‘22年5月14日(土) 5月上旬、エジプトの首都 カイロにある「死者の町」に 足を運んだ。 中世以降の政治権力者や 官僚、学者らが好んで 墓を作った場所で、 今でも数キロにわたり 墓地が残っているために この名がついた。 13~16世紀のマムルーク朝 時代のスルタン(君主)が 建設した施設も残っており、 かつての隆盛を 現代に伝えている。 死者の町には住民もいる。 収入が少なくて 市街で暮らせず、ここにある 建物に住み着いた人々だ。 妻子がいる ムハンマドさん(54)の家に お邪魔したら、居間のような くつろげる部屋も装飾品もなく、 小さな台所など 最低限の設備があるだけだった。 ロシアとウクライナに穀物を 依存するエジプトでは、 両国の戦闘長期化で3月に 通貨エジプト・ポンドが 対ドルで急落し、 物価も上昇傾向にある。 ムハンマドさんは 「電気代や水道代が値上がりし、 子供の学費もある