‘22年5月4日(水) 芥川賞受賞作 「されどわれらが日々――」の 柴田翔さんはドイツ文学者である。 西独留学生時代、 おしゃべりな旧ユーゴスラビア からの留学生たちにあきれ、 自作のことわざを進呈した ◆<7人のユーゴスラヴィア人は 700人のドイツ人より騒々しい>。 彼らに笑い叫ばれるほど喜ばれた という。 <その陽気さにユーゴスラヴィアという 国名が南のスラブ国の意味である ことを初めて実感した>と 随筆に記している ◆サッカーの元日本代表監督 イビチャ・オシムさんの出身国 である。 機知に富んだ言葉に接すると、 柴田さんの実感をかさねてしまう ◆「ライオンに追われたウサギが 逃げる時に肉離れしますか? 準備が足りない」。 いかに顔つきが厳しくとも、 どこかに陽気さが隠れているような。 おしゃべりが上手で、かつ深い サッカーの先生だった。 オシムさんが80歳で死去した。 泥沼の内戦を