し、勤務先も営業を休止。生活資金が底をつき始めていたところで、1万5000円を借りてしまったという。その後も携帯電話に別のヤミ金業者から次々と電話がかかってきたという。数社から計7万5000円を借りた。1週間後に最初の業者から「倍にして返せ」「被災地でも生きている限り取り立てる」と返済を催促する電話が何度もかかってきたという。近所にも「借金払わせろ」と電話がくるようになり、弁護士に交渉を依頼し
東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2011/6/8現在) 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況について,『カレントアウェアネス-E』での既報(E1155,E1161,E1166,E1172参照)に続き,2011年6月8日までの情報をまとめた。 ●公共図書館の開館状況 5月13日に再開館した宮城県図書館では,新聞社から寄贈された震災直後からの数週間分の新聞を展示する特別展「東日本大震災を関東以西の新聞はどう伝えているか」を開催している。福島県のいわき総合図書館,宮城県の東松島市図書館や石巻市図書館,岩手県の大船渡市立図書館も,5月末から6月初めにかけて,サービスを再開している。 仙台市では,5月3日からサービスを再開した市民図書館を含む4館が6月1日から通常の開館時間に戻り,移動図書館も5月31日から通常運行となっている。一方,同市の宮城野図書館,榴岡図書館,泉図書館は再開の見通しが立た
並行在来線・木古内−五稜郭 新幹線開業後の維持に木古内町長慎重 (06/09 09:59) 【木古内】渡島管内木古内町の大森伊佐緒町長は8日の町議会で、2015年度の北海道新幹線新青森−新函館(仮称)開業に伴いJR北海道から経営分離される並行在来線の江差線木古内−五稜郭(函館)間について、道が示した第三セクターで鉄路を維持した場合の収支予測を踏まえ、「町の負担配分が大きければ、鉄路維持は難しい」との認識を示した。 道は5月10日、国の経営支援強化によって三セクの単年度赤字額が1億円以上圧縮され、1億5千万円程度になるとの予測を示した。 大森町長は国の経営支援策に路盤整備費が含まれていないことを指摘し、「このまま三セク(での維持)を受け入れれば将来にわたって路盤整備の負担が生じる」と述べた。 経営分離後の運営形態については、道と江差線沿線の函館、北斗、木古内の2市1町が三セク方式での鉄路維持
当「ICUのミスコン企画に反対する会」の有志により、以下の共同声明が作成されました。 2011年6月8日づけで清書されたものを、日本時間9日に以下に送付致しました。(敬称略)ICU祭実行委員会委員長、ICU祭実行委員会企画調整局担当者、ICU-CP9代表者、国際基督教大学ジェンダー研究センター センター長 ICU-CP9とは、ミスコン企画を立ちあげた学生団体です。 「国際基督教大学(ICU)におけるミスコン開催に反対する共同声明」 私たちは、国際基督教大学(ICU)に関わる様々な市民です。学生、常勤・非常勤の教員や職員、卒業生、近所の住民、出入り業者など、様々な立場でICUに関わり、関心をもっています。このたび、ICUでのミスコン開催が予定されていると聞きおよび、大きな危機感を抱いています。 ICUにおいてミスコンが開催されてこなかったことが「旧き時代が築いたあらゆる壁」の一つであり、ミス
カリフォルニア大学が予算削減に対して取る共同化戦略 2011年5月,米国カリフォルニア大学の全学図書館・学術情報諮問委員会(Systemwide Library and Scholarly Information Advisory Committee)が,図書館計画タスクフォース(Library Planning Task Force)による中間報告を発表した。このタスクフォースは,カリフォルニア大学の執行副総長兼学事長であるピッツ氏の要請によって2010年8月に組織されたもので,同大学の教員や図書館長,学外有識者等から構成されている。 今回の中間報告では,今後6年間にカリフォルニア大学図書館が直面する予算削減等の3つの課題について述べられ,対する4つの戦略とそれらを3段階(3年間)のフェーズで実行する計画が提案されている。 3つの課題とは以下のものである。 カリフォルニア州予算の削減等に
東京電力は9日、電源ケーブルの交換で準備が遅れていた、福島第一原子力発電所の専用港内で、放射性セシウムを含んだ海水を浄化する装置の運転を始めると発表した。 装置は、微細な穴が開いた鉱物のゼオライトを吸着剤に使い、ポンプで海水を通すとセシウムを60〜70%除去する。1時間に30トンの処理能力がある装置を2台設置する。 当初は1日に運転開始の予定だったが、300〜400メートルある電源ケーブルに不具合が見つかり、交換のため運転が遅れていた。 港内では現在、海水中の放射性物質が外海に出ないようシルトフェンスをはっているが、装置の運転でより積極的に浄化を進める。
トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事 【社会】 重体の5歳女児死亡 名古屋・瑞穂火災、死者7人に 2011年6月9日 13時03分 名古屋市瑞穂区豊岡通の無職野田功さん(79)方で7人が逃げ遅れた火災で、功さんの孫で意識不明の重体だった彰子ちゃん(5つ)が9日、入院していた市内の病院で死亡した。 愛知県警によると、死因は広範囲のやけど。同居の3世代8人で暮らしていた野田さん方の火事は、逃げ遅れて消防隊に救出された7人全員が死亡する惨事となった。 5月25日未明の火事で亡くなったのは、彰子ちゃんのほか、功さんと、功さんの長男修さん(54)、修さんの妻千明さん(43)、この夫婦の長男京伯(きょうはく)さん(17)、長女修子さん(11)、次女亮子さん(9つ)。全員2階にいて、就寝中だったとみられる。 県警の調べでは、修さんのパソコン3台が置かれた2階の一室の燃え方が激しかった。県警は
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、政府が子供らの立ち入りをさせないよう求めている緊急時避難準備区域に、中学生以下の子供が少なくとも1670人いることが9日、福島県内の対象5市町村への取材でわかった。 区域外に避難したが、仕事の都合で戻った保護者とともに帰ってきたケースが多いという。自治体では、区域外の学校に通うためのスクールバスの運行を始めたが、政府は「緊急避難が必要になる可能性があり、退去させてほしい」としている。 同区域の対象は、南相馬市と田村市の一部、警戒区域の原発から半径20キロ圏内を除く楢葉(ならは)町と川内村、広野町全域。 そのうち、子供が確認されているのは、ほとんどが同区域になっている南相馬市原町区で、現在、生活している約2万5000人のうち、少なくとも乳幼児170人、小中学生1500人が含まれているという。同区には震災前、中学生以下の子供は約6400人おり、3割近く
リビア・トリポリ(Tripoli)の居住敷地内に設置されたテント前に立つ最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐(2011年4月10日撮影)。(c)AFP/JOSEPH EID 【6月9日 AFP】国際刑事裁判所(International Criminal Court、ICC)のルイス・モレノオカンポ(Luis Moreno-Ocampo)主任検察官は8日、リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が反体制派弾圧の一環として軍隊に組織的なレイプを指示していた証拠が集まりつつあるとして、すでに「人道に対する罪」容疑などで請求しているカダフィ大佐の逮捕状に、集団レイプ容疑を加える方針を明らかにした。 モレノオカンポ氏によると、政府軍と反体制派の衝突が続くリビアの一部地域で、女性数百人が政府軍兵士にレイプされたとの報告が多数寄せられていると
同志社大を今年3月末に自主退学した住所不定、無職久保田翔容疑者(24)が、キャンパス内でコントラバス(約13万円相当)を3月下旬に盗んだとして、今月5日に逮捕された。 久保田容疑者が京都府警上京署の調べに「パチスロにのめり込んで生活費に困り、ほかにも盗んだ」と供述していることがわかった。捜査関係者によると、ビオラやギターなど楽器のほか、携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」3台、電子辞書2台、パソコン1台などを挙げており、同署は詳しく調べる。 同署によると、久保田容疑者は法学部に6年間在籍したが、数十万円の借金を抱え、最近はネットカフェを転々としていたという。
大勢の客で混雑する中、特製の生しらす丼を運ぶ「かあちゃんの店」の従業員=茨城県大洗町磯浜町で2011年6月7日、山崎明子撮影 東日本大震災では茨城、千葉の両県も津波や液状化の甚大な被害を受けた。間もなく震災から3カ月。両県の被災地を歩いた。 ◇津波被害の茨城・大洗 漁師料理店が再開 「お客さんがまた来てくれるか、半信半疑だった。こんな多くの人が来てくれるなんて」 6月1日、茨城県大洗町で漁協女性部が漁師料理を提供する「かあちゃんの店」が営業を再開した。午前10時の開店と同時に客が入り、昼時には行列ができた。厨房(ちゅうぼう)に立つ女性の一人、高倉きみ子さん(74)の顔には充実感が浮かんでいた。 高さ4.2メートルの津波に襲われた大洗町。港や船、魚市場の施設に大きな被害が出て、町の面積の1割近い200ヘクタールが浸水した。港に面したこの店も天井近くまで浸水。冷蔵庫やレジなどの電気製品は海水に
塩水につかった資料を手に取る佐々木さん。後世に伝えるため復元が急務だ=岩手県釜石市で2011年6月4日午後0時20分、長野宏美撮影 津波被害や戦災の歴史を伝えてきた岩手県釜石市の郷土資料館(同市鈴子町)で、東日本大震災の津波につかった資料が放置されたままだ。復元には文化財の扱いに慣れた人の手が必要だが、2人しかいない職員は被災者支援に追われている。館長の佐々木寿さん(50)は「今回の体験も語り継いでいきたいが、放置が長引くと復元が難しくなる」と気をもんでいる。 同館は89年に「郷土資料室」として発足。岩手県だけで1万8000人以上が死亡したとされる明治三陸地震大津波(1896年)の惨状などを伝える企画展を開いたり、子供たちに津波学習の場を提供してきた。 大震災では本館は無事だったが、資料庫内に保管されていた昭和期の民俗資料など百数十点が塩水をかぶり、昨夏にオープンした戦災資料館も津波で流さ
津波で損傷したコンクリート製の枕木を撤去する自衛隊員=岩手県釜石市で2011年6月8日午前10時38分、小関勉撮影 津波被害を受けた岩手県の第三セクター、三陸鉄道・南リアス線(釜石-盛<さかり>、36.6キロ)を復旧させようと、陸上自衛隊が「三鉄の希望作戦」に取り組んでいる。釜石市唐丹町の熊ノ木トンネルでは8日、隊員約30人が損傷を受けたレールや枕木、がれきの撤去作業に取り組んだ。 自衛隊は1日、2週間の予定で現地入りした。三陸鉄道南リアス線運行部(大船渡市)の平山祐介さんは「撤去作業は人手が必要なので、自衛隊員のおかげで助かった。まだまだ復活には時間がかかるが、その一歩となれば」と話した。【小関勉】
東日本大震災により、被災地では多くの公文書等が毀損・散逸しております。公文書等の 保全や毀損資料の救済・復元は、地域住民の生活と多様な文化の再生に不可欠であり、地方 自治の推進にとっても極めて重要であることから、その対応は喫緊の課題となっています。 そのため、全史料協では、これらの課題に対する的確な施策を実施されるよう、全国知事 会をはじめとする関係団体に働きかけを行いました。また、今後、国に対する働きかけも行 うこととしております。 なお、全史料協としても、これらの課題に速やかに対応すべく、5月26日に開催した第1回 役員会において「東日本大震災臨時委員会」の設置を決め、公文書等の保全・保存活動を一 層強力に推進していく体制を整えました。 ○要望状況 日 時 : 5月27日(金) 要望先 : 全国知事会、全国市長会、全国町村会 要望者 : 井口会長、小松副会長、西川事務局長、田辺(事務局
愛知県小牧市教委は8日、織田信長が1563年に築城した同市の小牧山城で、城郭の石に書かれた墨書として日本最古の石材が見つかったと発表した。 本丸北西側の斜面で、堆積岩の一種(縦60センチ、横35センチ、高さ20センチ、重さ93・5キロ)の石材に、縦書きで「佐久間」と書かれていた。城郭の墨書は、信長が1576年に築城を始めた安土城のものが最古とされていた。 市教委によると、「佐久間」は信長が家督を継ぐ以前からの重臣、佐久間信盛(1527〜81年)を指しているとみられる。小牧山城は信長が手掛けた最初の城で、奈良大学の千田嘉博教授(城郭考古学)は、「最も目立つ工区に重臣の佐久間信盛を割り当てて仕事をさせた。信長の巧みな人心掌握術をうかがわせ、興味深い」と話す。10〜22日、小牧市歴史館(0568・72・0712)で公開される。
石見空港(益田市内田町)ターミナルビル内に、市民発案のミニ図書館が設けられた。出発ロビー前の空きスペースを活用し、市民が寄贈した約200冊が並ぶ。乗客が機内へ持ち込むことも可能。また、地元の保育園や読み聞かせサークルなど、飛行機利用者以外の活用も歓迎している。 ターミナルビルでは昨年、テナント2店が撤退。空きスペースの活用策を模索していたところ、今年4月、同市下本郷町のインターネットプロバイダー、竹下一さん(30)がミニ図書館設置を提案。ビル運営会社が書棚を設けて市民に本の寄贈を募り、1日から運用を始めた。 同空港の就航便は現在、東京便の1日1往復だけだが、乗客のほか、市内の親子連れなど、ミニ図書館を活用する人が出ており、以前よりビルを訪れる人が増えているという。竹下さんは「少しでも空港がにぎわえば」と願っている。 開館時間は午前9時〜午後5時。引き続き、本の寄贈を募っている。問い合わせは
横浜市が東日本大震災の被災者向けに「たきがしら会館」(同市磯子区)に開設している一時避難所が6月末で閉鎖される問題で、同市は8日までに、開設期間を7月いっぱいまで延長することを決めた。近くの小学校に子どもを通わせる避難者の「夏休みまで同じ学校に通わせたい」との意向を受け止め、方針を転換した。 たきがしら会館には、福島第1原発事故の影響で福島県いわき市から避難してきた4家族13人が生活。うち2人が近くの市立滝頭小学校に通学している。 市側は開設当初から「6月いっぱいで閉鎖」と説明してきたが、小学生の子どもがいる避難者は「ようやく慣れてきた小学校に夏休みまで通わせたい」と、7月最後の登校日となる22日まで同会館に滞在できるよう、要望していた。 市側は7日にあらためて避難者の意向を確認、謝罪した上で、希望通り7月までの延長を決めた。市職員健康課は「避難者の考えについて認識が甘く、迷惑を掛け
相模原市議会6月定例会は8日、本会議を開き、佐藤賢司(新政クラブ)、大沢洋子(民主・新無所属の会)、加藤明徳(公明党)、藤井克彦(共産党)の4氏が代表質問に立った。 4氏は市の防災対策やリニア中央新幹線の市内への中間駅設置、保育所の待機児童解消、地方分権改革などについて質問した。 加山俊夫市長は小田急多摩線の延伸に関する今後の取り組みについて、「営業主体となることが想定される小田急電鉄や国、東京都、県など関係機関との合意形成が重要」と述べた。佐藤氏の質問に答えた。 小田急多摩線の延伸については先ごろ、相模原市と町田市の共同調査の内容が発表され、3駅整備など一定条件のもとであれば事業の採算性が成り立つとの結果が出た。
葉山町教育委員会の豊田茂紀教育長は8日、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所事故を受け、「毎年プールの水を抜く際に行ってきたヤゴなどの水性昆虫の採取を今年は4小学校とも中止した」と報告した。町議会一般質問(第2日)に答えた。 町側は、下水道などの放射線測定結果について「5月26日にサンプリングし、結果が6月7日に届いた。下水道の流入水、放流水は放射性ヨウ素、放射性セシウムが不検出。脱水汚泥は放射性ヨウ素、放射性セシウム137が不検出、放射性セシウム134は微量(10ベクレル/キログラム未満)との報告を受けており、町ホームページで測定値を公開する」と述べた。 豊田教育長は、小中学校6校で6月2日に実施した放射線測定結果を「校庭中央の地上50センチと1メートルで測定し、測定値は0・09マイクロシーベルト~0・10マイクロシーベルトだった。2回目は9日に実施する」と説明。「プールの
東日本大震災で親族を亡くした被災者に対し、県弁護士会は「知らぬ間に借金を相続してしまう可能性がある」として、主に東北地方からの避難者らに注意を呼び掛けている。財産のほか負債も相続されるため、「3カ月以内」に相続放棄の手続きをしないと、借金を背負うケースもあるという。震災から11日で3カ月を迎え、期限が迫る中、同会は手続き期間延長の申し立てなどを勧めている。 同会によると、民法の規定では親族が亡くなった場合、預貯金や土地などのほか、借金などの負債も相続される。相続を放棄する場合は「死亡や相続の開始を知ってから3カ月以内」に手続きをする必要があり、この期間を過ぎると相続放棄ができなくなる可能性が高いという。 例えば、事業の借金や住宅ローンを抱えた父母が津波で亡くなった場合、その負債も自動的に相続される。また震災で関係書類が無くなったり、財産や負債の詳細が分からず判断ができない場合には、家庭裁判
復興、原発収束が前提 福島知事、町村会と一致 福島県が策定する「復興ビジョン」について、佐藤雄平知事と県内の町村長が8日、意見を交わした。福島第1原発事故の収束が復興の大前提との認識で一致。首長からは教育現場の不安解消や放射能汚染の低減、風評被害対策などを求める意見が相次いだ。 会議には県町村会の役員を務める12町村長が出席。役場機能を埼玉県加須市に移転している井戸川克隆双葉町長は「いつ帰れるのかと町民に聞かれても、答えられない。避難所では金銭で解決できない心の問題が深刻化している」と訴えた。 原発から遠い会津地方も影響は大きく、星光祥桧枝岐村長は「東京と放射線量は変わらないのに、観光客が来ない」と述べた。津金要雄猪苗代町長は「観光は話にならない。大型バスが全く来ない」と報告した。 学校や農地の環境改善を要望する意見も目立ち、藤田幸治棚倉町長は「東白川郡は放射線量が毎時0.1〜0.3
宮城議員100人直訴 27日、国に復興策要請 宮城県議会と県市議会議長会、県町村議会議長会が東日本大震災の復興対策を求め、菅内閣への集団要請活動を行うことが8日、分かった。県内の地方議員が自治体の枠を超えて結集し、動きの鈍い政府に被災地の要望を突き付ける。 県議会が8日開いた大震災対策調査特別委員会の理事会で、活動方針がほぼ固まった。計画案によると、集団要請は6月27日に実施。参加者は県議30人、市議40人、町村議30人の計100人規模を見込んでいる。 当日は、午前中に主要省庁の幹部、各党の県選出国会議員らと意見交換し、被災地の現状や要望事項を直接訴える。 午後は10人ずつのグループに分かれ、首相官邸や各省庁、民主、自民など五つの政党本部、経団連、経済同友会、JR東日本などを訪問。復興に関する要請書を提出する。 3団体合同の要請活動は初めて。昨年11月、県議会が県内全ての市町村議会
島民より多い100匹以上の猫が住み、「猫の島」として知られる宮城県石巻市の離島・田代島の漁師らが、東日本大震災の被害復旧のため、全国の愛猫家に呼びかけ、島復興基金を設立した。 漁師らは「猫も人も安心して暮らせる島を取り戻してみせる」と再起を誓っている。 島の人口は95人。津波で70歳代の女性が行方不明となり、カキ養殖施設は壊滅し、沿岸部の住宅や定期船の待合所も流された。水道管が壊れ、今も断水が続く。 同島で「漁師民宿はま屋」を営む漁師・浜温(ゆたか)さん(52)によると、震災後、10匹以上の猫の姿が見えなくなったが、大半は山へ逃げて無事という。ただ、津波の恐怖からか、港に近づく猫が極端に減った。 島の猫はかつて養蚕業が盛んだった頃、ネズミ退治のために飼われ始めたといい、島内には「猫神社」もある。数年前、在京テレビ局が島を取り上げて注目を集めるようになった。人口の約8割が65歳以上の限界集落
大阪府の橋下徹知事は8日、府議会で成立した教職員に君が代の起立斉唱を義務づける条例について、府教育委員らと意見交換した。教育委員からは、大阪維新の会以外の主要会派が採決で反対したことについて「100%の民意を受けていない」と懸念を示す声が出たほか、知事が9月議会に提出を検討する教員や行政職員の処分基準を定める条例案にも慎重意見が相次いだ。 橋下知事は会合で、君が代条例について「力点を置いているのはガバナンス(統制)の問題」と説明。これに対し、教育委員らは公務員の規律厳格化をめざす趣旨については理解を見せたが、「府民の本当の願いはこういうこと(君が代の起立斉唱)で議論することなのか」との声も。起立斉唱を求める職務命令に従わない職員らの処分基準を定める条例案についても「そんなに焦らなくてもいい」との指摘が出た。 府教委はこの日、知事との意見交換後に開いた臨時教育委員会議で、君が代条例につい
出島から陸上自衛隊のヘリコプターで搬送された島民たち=3月12日午後2時25分ごろ、石巻市総合運動公園 ◎“細い糸”届いたSOS/孤立島民、ヘリで搬送 宮城県女川町の離島・出島(いずしま)。巨大津波に襲われ、島民らが一時孤立する事態に陥った。外部との連絡が途絶え、不安の中で一夜を過ごした島民は、翌日午後には陸上自衛隊のヘリコプターで全員が石巻市に無事搬送された。震災直後の混乱の中での「スピード救出」。それを可能にしたのは、1台の衛星電話だった。 養殖業が盛んで、釣り客にも人気の出島は人口約450人。地震発生時は350人前後が島にいたと推定される。 3月11日の津波は「高さ20メートル近かった」と島民たちは証言する。養殖施設や漁港に係留していた船はあっという間に流され、付近の家々も壊滅。町災害対策本部は後日、出島で13人が死亡、11人が行方不明だと確認した。 津波を逃れた住民たちは島
がれき・原発対応 法の空白解消を 首相に仙台市長が訴え 全国市長会の通常総会が8日、都内のホテルで開かれ、奥山恵美子仙台市長(東北市長会会長)が東日本大震災の被災地の市長を代表し、各地からの支援に感謝の言葉を述べるとともに、来賓の菅直人首相に「われわれに財源を与え、一日も早く具体の復旧に踏み出すようにお願いしたい」と訴えた。 奥山市長は「がれき、流された車、原発の問題など法が規定していないことがたくさん起こり、対処に苦労している。法の空白を検討し、制度を構築してほしい」と強調した。 首相は「被災地の市長、職員の皆さんは自ら被災しながら被災者支援、復旧に当たっている。さらなる支援をお願いする」と話した。 被災者の生活再建や産業復興支援の震災対応に加え、福島第1原発事故を受けた安全対策強化、風評被害対策などを求める緊急決議を採択した。
高速無料化 仙台南部、仙台松島も対象 県、被災者に配慮 東日本大震災の被災者を対象に20日から実施される東北地方の高速道路の無料化を受け、宮城県は8日、県道路公社が管理する仙台南部道路と仙台松島道路(三陸道利府中―鳴瀬奥松島インターチェンジ)を無料にすると発表した。 両道路は、既に無料化が決まっている三陸道や東北自動車道と一体的に機能しており、県は、利用する被災者の利便性に配慮した。 無料化は、被災地の復興支援策として国が決めた。対象は白河インターチェンジ(IC)以北の東北道や常磐道、山形道、磐越道など11区間。料金所で罹災(りさい)証明書などの提示が必要となる。期間は1年間。 被災者以外でも、バスやトラックなど中型車以上の場合は8月末まで無料となる。 青森県も8日、被災者を対象に県道の「みちのく有料道路」(青森市―七戸町)と「青森空港有料道路」(青森市)を無料化すると発表した。被
避難所の食事栄養改善 目標の8割超える 宮城県調査 宮城県は8日、県内の避難所で提供される食事内容や栄養量に関する2回目の調査結果を発表した。4月上旬の前回調査では大半の避難所でカロリーや栄養素が不足していたが、今回は摂取目標量に近づき、栄養状況は大幅に改善された。 エネルギー提供量は1日平均1842キロカロリーで、前回比296キロカロリー(19.1%)増。厚生労働省の摂取目標(2000キロカロリー)の92.1%となった。 栄養素別の平均提供量は調査したタンパク質、ビタミンB1、B2、Cで前回より17.1%〜51.3%増加し、ビタミンCを除き、目標値の約8割以上に改善された。ビタミンCは前回より改善したが目標の48.4%にとどまった。 97.5%の避難所で1日3食の食事を提供。食事内容をみると、1日当たりの平均提供回数は肉や魚などの主菜が2.0回(前回1.5回)、牛乳・乳製品が0.7
小児・産科、経営危機 原発事故で市外へ避難 南相馬市 患者の激減によって、休診に追い込まれた小児科クリニック=南相馬市原町区 福島第1原発事故の影響で、南相馬市の小児科と産婦人科の医療が危機に見舞われている。小学生の3分の2が市外へ避難するという異常な状況が、病院の経営を直撃しているためだ。原発事故が収束する見通しは立たず、避難の長期化は必至。小児科と産科をめぐる環境は当面、好転しそうにない。 南相馬市には震災と原発事故まで、小児科医院が2カ所あり、さらに市立総合病院と民間の大町病院にも小児科があったが、全てが休診中だ。産婦人科で現在も開業しているのは医院1カ所だけ。医院2カ所と市立総合病院、大町病院の産婦人科が休診している。 相馬郡医師会によると、市内の小児科医院の一つには原発事故前、患者が月1000人以上いたが、事故後は10分の1以下に減り、休診に追い込まれた。市内に子どもがいなく
仙台港・コンテナ船再開 港湾機能全て回復 コンテナの取り扱い業務を再開した仙台港の高砂埠頭ターミナル=8日午前11時40分ごろ、仙台市宮城野区 仙台港(仙台市宮城野区)は8日、国際コンテナ取り扱い業務の再開で、全ての機能が回復した。東日本大震災後初となるコンテナ船出航には荷主らも立ち会った。ガントリークレーンの修理などが残り、完全復旧には至っていないが、関係者は国際物流拠点の復活に「今後の産業集積の弾みになる」と歓迎した。 仙台港は津波によって大量のがれきが流入し、多くの港湾施設が損壊した。その後の復旧作業で、一般貨物船とフェリーの定期船の入出港は4月中に再開。しかし、港の南側にあるコンテナ専用の高砂埠頭(ふとう)は敷地内に散乱したコンテナが多く、復旧に時間を要していた。 出港に立ち会った宮城県仙台塩釜港湾事務所の石沢秀春所長は「当初は復旧まで半年かかると考えていた」と説明する。代用ク
震災時の亀裂がそのままで、雨が降ると壁から雨漏りが生じる箇所もある=5月30日、仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城 音楽ホールでは宮城県内最大の客席数(1590席)を誇る東京エレクトロンホール宮城(仙台市青葉区)の大ホール。震災当日の3月11日は、定期演奏会を翌日に控えた陸上自衛隊東北方面隊音楽隊のブラスバンドが、リハーサル中だった。 音響・照明を手掛ける東北共立の小林俊哉さん(53)は、舞台南側の袖にいた。「天井から200キロもある防火シャッターの重りが、幾つも降ってきた」と、小林さんは発生直後を振り返る。 <倒壊の危険回避> 音楽隊のメンバー約50人は、ステージから客席に逃げて無事だった。会議室を使用していた2団体の計数十人も、直ちに館外に避難。けが人はいなかった。 震災での被害を受け、所有者の宮城県は、施設の年内の使用停止を決めている。建物に倒壊の危険性はないものの、壁に
電飾55万個全損 光のページェント開催へ 仙台・実行委 保管先の倉庫が津波をかぶり、電飾は全て使えなくなった(実行委提供) 仙台市の冬の風物詩となっている「SENDAI光のページェント」の実行委員会(瀬戸敏之実行委員長)は8日、今冬のページェントを開催する意向を明らかにした。保管していた電飾は、東日本大震災の津波にのまれて全損した。開催が危ぶまれたものの、1億円を目標に全国から募金を集め、イベントを継続する考えだ。 実行委によると、例年、市内の企業や市民を対象に実施していた募金活動を、ホームページなどを活用して全国で展開。資金の状況や節電対策を踏まえて電球の個数や開催期間、点灯時間帯などを検討し、9月をめどに開催概要を決める。 市は、13日開会の市議会6月定例会に提出する補正予算案に、3000万円のページェント開催補助金を計上している。 25回目となった昨年の光のページェントは、開幕
原発風評 青森リンゴの台湾向け輸出激減 国に対策要請へ 2010年産の国産リンゴの輸出量が大震災発生後の4月、前年同月比で7分の1に激減したことが財務省のまとめで分かった。福島第1原発事故の影響で、主要輸出先の台湾の輸入量が大幅に減った。国産リンゴの9割を生産する青森県内のリンゴ農家は「完全な風評被害。国や県は対策を講じてほしい」と訴えている。 財務省の貿易統計によると、4月のリンゴの輸出量は前年同月比86%減の106トン。輸出のほとんどを占める台湾の落ち込みが激しく、前年同月の620トンから84%減の100トンにとどまった。青森県によると、09年産の国産リンゴの輸出量は2万3867トン、輸出額は66億円を超え、青森産が9割を占めている。 台湾は原発事故後、青森県産リンゴの放射性物質の検査を行っている。青森県りんご協会(弘前市)によると、10年産リンゴは昨年11月下旬までに収穫し、農協
避難所に続く階段 上れなかった車いす 津波の犠牲に 大徳院に唯一続く39段の階段。車いすの高齢女性は上ることができず、津波に流された 岩手県大槌町の安渡(あんど)地区で、車いすの高齢者が避難所に唯一続く道の階段を上れず、津波の犠牲になった。地元町内会は震災前から町に対して度々、こうした事態を懸念し整備の必要性を訴えてきた。「なぜ行政は早く対応してくれなかったのか」。町役場も被災し機能不全に陥る中、遺族らはやり場のない怒りを抱えている。 「避難所まで行ければ助かった。本当に悔しい」。高清水章雄さん(71)は母ツイさん(92)の車いすを押し、避難所の寺院「大徳院」の階段下まで避難した。寺院に続く経路は他になく、39段の階段を上らなければたどり着けない。何とか抱え上げようとしたところに津波が襲い、ツイさんを押し流した。 地区の避難所は海抜20メートルの大徳院と、山林を挟んで東にある安渡小の2
東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発の1~5号機と同型の原子炉格納容器「マーク1」の安全性について、米原子力規制委員会(NRC)が80年に再評価した際、原子炉格納容器の圧力上昇を抑える圧力抑制プールの耐震強度が十分でない可能性を予測しながら、米国内の電力会社の意見を参考に「無視できる」と結論づけていたことが、毎日新聞が入手したNRCの「安全性評価報告書」で分かった。日本の原子力安全委員会もこの報告書と同様の国内指針を作成していた。しかし、米国のマーク1は地震の少ない東側に集中しており、日本の安全基準のあり方を根本的に検証する必要がありそうだ。【吉富裕倫】 ◇米原子力規制委、80年に結論 米国の原発の安全性を監督するNRCの内部文書から、マーク1の問題点が明らかになったのは初めて。開発した米ゼネラル・エレクトリック(GE)社などによると、マーク1は世界5カ国・地域に38基あり、米国24
首都圏の住民の間でも居住地域の放射線量への不安が広がってきた。 原発事故の際、離れた場所でも局地的に汚染度が高い「ホットスポット」と呼ばれる地域があることが知られる。事故によって放射性物質が漏れて上空を流れる時、地形や風向き、降雨などの影響で特定の場所に降下して高い線量になる。 福島第1原発事故と並び史上最悪の「レベル7」だったチェルノブイリ原発事故では、原発から300キロ近く離れた場所が高濃度に汚染され、強制移住の対象になった。 ホウレンソウや生茶葉などから国の基準を超える放射性物質の検出が相次いだ千葉県では、県北西部の松戸市など6市が「一部の計測データで相対的に高い数値が出ている」などとして、放射線量の測定と結果の公表を求め県に要望書を出した。それを受け、県は測定を実施した。 6市は、今後も継続的な測定を県に求め、専門家もまじえたワーキンググループでデータを検討する。 また、東京都内で
笹木竜三副文部科学相は8日、都道府県に委託している「環境放射能水準調査」について、従来の固定式モニタリングポストに加え、持ち運びが可能なサーベイメーターを導入し、測定を強化すると発表した。 文科省によると、サーベイメーターでは地上から高さ約1メートルの空間放射線量を測定、より人の生活空間に近い線量を集計する。また、可搬式という利点を生かし、機動的な測定の実施も検討する。 都道府県がすでに所有しているサーベイメーターの活用などを想定、早ければ今月中にも測定を始める計画。
焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」を巡る集団食中毒事件で、経営するフーズ・フォーラス社(本社・金沢市)の勘坂康弘社長が「営業再開は難しい」として取締役以外の社員約90人を解雇したことが8日、同社関係者の話で分かった。同社は「被害者への賠償のため」として営業再開の準備を進めていたが、地元の金沢市や富山県など自治体が原因究明が終わる前の営業再開に難色を示したことや、営業停止による資金難が理由とみられる。 食中毒事件の発生を受け、富山、福井両県と横浜市は、計4店を営業禁止処分としている。同社は他の店舗を含め全20店を自主的に営業停止にしていた。被害者が死者を含め100人以上にのぼり、賠償金が高額に上ることから、同社は「被害者に十分な賠償をするため」として、自治体の処分対象を除いた店舗での営業再開を模索していた。 勘坂社長は8日、幹部を含め、社員に「自主再建を目指していたが、断念せざるを得ない。辞
世界を震撼(しんかん)させた東京電力福島第1原発の事故後、初めて主要8カ国(G8)のリーダーが一堂に会したドービル・サミット。原子力先進国のフランスで5月26、27両日開かれた会議では、世界で建設が進められてきた原発の是非に切り込まず、各国の判断に委ねる「玉虫色」の決着に終わった。国際基準で最悪の「レベル7」という放射能汚染を経験した日本が過酷な現場の実態を伝えられず、G8も原子力事故対処への回答を示したとはいえない。今、日本がなすべきは、原発政策のあり方を改めて問う国民的議論を巻き起こし、世界へと発信することだと思う。 ◇原子力頼みの地球温暖化防止 サミットに合わせて行われた日米首脳会談ではオバマ米大統領が東日本大震災に襲われた日本への「末永い支援」を約束し、菅直人首相は「復興」を誓った。しかし、終了後、そろって会談内容を説明した両首脳は原発政策に触れることなく、握手で別れた。 3月11
菅直人首相は8日夜、東京都内の中華料理店で民主党の若手議員と会食した。首相は民主、自民両党による大連立構想について「やるのはともかく、衆院解散を約束しての大連立は絶対に駄目だ」と述べ、早期の衆院解散・総選挙を前提にした期限付き大連立に否定的な見解を示した。後継首相については「2年間しっかりやってもらい、(13年夏に)衆参同日選をやってもらいたい」と述べた。 菅首相は具体的な退陣時期を明言しなかったものの、「官邸に入れば1年でも長く(首相を)やっていたいと思うかもしれないが、決してそういうことではない。いつでも(重圧から)解放されたいと思うのが普通の人間の気持ちだ」と語った。出席者が首相の発言を明らかにした。【高橋恵子】
東京電力福島第1原発への海水注入をめぐる問題で、東電は8日、独断で注入を継続した吉田昌郎所長を6日付で口頭注意したと発表した。東電は当初から処分を検討していたが、菅直人首相の「(所長の)判断は間違いでなかった」との発言などを受け、軽い処分にとどめたとみられる。 東電は東日本大震災で緊急停止した1号機の原子炉圧力容器への淡水の注水が3月12日に停止したため、海水注入を開始。しかし、東電側が「海水注入に首相の了解が得られていない」と官邸の意向に配慮し、本店と発電所とのテレビ会議で注入停止を合意した。ところが、吉田所長は「事故の進展防止には原子炉への注水継続が何よりも重要」と判断し、本店に知らせずに海水注入を継続したという。 海水注入は所長権限で実施できるが、本店に無断で継続したうえ、報告が2カ月以上も遅れたとして、清水正孝社長が口頭で注意した。【立山清也】
国内最多の原発14基が立地する福井県の西川一誠知事は8日、政府が国際原子力機関(IAEA)閣僚会議に提出した東京電力福島第1原発事故の報告書に盛り込まれた教訓や安全対策について、「原発立地自治体の不安に対する答えではない」と述べた。定期検査などで停止中の原発の運転再開を認めない考えを示した。 7日夜の報告書公表を受け、県庁で会見した。県は定検中の原発の運転再開や稼働中の原発の運転継続について、国が暫定的にでも新たな安全基準を示すよう求めている。報告書が新たな安全基準に代わるものとの見方もあったが、西川知事は「原子炉施設への地震の影響が不明。高経年(老朽)化原発への対応も明らかではない」などと指摘した。また新たな安全基準は、原発立地道県ごとに示す必要があるとの認識を示した。【安藤大介】
埼玉県所沢市は8日、今年8月分か9月分の電力使用量を前年同月より15%以上減らした世帯に対し、コンビニエンスストアなどで使えるクオカード500円分を贈ると発表した。予算は2000世帯分の100万円で、達成世帯が多ければ抽選にする。同市によると、こうした制度は全国でも珍しいという。 予想される夏の電力不足を前に、市民に節電意識を高めてもらうのが狙い。前年同月の電力使用量は電気料金の請求書に記されている。希望者は10月末までに請求書のコピーを市に提出する。8、9月分とも15%減らせれば1000円分もらうことも可能という。【高木昭午】
東京都は8日、都内の約100カ所で放射線量を測定すると発表した。都の担当者は「専門家が性能の高い測定機器で調べた数値を出してほしいとの要望が区市町村側からあり、都が実施することにした」と話している。15日から始める。 都によると、測定は区市町村が希望する場所で実施。都健康安全研究センターの職員が、地表面と地面から高さ1メートルの大気中の放射線量を測定する。 これとは別に、20日以降、区市町村に対して70台の測定機器を貸し出す。都内では、足立、葛飾区などが既に測定を始めているほか、台東、世田谷区なども今後予定している。【武内亮】
政府与党社会保障改革検討本部成案決定会合であいさつする菅直人首相(左から2人目)と(左から)与謝野馨税・社会保障一体改革担当相、枝野幸男官房長官、細川律夫厚労相=首相官邸で2011年6月8日午後6時21分、藤井太郎撮影 税と社会保障の一体改革について、政府・与党幹部による「成案決定会合」(議長・菅直人首相)の初会合が8日開かれ、今月20日最終案決定を目指す方針を確認した。 政府税制調査会の意見も取り込み、「15年度までに消費税率を段階的に10%に引き上げる」と明記した原案の具体化を進める。 決定会合は、政府・与党幹部21人で構成。この日は政府税調全体会合と民主党の「社会保障と税の抜本改革調査会」も開催した。 税調では「増税で経済が失速する恐れもある」などの指摘が相次いだほか、調査会では、退任を表明した菅首相の下で一体改革案を決定することを疑問視する声も出た。【赤間清広】
東日本大震災は11日で震災3カ月を迎える。未曽有の大災害に対し、復興にあたる組織や権限を定める復興基本法案すら成立しておらず、国会は十分機能していない。村山内閣の下で発生した95年1月の阪神大震災時、発生3カ月後には17の震災関連法案が成立。被害がより大きい今回、成立法案はいまだ13法案にとどまる。野党提出の内閣不信任決議案を巡り、与党の民主党からも造反者が相次ぎ、「被災地置き去り」との批判が強まっている。【横田愛】 ◇閣僚増員メド立たず 衆院東日本大震災復興特別委員会は8日の理事懇談会で、民主、自民、公明3党で合意した復興基本法案の修正案を9日に採決することを決めた。同法案は10日に衆院通過し、17日にも成立する見通し。阪神大震災で基本法が約1カ月後に成立したのと比べ、出遅れは明らかだ。 「阪神大震災は(審議時間は)2時間、こちらは2週間。与野党で協議し合意するのに時間がかかる。これが現
【パリ福原直樹、会川晴之】経済協力開発機構(OECD)は8日、原発の安全問題を討議する専門家会合を開いた。この中で専門家らは福島原発の事故の教訓や安全性向上に向けた今後の国際協力などを討議。会見したフランスの原子力安全機関(ASN)のラコスト総裁ら英米仏の原子力規制機関のトップは、各国が原発の安全性確認の検査(ストレステスト)を急ぐべきだと指摘した。 ラコスト総裁は、テストで問題があった場合は年内にも改善策を取る意向だとした。米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は、米国の原発について「安全性向上の議論を進める」とする一方、カリフォルニア州にある原発2基は「津波などの自然災害に十分耐えられる」と語った。原子力規制機関の独立についてラコスト総裁は「政治や電力会社双方からの独立が必要だ」と指摘した。
東京電力福島第1原発の事故から間もなく3カ月。福島県内では国の避難指示が出ていない地域で、放射線量が高い「ホットスポット」が相次いで見つかっている。「住み続けていいのか」。子供の被ばくを恐れ、若い世代が集落を離れようとしている。【山本将克】 ◇福島県相馬・伊達 ホットスポットに困惑 第1原発の北西約50キロ、阿武隈山地の景勝地・霊山(りょうぜん)のふもとに相馬市玉野地区がある。終戦直後に開拓民が山を切り開き、今年も水をたたえた田が広がる。 「頭の中が原発でいっぱい。どうしても心の底から笑えないんです」。夕食時、農家の居間で子供をあやしていた大橋亜希さん(30)の目から突然、涙がこぼれた。健康診断で、心療内科の受診を強く勧められているという。 3月12日の1号機爆発後、亜希さんは夫の正広さん(30)と一緒に5歳の長男、11カ月の長女を連れて福島市の実家へ避難した。ところが福島市内も放射線量が
福島県によると、県内で地震や津波、放射性物質の健康被害を心配して避難したのは、9万9200人。このうち避難所や公営住宅に入居しているのは県内2万3444人、県外3万5557人。自主避難で親族や友人宅などに身を寄せているため、県が把握できない避難者もいる。 福島第1原発事故で、避難対象になっているのは警戒区域(半径20キロ)と計画的避難区域の計約8万8000人。警戒区域への一時帰宅の対象は、半径3キロ圏内を除き2万7843世帯。5月10日~6月8日で、1687世帯の一時帰宅が完了している。5月中の実施を求められていた計画的避難区域からの避難は終了せず、約1700人がいまも残っている。 警戒区域など避難の必要がある3区域の学校は移転や休校を強いられた。3区域54小中学校のうち、31校は近隣の廃校や他の自治体の学校の空き教室に移転して再開。23校は休校に追い込まれ、児童・生徒は区域外の学校に通っ
福島県内では、学校や家庭で放射線を避ける生活を続ける子供たちの心身に、不調が見え始めている。体調を崩したり、外で遊べないストレスが募って保健室を訪れる児童も目立つ。 福島市立渡利小学校では、発熱などで早退する子が増えている。以前は1日に1人程度だったが5月半ばからは、ほぼ連日数人になり、今月6日は8人に。高橋友憲校長は「子供のストレスが高まっているのだろうか」と心配する。 郡山市立芳賀小学校で養護教諭を務める柴田廷子さんは「軽い打撲や擦り傷で保健室に来る生徒が増えた」。校庭の使用時間が制限され、校舎内で走り回ってけがをする子も多い。生徒同士の小競り合いなどトラブルも増えていると話す。 同市の小児科医、菊池信太郎さんによると、放射線によるストレスはリスクを理解できる高学年に表れやすい。教諭らは児童から「将来、出身地を隠したほうがいいの?」「県外に行ったらいじめられそう」といった相談を受けると
福島第1原発に派遣される災害対応支援ロボット「クインス」=千葉県習志野市の千葉工大で2011年6月8日午前10時40分ごろ、斎藤有香撮影 東京電力福島第1原発の原子炉建屋の汚染水調査のため、千葉工業大(千葉県習志野市)などで構成される研究チームが、災害対応支援ロボット「クインス」を改良、東電の求めに応じて現場投入が決まった。早ければ10日にも入り、1~3号機建屋内の汚染水に水位計を設置したり水を採取するのが任務という。研究チームの田所諭・東北大教授は「がれき上の走行能力は世界一。作業員の被ばく量軽減のために活用したい」と話した。 研究チームによると、5月20日に東電から「汚染水調査のためクインスの出動を」と依頼があった。チームはクインスに作業用アームや水位計センサーを新たに設置。放射線をあてる実験もして、電子回路の作動状況も確認したという。原発到着後は、5号機で東電社員が走行テストや操作訓
東京電力は8日、福島第2原発1~4号機のタービン建屋などにたまった放射性汚染水約3000立方メートル(約3000トン)を、海へ放出する検討を始めたと発表した。放射性物質は計30億ベクレルに上るとみられる。東電は放射性物質の除去をできるだけ進めたうえで、水産庁や地元漁協などの了解を得たいと説明しているが、水産庁は「容認できない」と反発を強めている。 東電によると、汚染水は東日本大震災での津波で建屋地下に浸入した海水。第2原発は冷温停止されており、核燃料の損傷が原因による汚染水ではないが、長期間排水しないと塩分による機器類の腐食が懸念されている。放射性ヨウ素は検出限界値未満だったが、低レベルの放射性セシウムやコバルトが含まれ、いずれも水中の法定放出濃度限度を上回っている。東電は今後、セシウムを吸着する鉱物「ゼオライト」などを用い、濃度を放出限度以下まで処理する方針。 東電から3日に事前連絡を受
国土交通省は8日、東日本大震災の被災者や中型車(最大積載量5トン未満のトラックなど)以上の車種を対象に、今月20日から開始する東北地方の高速道路無料化の内容と、入り口でETC(料金自動収受システム)を利用した場合は対象にならないなど、利用上の注意を発表した。無料化の対象に青森、宮城、山形、福島、茨城5県の道路公社が管理する有料道路計9路線111キロも追加し、対象路線は計20路線、総延長1541キロとなった。【三島健二】 ◇ETC利用不可 被災者(福島第1原発原発事故被災者を含む)は、自治体が発行する罹災(りさい)証明書や被災証明書など、被災を証明する書類の提示が必要で、コピー不可。免許証など本人確認ができる書面も併せて提示する必要がある。同乗者でも無料の対象になる。 対象路線内にあるインターチェンジを入り口、または出口として使う場合が無料化の対象となる。ETCを利用した場合は対象外で、高速
文部科学省は8日、東日本大震災を踏まえた学校施設の耐震化や防災機能強化に向けた有識者による検討会(座長、長沢悟・東洋大教授)の初会合を開いた。委員からは通信手段の確保や避難所機能の重要性が指摘され、同省は今月中に検討会から報告を受け、来年度予算の編成に反映させる方針だ。 宮城県南三陸町や岩手県陸前高田市を視察した上野淳・首都大学東京副学長(建築計画学)は電話などの通信手段が途絶した学校の状況を報告し、「情報機能の強化が極めて大きな課題」として衛星電話の配備を提言。片田敏孝・群馬大大学院教授(災害社会工学)は「学校は命を守る最後の頼みの建物」と述べ、地震と津波のほか豪雨災害も対策に加えるよう訴えた。 文科省によると、東日本大震災で復旧工事が必要になった公立学校は6250校(6月1日時点)。一方、ピーク時には622校が避難所となり、非常用電源やトイレの確保が課題になった。同省は今後5年間に公立
政府は8日付で、東京電力の経営状況を調査するために設置した「東京電力に関する経営・財務調査委員会」(委員長・下河辺和彦弁護士)の実務を担当する「タスクフォース」(リーダー・仙谷由人官房副長官)の事務局長に、産業革新機構執行役員の西山圭太氏を充てる人事を発令した。事務局次長は鉢村健・日本銀行国際局参事役と大西正一郎弁護士の2人を充てる。最終的には事務局を約30人態勢とし、初会合を来週にも開く。枝野幸男官房長官は同日の会見で「9月ごろまでに報告書を取りまとめてほしい」と表明した。 事務局長の西山氏は電力行政を所管する経済産業省出身。【影山哲也】
東京商工リサーチが8日発表した5月の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は前年同月比4.9%増の1071件で、2009年7月以来1年10カ月ぶりに前年実績を上回った。宿泊業、広告関連業などで急増。東日本大震災に関連した倒産が64件発生したことが響いた。 震災関連倒産は6月7日現在で104件。事業停止や破産準備中なども含めた経営破綻は156件に達し、全国に広がりを見せている。これまで倒産を抑えてきた政府の資金繰り支援策も効果が薄れつつあり、東京商工リサーチは「倒産は今後も緩やかに増加していく」と予想している。 業種別の倒産件数は、宿泊業が前年同月の8件から29件に、広告関連業は8件から18件に、飲食業も60件から68件に増えた。震災による風評被害や自粛ムードの影響が目立った。 地域別では九州・沖縄が81件と52.8%増えたのをはじめ、北海道、中部、北陸、近畿、中国の計6地域で増加。一方、東
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