'16年11月23日(水) [藤原てい] ブログ村キーワード 気象台に勤務する夫は、 構内の官舎に昼ご飯を 食べに帰って来る。 そこへ毎日、「先生、先生」 と言って出版社の編集者や 新聞記者が妻を訪ねて来る。 夫はお茶を出す ◆「飯を食うつもりで 帰ったのに、悔しくてね。 よし、自分も何か 書いてみようかと・・・」。 作家の新田次郎さんは ある対談で回想している。 妻、藤原ていさんの 『流れる星は生きている』が ベストセラーになった 1949年(昭和24年)のこと という ◆終戦前後に一家のなめた 辛酸を重ね合わせるとき、 平和な、人情喜劇のような 昼ご飯の情景がいっそう 甘やかに胸にしみる ◆6歳。3歳。生後1か月。 満州(現・中国東北部)で 夫と離ればなれになり、 3人の子供を連れて 引き揚げた苦難の旅は その著書でご存じの方が 多かろう。 藤原ていさんが98歳で 亡くなった ◆著書の