‘21年3月4日(木) 新潟県に伝わる昔話である。 題して「鳥呑爺(とりのみじい)」。 あるとき、おじいさんが 山に入って畑を耕していると、 くわの柄に小鳥がやってきて 鳴く。 「あやちゅうちゅう、にしき さらさら」。 あまりにかわいいので、 今度は舌先にとめたのだが、 まちがってのみ込んで しまった ▼ところが、鳥は腹の中でも さえずり、家のおばあさんも 仰天。近くを通った殿さまに 披露すると、ことのほか喜び、 たくさんの褒美をたまわった――。 鳥をのみ、めでたい筋書きだが、 先月28日に全国で起きたのは、 カード類を機械が吸い込み、 顧客がたいそうな不便を強い られた一幕である。 他山の石とせねばなるまい ▼みずほ銀行の障害では、 ATMからカードなどが戻ら ない事例が計5200件超も あったという。 月末の作業のためのメモリー 容量が不足した初歩的なミス。 加えて、職員らの到着も遅れ