‘22年3月10日(木) 2月24日、ロシア軍は ウクライナに全面的な侵攻を 開始した。 「戦争」は、矛盾を抱えながら かろうじて維持されてきた 世界秩序の「軋み」をあらわに した。 「核を巡る秩序」について、 副島英樹・朝日新聞編集委員が 綴る。 * * * プーチン大統領は 「ロシアは最強の核大国の一つだ」 と宣言し、戦略核の臨戦態勢に 入るよう命じた。 核兵器を誇示した威嚇が エスカレートしている。 通常戦力で北大西洋条約機構 (NATO)に大きく劣るロシアに とって、核兵器に頼るしか ないことの裏返しでもある。 世界は今、米国が広島・長崎に 原爆を投下して以降、初めて 核兵器が実戦使用されかねない 事態に直面している。 これがさらなる核拡散を誘発 しそうだ。 ロシアは常に米国の行動の 後追いをしてきた。 隣国ベラルーシへの核配備の 動きも、米国がNATO加盟国の ドイツ、オラン