トルクメニスタンの砂漠で何十年も燃え続ける巨大なメタンガス噴出孔ダルバザ・クレーターの近くにテーブルセットを置いたツアーガイド。(PHOTOGRAPH BY CAROLYN DRAKE, MAGNUM PHOTOS) ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)であるジョージ・コロウニス氏は、10年前に史上初めて燃えさかる「地獄の門」に入った。トルクメニスタン中北部のカラクム砂漠にぽっかりあいた直径70メートル、深さ30メートルの巨大な穴だ。正式には近くの村にちなんで「ダルバザ・クレーター」と名付けられているが、通称の方がしっくりくる。この穴からはメタンガスが噴き出していて、何十年も前に燃えはじめた火が今日までずっと燃え続けているのだ。 コロウニス氏は2年がかりで計画を練り、クレーターの上に張り渡されたロープにぶら下がってクレーターの内側に入った。そして、わずか17分の間に、ガ
球状粒子を効率的に生成するプラズマ加工技術を開発 金属粒子を球状かつ形状を均一にすることで充填密度を向上し、高品質な造形物の形成を実現へ さまざまな形状の粉末を無駄なく使え、低コスト化に貢献 国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)製造技術研究部門 板垣 宏知 主任研究員は、プラズマで加熱した金属粒子を、気流や圧力を制御することで、真球状に加工する技術を開発しました。 金属を対象とした3Dプリンティング技術である金属積層造形では、粒径が10~150 µmの金属粉末が主に使われています。高品質な製品を作るには、造形材料となる粉末の形状が真球に近く粒径分布や形状が均一で欠陥が少ない金属粉末を使う必要があります。また、粉末粒子間の隙間が多く含まれる低充填密度の粉末では、造形物の中に空隙や亀裂といった内部欠陥を引き起こす原因となり、これが製品の品質低下や信頼性の問題につながります
テキサス大学オースティン校とその他複数の大学の研究者が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のあらゆる変異株および関連ウイルスに効果的を発揮できる可能性のある抗体「SC27」を発見したと報告しています。 Hybrid immunity to SARS-CoV-2 arises from serological recall of IgG antibodies distinctly imprinted by infection or vaccination - ScienceDirect https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666379124003823 An antibody discovered at UT Austin could protect against all COVID variants | TPR
テキサス大学医学部ガルベストン校(UTMB)の研究者たちが、アルツハイマー病や認知症などの神経変性疾患について、鼻にスプレーを噴霧するだけで認知機能を改善する治療法を発表しました。 New Breakthrough in Alzheimer’s Research: UTMB Researchers Develop Nasal Spray Treatment for Alzheimer’s Disease https://www.utmb.edu/news/article/utmb-news/2024/07/03/new-breakthrough-in-alzheimer-s-research--utmb-researchers-develop-nasal-spray-treatment-for-alzheimer-s-disease Nasal tau immunotherapy clea
韓国の研究チームが発表した「室温かつ常圧で超伝導状態になる物質・LK-99」については、発表当初から世界中の研究者から注目が集まり、複数の研究機関が再現実験を実施しました。最終的に、LK-99は超伝導体ではないことが明らかになっているのですが、そのプロセスを科学誌のNatureが解説しています。 LK-99 isn’t a superconductor — how science sleuths solved the mystery https://www.nature.com/articles/d41586-023-02585-7 事の発端となったのは、韓国・ソウルのスタートアップであるQuantum Energy Research Centreで働く研究者グループが発表した、「LK-99は少なくとも127度までの温度で超伝導体である」とする研究論文にあります。これまで超伝導体を生み出す
by David Good 夏の風物詩ともいえるセミの羽には、触れたバクテリアを殺してしまう強力な抗菌作用があります。アメリカのストーニーブルック大学とオークリッジ国立研究所の研究者らが、スーパーコンピューターを用いてセミの羽の微細構造の働きを明らかにし、細菌を破壊して自然に自己洗浄するメカニズムを突き止めたことを報告しました。 Structure-Based Design of Dual Bactericidal and Bacteria-Releasing Nanosurfaces | ACS Applied Materials & Interfaces https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsami.2c18121 Scientists use ORNL’s Summit supercomputer to learn how cicada wings
「熱膨張」とは、温度が上がると膨張し、温度が下がると収縮する特性です。金属や木材などの固体や液体、気体は基本的にこの特性を持っています。しかし、鉄とニッケルを一定の割合で組み合わせた「インバー」と呼ばれる合金は、熱膨張をほとんど起こさないことが知られていましたが、その原理は明らかにされていませんでした。カリフォルニア工科大学の材料科学者であるブレント・フルツ氏らの研究チームが、インバーが熱膨張を起こさない原理について解明しました。 A thermodynamic explanation of the Invar effect | Nature Physics https://doi.org/10.1038/s41567-023-02142-z Some Alloys Don't Change Size When Heated. We Now Know Why. | www.caltech.
PDFファイル (307KB) 日清食品ホールディングス株式会社 (社長・CEO:安藤 宏基) は、動物由来原料を一切使用せずに "うなぎの蒲焼" の食感や見た目、風味を再現した「プラントベースうなぎ」の開発に成功しました。 古くから高級食材として知られている "ニホンウナギ" は、国際自然保護連合により絶滅危惧種IB類*1に指定されています。 一方、ウナギの養殖は天然資源 (稚魚であるシラスウナギ) に依存しています。近年、シラスウナギの漁獲量は減少傾向にあり*2その価格が高騰していることから、市販されるうなぎの価格も上昇しています。さらに、ウナギを卵から育てる完全養殖は、技術的に確立されているもののコストの問題が解決されておらず、実用化には至っていません。そのため、このままでは「うなぎを食べる」という日本の食文化が失われてしまう可能性があります。 また、弊社では "栄養改善" と "持
[図1] 波長3.5mm帯の国際電波望遠鏡ネットワークによって得られたM87中心部の電波画像。2018年4月14日から15日にかけて、グローバルミリ波VLBI観測網(GMVA)にアルマ望遠鏡とグリーンランド望遠鏡が新たに参加して観測が行われました。中心部のリング状構造が巨大ブラックホールを取り巻く降着円盤で、そこにつながるジェットの様子も捉えられています。(画像クレジット:Lu et al. 2023; composition by F. Tazaki) EHT-Japanのメンバーも多数参加する国際研究チームは、波長3.5mm帯で観測する地球規模の電波望遠鏡ネットワークを用いて、楕円銀河M87の中心部を詳しく観測しました。その結果、巨大ブラックホールの周囲に広がる降着円盤の撮影に初めて成功するとともに、ジェットの根元の構造をこれまでで最も高い視力で捉えました。本成果は、巨大ブラックホール
by Elke Gabriel 培養した脳に眼杯と呼ばれる器官を備えた原始的な目を形成させることに成功したとの論文が、2021年8月17日に発表されました。人の脳を研究するために実験室内で作られたミニチュアサイズの脳と目には、光に反応する神経組織の活動などが確認されたことから、今後は網膜疾患の研究や医療用の網膜の製造に役立つと期待されています。 Human brain organoids assemble functionally integrated bilateral optic vesicles: Cell Stem Cell https://www.cell.com/cell-stem-cell/pdfExtended/S1934-5909(21)00295-2 Brain organoids develop optic cups that respo | EurekAlert!
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)には治療薬が存在しないため、感染流行を抑え込むには、ワクチン接種を広めることが必須と考えられています。一方でファイザーを始めとする製薬会社はCOVID-19治療薬の開発にも取り掛かっています。新たな研究では、人の体に悪影響を与えず、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のみの複製を阻害する方法が発表されました。この方法により、新たな治療薬への道が開けるとみられています。 Structural basis of ribosomal frameshifting during translation of the SARS-CoV-2 RNA genome | Science https://science.sciencemag.org/content/early/2021/05/12/science.abf3546 The Achilles he
体にまひがある人の脳にインプラントを埋め込んで、「考えるだけ」でタイピングを行ったり、ロボットアームを操作したりといったことを可能にする技術が開発されています。新たに研究チームがNatureに発表した研究では、「頭の中でイメージした手書き文字」を実際にコンピューター画面上で出力することに成功。これにより、手足が動かせない人のコミュニケーションが促進されると考えられています。 High-performance brain-to-text communication via handwriting | Nature https://www.nature.com/articles/s41586-021-03506-2 Neural implant lets paralyzed person type by imagining writing | Ars Technica https://arst
禁断のプランB。地球温暖化が止まらないときのために太陽光をブロックする研究がスタートしそう2021.05.04 12:0010,908 Brian Kahn - Earther Gizmodo US [原文] ( Kenji P. Miyajima ) プランBまで失敗してプラネットBを探すなんてことになりませんように……。 気候危機の根本的な原因になっている二酸化炭素の排出量を削減するために、やっと世界が準備を整えつつあるようです。でも、世界が排出量を削減できないという万が一に備えて、科学者グループが禁断のプランBを開発する方法について詳しい説明を行ないました。 禁断のプランBは大気をハックするジオエンジニアリング米国科学アカデミーは、世界が二酸化炭素排出量を十分に削減できなかったり、地球温暖化が人類の存続を脅かすようになったりした場合に、アメリカがどのように太陽をブロックする計画を立て
mRNAワクチン:新型コロナウイルス感染を抑える切り札となるか? 投稿者 飯笹 久(島根大学学術研究院医学・看護学系) 最近、ニュースなどで新型コロナウイルスのワクチンとして、mRNAワクチンという言葉をよく目にする。このワクチンについて、最近何人かの医療関係者から質問をいただいた。RNA 学会でも多くの方が、このワクチンに興味と不安を持っていると思う。そこでワクチンの解説について鈴木さんと甲斐田さんに連絡をとったところ、了承を得ることができた。今回の話は偶然にも古市先生のエッセイと一部重複しているが、それぞれ異なる視点からのものであるので、2つの話を読んで総合的にmRNAワクチンを理解していただければと思う。 まずこのワクチンの新しい点を説明し、またmRNAワクチンを出しているBioNTech (ファイザー) 社とModerna社の製品の違い、最後に考えられる問題点ついても解説したい。
通っていたお笑い養成所で放送作家の先生からこんなアドバイスをもらった。 「私たち放送作家は一つの番組の小さなコーナー企画にだいたい100以上の企画書を出します。なぜか。まず、半分くらいまでは自分の今までの経験や知識から生み出せる。次に今まで出したものの掛け算で生み出せる。その後、しばらくすると、もう今の自分からは何も出ないという状態になります。空っぽになって初めて、新しい情報がきちんと入り、自分が考えもしなかったアイディアが出せるものです。まずは空っぽにしてください。」 私が一番怖いのは野心とアイディアの枯渇なのだが、ふと知りたくなった。 アイディアの枯渇の先になにがあるのか? 誰からも「100個出してほしい」と依頼されたわけではないが、今回は数にこだわってICT活用した授業アイディアをテーマに出してみた。 100個に至るまでの経緯を説明していきたい。 ①まず、キーワード出しフェーズ マン
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