‘23年6月17日(土) 雑穀を練って固めた伝統食より 甘くて軟らかいパンが好まれている―。 世界各国の台所事情を研究する 岡根谷実里さんが数年前、 アフリカ・スーダンの家庭を訪ねて リポートしている ▼1970年代、小麦の輸出先を 広げていた米国が、海外援助の 一環でスーダンに供給したのが 変化の始まりだった。 同国政府が小麦に補助金を出した こともあり、パンが主食の座を 占めるようになった ▼石油資源の豊富な南スーダンが 2011年に分離独立すると、 収入源を失った政府は補助金を廃止した。 パンの価格は高騰し、民衆の不満が デモを呼び、政権は崩壊。 2カ月前の軍と準軍事組織の衝突に つながったという ▼乾燥気候のスーダンでは小麦を 自給できない。 近年はロシアとウクライナからの 輸入が増え、ウクライナ危機の後は 食料不足が一段と深刻化している。 岡根谷さんは 「主食を外に頼ると社会の基