InDesignでテキストを選択して書体を変更しようとしたとき、下図のような火星語のアラートが表示されることがある。選択範囲内に「変更後のフォントにはないグリフ」が使われていた場合、ロックがかかるのは納得できるが、「あるはずのグリフなのに書体が変更できない」ということも珍しくない。今回は、その原因について書いてみようと思う。 InDesignにおける'aalt'を利用したグリフ指定は、一言で言えば、「親字のUnicode値」プラス「異体字番号」でグリフを特定する仕組みである。 たとえば「ヒラギノ角ゴシック Pro W3」で「返」と入力して選択し、InDesignの字形パレットで「選択された文字の異体字を表示」とすると、下図のようになる。 この5つのグリフが「返」を含む'aalt'グループだが、このうちInDesignが「親字」として利用するのは直接Unicode値と対応している文字のみであ